北沢祐生
2016年3月1日03時00分
長野市立若穂中学校で29日、戦争体験者の講演会があった。開拓団員として旧満州に渡った後、ソ連軍の捕虜となってシベリアに抑留された経験を語る同市の坂田雪男さん(92)の言葉に、2年生約130人が耳を傾けた。
坂田さんは1943年4月、自ら志願して19歳で満蒙開拓団員として旧満州へ。45年5月に召集され、敗戦後はシベリアに連行された。3年近く労働などを強いられた。
「兵隊の命は鳥の羽根よりも軽かった」と切り出した坂田さん。爆薬を抱えて敵の戦車の下に飛び込んで「自爆」する訓練を繰り返していたといい、「物資が乏しい日本では自らの死をもって戦うという手しかなかった」。一方で、「上官の命令は朕(ちん)(天皇)の命令」と教え込まれ、死ぬことへの恐れはなかったという。
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