ソウル=東岡徹
2016年3月1日11時39分
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は1日、日本統治下の朝鮮半島で1919年に始まった「3・1独立運動」の記念式典で演説した。慰安婦問題の日韓合意について言及し、「日本政府も歴史の過ちを忘れず、合意の趣旨と精神を完全に実践に移し、未来世代に教訓として記憶されるように努力しなければならない」と述べた。
慰安婦問題をめぐっては日本政府が2月に国連女性差別撤廃委員会で、「強制連行を確認できるものはなかった」と説明。朴大統領はこうした言動を念頭に釘を刺したとみられる。一方で、演説では「歴史を直視する中で、お互いに手を握り、韓日関係の新たな章を開いていけることを願う」とも訴えた。
合意について韓国内では支援団体などの反発が根強いが、演説では「被害者が一人でも生きていらっしゃるときに解決しなければという切迫した心情で、集中的かつ多角的な努力を傾けた結果だった」と説明。今後は「被害者一人ひとりの名誉を回復し、心の傷を癒やし、実質的な支援を拡大することに最善を尽くす」と理解を求めた。「実質的な支援」の具体的な内容には触れなかった。
残り:197文字/全文:661文字
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部
PR比べてお得!