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 北海道新幹線の開業初日の26日、新函館北斗駅から発車する「一番列車」の乗務員には、主任運転士の澤川一之さん(36)と車掌の里見拓真さん(33)が選ばれた。出発を待つH5系車両の前で1日、「平常心で運転を」「北海道らしいもてなしを」と抱負を語った。

 滝川市出身の澤川さんは2000年の入社。「いまの時代じゃないとできない」と、新幹線運転士をめざした。JR東日本に出向し東北新幹線に乗務するなど訓練を重ねた。260キロで走行する新幹線には「より定時性が求められる」。

 一番列車の運転には緊張感もあるが、「父が『頑張ってこい』と背中を押してくれた」と話す。26日午前6時35分発の「はやぶさ10号」の運転に向け、「体調管理が一番です」と気持ちを引き締めた。

 函館市出身の里見さんは05年の入社時、「10年後の私」として「新幹線の車掌になりたい」と書いた。「私の夢を知っている妻からは『夢がかなっておめでとう』と祝福された」。

 乗客をはじめ、訓練を受けた教官や同僚、そして家族らに「感謝をみなさんに伝えたい」といい、車内アナウンスでは「天候や風景など北海道らしいもてなしのアナウンスを考えます」と笑顔を見せた。

 二人は総合車両所にある函館新幹線運輸所の所属。一番列車に二人を選んだ運輸所の伊藤章伸所長(45)は「二人とも職場の中心となってくれている」と話す。新幹線開業に「長年の夢だった道民の期待を感じる。多くのご支援に恩返しできるよう、高い安全性を保つために一生懸命努力したい」と語った。(泉賢司)