きっかけはTBS!オレオレ詐欺犯逮捕 家族に促され少年出頭

2016年3月2日6時0分  スポーツ報知
  • 容疑者逮捕の決め手になった、29日放送のTBS系「緊急!公開大捜査 特捜事件ファイル2016」(C)TBS
  • オレオレ詐欺犯の逮捕経過(※イラストはイメージ)

 警視庁蒲田署は1日、振り込め詐欺で現金を受け取ったとして、詐欺容疑で東京・板橋区の少年(16)を逮捕した。逮捕のきっかけになったのは2月29日にTBS系で放送された「緊急! TV公開大捜査 特捜事件ファイル2016」。公開された顔写真が少年に似ていると気づいた家族が問いつめ、出頭を促した。

 逮捕容疑は今年1月、大田区の89歳の男性に、息子を装った男が「電車で300万円が入ったカバンを盗まれた」と電話をかけ、現金150万円をだまし取った疑い。蒲田署によると、電話をかける「かけ子」は別に存在し、少年は現金を受け取る「受け子」だったという。

 29日夜、この事件を報じた同番組を、たまたま少年の母親が見ており、「息子に似ている」と思ったという。少年は兄と外出中だったが、兄の携帯電話にも、知り合いから同番組で流された少年の画像が送られて来たことから、兄が少年を自宅に連れ帰った。母と兄が「やったのか」と問いつめたところ認めたため、放送終了から約1時間半後の29日午後10時半ごろ、両親付き添いのもと板橋署に出頭。翌朝7時ごろ、蒲田署に身柄が引き渡され、逮捕となった。少年は容疑を認め「昨夏ごろ『楽に稼げる仕事がある』と声をかけられた」と供述している。

 先月25日に警視庁のホームページで、男性宅のインターホンに記録されていた少年の画像を公開していた。捜査当局は容疑者が未成年の場合、実名など個人が特定されうる情報を公開していない。今回は少年が背広を身に着けるなど大人びた風貌。蒲田署は「慎重に判断し、犯人は成人とみて公開した」と説明した。

 蒲田署は「放送がここまでスムーズに逮捕に結びつくのは珍しい」と指摘し、「詐欺グループの本犯にたどりつくきっかけになれば」と語った。同番組は2週連続の特番で、7日にも放送予定。TBSはさらなる事件解決へ士気が高まっているという。

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