バグダッドの市場近くでIS爆弾攻撃 30人以上死亡と
- 2016年02月29日
イラクの首都バグダッド東部で28日、爆弾攻撃が相次ぎ、少なくとも31人が死亡し、50人以上が負傷した。イスラム教シーア派住民の多いサドル・シティーの市場の近くで、2人が自爆した。過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)が犯行声明を出し、今後もシーア派地区の攻撃を続けると表明している。
爆破現場の映像には、血まみれの地面に靴やスリッパ、携帯電話が散らばる様子が映っている。
主にスンニ派で構成されるISは、イラク北部や西部でかなりの面積を支配下に置く。最近では、「背教徒」と見なすシーア派の標的を繰り返し攻撃し、数十人が死亡している。
ISは被害の規模をより拡大するため、ひとつの現場に2人の自爆犯を送り込む手口を常套手段としている。最初の爆発で周りの人たちが逃げ惑い、救急隊が現場に到着したころを見計らって、2人目が自爆するやり方だ。
アブグレイブを急襲
28日にはバグダッド西のアブグレイブに対してISが銃撃や自爆攻撃を仕掛けて急襲したが、治安部隊がこれを撃退した。
ロイター通信によると、戦闘で少なくとも治安部隊の兵士12人と過激派戦闘員20人が死亡した。
ISは、米軍主導連合軍が支援するイラク軍とクルド人民兵組織ペシュメルガとの戦いで、イラクで掌握した地区の一部を失っている。
イラク政府筋によると、イラク軍はISが北部最大の要衝としているモスル奪還に向けて準備を重ねている。
(英語記事 Iraq violence: IS bombings at Baghdad market 'kill 31')