豪中銀、政策金利を2%に据え置き-市場混乱で見通しは不透明 (1)
2016/03/01 14:32 JST
(ブルームバーグ):オーストラリア準備銀行(中央銀行)は1日、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を過去最低の2%に据え置いた。世界の市場混乱で豪経済を鉱業依存から脱却させる取り組みが妨げられている。豪中銀は必要に応じて追加利下げの余地があるとあらためて表明した。
今回の決定はエコノミスト27人全員とトレーダーの予想通りだった。声明の内容は前月とほぼ変わらなかった。スティーブンス総裁は国内労働市場と金融市場の混乱に伴う国内外への影響を注視していると繰り返した。
同総裁は「豪経済の成長が続き、インフレ率が目標に近づくとの妥当な見通しがあるとわれわれは判断した」と説明。「需要を支援するのが適切であれば、継続的な低インフレにより追加緩和策の余地が生まれると考えられる」との認識を示した。
アバディーン・アセット・マネジメントのシニア投資マネジャー、デービッド・チョイ氏(シドニー在勤)は、「豪中銀は様子見姿勢を取っており、同国経済の健全性に関してより多くの情報を待っている」と指摘。「景況は引き続き底堅く、企業向けの与信拡大が続く一方、賃金の伸びは相変わらず相当弱い」とコメントした。
豪ドル相場は現地時間午後3時4分(日本時間同1時4分)現在、1豪ドル=0.7138米ドルに小幅上昇。政策金利発表前は同0.7117米ドルだった。豪ドルは1月半ばに7年ぶりの安値近辺を付けた後、上昇傾向にある。
原題:RBA Holds Nerve on Rates as Market Turmoil Clouds Outlook (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シドニー Michael Heath mheath1@bloomberg.net
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更新日時: 2016/03/01 14:32 JST