2016-03-02

ハッカソン基礎知識

ここ数日ハッカソンエゴサしていると、色々と誤解がありそうなので、ここらでハッカソン基礎知識(2016年度版)を書いておく。

ハッカソンとは

ハック+マラソン造語。期間中に缶詰になって、プログラミングをする、プログラマーの為の遊び。

ここ7年くらいで、企業が「私達のAPIでハックしてください」という事で、賞金出したりしてる。

原理的なハッカソン(今40歳以上くらい?)だと「旅館に泊まって、みんなでバグ潰す、サークル合宿」のイメージが強く

最近ハッカソン(20〜30歳くらい?)だと「企業製品合法的に改造して、新しい使い方を提案して勝負するイベント」のイメージが強い。

現代ハッカソンの利点

非公開のAPIが使える

一般には公開されてない製品APIが使える。場合によってはマニュアルまで貰える。極まれに未発売製品まで触らせて貰える。

企業側も「新サービスや社内APIを使った時、何の化学反応が起きるか」を求めている。協賛企業参加者の利点が合致しているケース。

場合によっては守秘義務契約書を書く場合もある。

こう書くとアレだが、非公開社内API資料などは、普通に勉強になる。そりゃ門外不出だし。

擬似的に炎上体験をするパズル

仕事勤めにおいて炎上はさけるべきだが、学ぶ事も多い。

ハッカソンでは制限時間があるので、最初から炎上状態である

限られたリソース(メンバースキルセットや、機材)から、最善策を探すのはパズルゲームっぽい。

適度に浅い縁

月曜になったら、全員赤の他人である

賞金がどうとか、権利がどうと揉めるケースは非常にレアである

みなドライである出会いを求める人にハッカソンは向かない。

人間に興味がある参加者は少ない。

審査反省会は役立つ

土日で作った作品なんて、たかがしれてる。中途半端モノだ。

しかし、そんな状態作品コメントが貰えるのは、勉強になる。

製品模索スパイラルとしては、かなり美味しい。

普段メモ帳に書き留めたアイデアを、ハッカソン披露するのはコスパが良い。

発表会の機会

ハッカソン優秀作品企業イベントに呼ばれて発表する機会がある。

有給を取らなければならない事もあるが、普通じゃ入れない場所だったりするので、かなり勉強になる。

あと、ハッカソンの優勝作品のみが出場できるコンテストがある。ここは本当に凄い。発明の種がガンガンでてくる。マジヤバイ

I崎事件にも書かれている、500 Startups。Mashup Award 2nd Stage、Final Stageなどだ。他にもいくつかあるが、自分で探して欲しい。

ハッカソン欠点

アイデアは共有財産

制作・発表するアイデアは共有財産となる。つまり、パクられても仕方がない。

自分アイデア特許にしたいとか、会社発明なら、ハッカソンに持っていってはならない。

ハッカソンニュース記事になって、全然関係ない会社パクる場合もあるだろう。

ハッカソン自体が、一種サンドボックスであり、思考実験場所である。なのでアイデア尊重されるが、保護対象ではない。

これは良い悪いという以前に、そういう場所だと認識しなければならない。

悪い人間と当たると不運

いくら2日といえ、運悪くゴミ人間と当たると不幸だ。

I崎もそうだが、口だけ出すが作業しない奴がいる。害悪である

プランナーの温度差が激しい

良いプランナーと悪いプランナーの違いは如実に表れる。

ハッカソンにおけるプランナー立ち位置が書かれていない事が多い。そのため、プランナ−=何もしない人としてカウントされてしまう。

だが、それは違う。

アイデア出しが終わったら、プランナー積極的資料集め・素材集め・類似品集めをする必要がある。

具体的に言うと「デザイナーが使う写真素材やイラスト素材やアイコンを集める」「制作作品に似た製品を調べて機能改善提案する」「プレゼン質疑応答作品ツッコミポイントを想定する」などだ。

これだけで時間は足りないくらいだ。のんきに弁当食ってるんじゃネェゾ!

ハッキングアウトロー文化

ハッカソンにおけるその場限りの発明は、ガチでマジになってはならない」という文化である

表では書けないグレーなサービスや、法的に微妙作品や、協賛企業製品魔改造するなどが、結構ある。

これは、土日の縁だからこそ許される事、発明バカは紙一重である事、そして本来ハッキング文化の影響の、3つの要素で成り立っている。

なので、お堅い人には向かない。

あんまり日常業務で活かされない

その場限りの人とタッグを組む開発は貴重な経験だ。しか日常業務で活かされないスキルでもある。

一例としてGithubDropboxを使っていない人に合わせる柔軟さが必要だ。

開発環境がとじてしまっている人は、協調できず不利な傾向にある。

運営者やメンターがウザい

邪魔をしにくる。実装できもしない大言壮語アドバイスして開発をかき乱す。

初心者には手を貸し、上級者はそっとしておくのが、良い運営だと思う。

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旧来ハッカソン文化

対比的に現代と旧来と分けたが、今にも旧来世代ハッカソン文化も残っている。

主催者や協賛企業をガン無視して、「自分の作りたいものを作る勢」が一定存在する。

足かせがないぶん、奇抜な発表になるケースも多く、現代ハッカソンにおいても特別賞的なモノが授与される場合もある。

まりイベント趣旨とかけ離れた作品を出さない限り、毛嫌いされる事はない。

学生向けハッカソン

学生向けハッカソンと、年齢不問のハッカソン空気が違う。

学生向けハッカソン人事部イベント会社運営している。

参加者学生である分、開発力が落ちる。ぬるい。あと人事の目が気になる。

はいえ、良い制作が出来ているチームは、良い会社就職して行ってる。

それからメンター陣が充実しており、技術アドバイスが使える事もある。

人事としても、学生の質を測れるので、良い試みだと思う。炎上状態性格とかも見れるし。

学生向けハッカソン初心者向きハッカソン

豪華賞品ハッカソン

賞金50万円とか、シリコンバレーツアーとか。

しかし、そういうハッカソンは全体から見て1割以下だと思う。

あと、「招待」「ツアー」の場合、その枠が1人分だったりする。

最新タブレットが賞品の場合も、貰えるのは1台だったりする。

チーム4人なんだが、どうやって1人に分けろと……。

石崎某について

Twitterを見ると「有能じゃん」って書いてる人いるけれど、無能から出禁食らってるし、トラブル起こしてるんだろ。

これをスーツギークの争いとして見るのも、ちょっと違う。

ハッカソンに出てない人にとっては有能な営業に見えるかもだが、あれは害悪だよ。プランナーから見ても、害。

2日限りのハッカソンしか発揮されない能力だ。一期一会の焼き畑仕事だ。仕事だとすぐボロが出るからね。

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ハッカソン揉め事の内実

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ハッカソン揉め事

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ハッカソンマスター石崎石崎仁一とは何か

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