約70年ぶり「国策落語」を口演

林家三平さん、平和願い

2016/3/1 18:37

画像 落語「出征祝」を口演する林家三平さん=1日午後、東京都台東区 落語家林家三平さん(45)が1日、祖父の故七代目林家正蔵さんが創作した落語「出征祝」を東京都台東区のホールで約70年ぶりに口演した。戦意高揚を目的に創られた「国策落語」とされる演目で、戦時下の空気を投影した噺に観客は聞き入った。

 終演後、三平さんは「戦争を肯定するためのツールだった演目。今の時代だからこそ、戦争賛美の噺に観客は抵抗を感じると思うし、国のあり方を考えるフィールドになるのでは」と語った。

 三平さんは昨年出演したテレビ番組でこの台本を知り、検閲の痕跡を感じる言葉を見て再現に踏み切った。三平さんは「今後も平和を願う方々の前で演じたい」と話した。