中村真理、岡戸佑樹
2016年3月2日10時42分
大災害で公共交通機関が止まった時、名古屋駅周辺で行き場を失う人を受け入れる施設が増えている。後押ししているのは駅前の再開発だが、想定される帰宅困難者の数を収容するにはまだまだ足りない。混乱を防ぐための情報伝達など、課題は山積している。
■マンションが滞在施設に
名古屋駅南側の再開発地区に昨年完成した賃貸マンション「ロイヤルパークスERささしま」。災害時、2階の共用スペース約530平方メートルを帰宅困難者に開放する。
2月、マンションとしては初めて一時滞在施設に指定された。200人以上を受け入れられ、医薬品を倉庫に備蓄。非常用電源がつながっている隣のゲストルームは、震災時に医務室として使える。
「住民以外の避難場所になることを想定して設計した」と説明するのは、大和ハウス工業名古屋支社の植田亮・集合住宅事業部長。「帰宅困難者の受け入れは必要な地域貢献」とも話す。
市などの試算では、南海トラフ地震が平日の午後に起きた場合、名駅周辺では買い物客や出張中の会社員など約3万4千人が行き場を失う。発生から24時間受け入れられる施設は14年はわずか7カ所4千人分だったが、再開発で建てられたビルなどが加わり、23カ所1万6千人分に増えた。
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