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【プロ野球】

松中 引退会見 19年の野球人生「悔いはない」

2016年3月2日 紙面から

記者会見で現役引退を表明し、涙を拭う松中=福岡市内で

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 2004年に三冠王に輝き、出場機会を求めて昨季限りでソフトバンクを退団した松中信彦内野手(42)が1日、福岡市内で記者会見を開き、現役引退を表明した。春季キャンプが行われた2月いっぱいを去就判断の期限に設定し、複数球団に入団テスト実施を打診したが、希望はかなわなかった。それでも通算352本塁打のスラッガーは「悔いはない」と強調。目に涙を浮かべながら19年間のプロ野球人生を振り返り、静かにバットを置いた。

 約70人の報道陣の前で、平成唯一の三冠王は涙を流し、言葉を詰まらせながらファンへの思いを口にした。

 「最初は『松中』だった声援が、そのうち『信彦』に変わった。それだけは僕の宝物。ファンの皆さんには感謝の気持ちでいっぱい。それに応えたいという自分がいたからこそ、ここまでやってこられた」

 本塁打王など数々のタイトルを獲得したが、松中が最も誇れるものは2003年からの3年連続120打点だった。

 「3年連続で4番の仕事を果たせた。満足感、達成感があった」。西武のエースだった松坂大輔(現ソフトバンク)との勝負も印象深かったといい、05年7月15日にはサヨナラを含む1試合3発。「力と力の勝負を常にできたし、楽しかった」と思い出の一つに挙げた。

 今後は指導者を目指すが、新たな野球人生のために、まずは充電期間に入る。(泉修平)

◆一問一答

 −プロ19年間を振り返って

 「こんないろいろな経験をさせてもらって、本当に幸せ者と思っている。何回も言うように感謝の気持ちしかない」

 −引退決断の経緯は

 「わずかな可能性にかけて、最高の準備をしてきた。ただ、現実は厳しく、オファーも入団テストの機会も得ることはできなかった。だらだらはしたくなかったし、2月いっぱいと決めていた」

 −ソフトバンクを退団しての挑戦に後悔は

 「全くない。自分で選んだ道。(球団を去ってからの4カ月は)自分が望んでいた最後のピースだったかなと思う」

 −印象に残ることは

 「対戦して楽しかったのは(松坂)大輔。力と力の勝負で彼とやるときが一番楽しかった。試合では2004年に(西武に敗れた)プレーオフの悔しさを晴らした11年の(クライマックスシリーズの西武戦での)満塁ホームランが忘れられない。ファンの地響きのような歓声の中を(ベースを)回った感覚は宝物」

 −将来は監督も?

 「1回はしてみたいのは正直な気持ち。目標に向かって勉強したい」

 

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