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【震災5年 3・11】
福島の土壌に雲母が多いことが幸いした…セシウム吸着効果で農林水産物汚染は着実に減少
魚の世代交代や、半減期に応じたセシウムの崩壊は今後も進む。石丸氏は「新たなセシウムの供給がないかぎり、海水魚の汚染が解消されるのは時間の問題だ。来年ごろには50ベクレル超の魚もいなくなるだろう」と話している。
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■森林は深刻な汚染続く
森林の汚染は現在も深刻な状態だ。天然のウドやフキ、ゼンマイなどは、2015年度も基準値の約2倍のセシウムが検出された地域があった。天然キノコも全59市町村の9割強で出荷制限が続く。
住宅地や農地周辺の樹木は、セシウムが付着した葉や枝を高圧水で洗浄したり、樹皮を剥がしたりする除染が行われている。だが、住宅地や農地から離れた森林は国の除染対象となっておらず、回復の見通しは立っていない。