お宝データ 2016年2月16日放送
- 山田宗美作 狸置物
- 三谷峻平さん
- 近代工芸
- 大熊敏之
- ¥ 2,000,000
- 山中温泉で旅館「胡蝶」を営んでいる。風光明媚な鶴仙渓を眼下に望み、客室は落ち着いた書院造り。立地、雰囲気、共に最高だが、なんとこの旅館、元々は繊維業で財を成した祖父の別荘だった。祖父は趣味人で、欄間一つにしてもこだわりぬいて職人に造らせた。お宝はそんな祖父の遺品。祖父は別荘の隣に大きな蔵を建ててしまうほど無類の骨董好きで、いろんなものを集めていたが、とりわけこのお宝を気に入っていた。生前、常々、会社が傾いてもこれを売ればどうにかなる!と言っていた。
- 鑑定額
- ¥ 8,000,000
※当番組の鑑定結果は独自の見解に基づいたものです。
※サイトのデータは、2010年1月放送回からのものです
山田宗美の最高傑作。とにかく作りが一番丁寧で、顔の表情や目、そして口元の表情が極めてよくできている。前脚を伸ばした格好も実に巧み。何よりも依頼品は状態が良い。相当良い材質を使い、丁寧に作っている。本来、鍛鉄というのは割れやすく無理があるのだが、おそらく山田の意識の中にあったのは、誰も作っていないものを自分で作ってみたいという思いだったのではないか。極限までやってみようとしたのだろうが、もはやこれは山田宗美以外は誰も作れない。現在は復元不可能。いささか驚いたのは依頼品には渋沢栄一が山中潾之助に宛てた手紙がちゃんと入っていること。依頼品は一番最初に渋沢栄一がパリで買い上げて、それを実業家・山中潾之助に土産として渡したという来歴がこの手紙によりわかる。
この日の放送で紹介したお宝 2016年2月16日放送
“徳川家の方から頂いた”と父がとても大事にしていた絵。作者不明だったが最近額を外してみたところ「y.tokugawa」のサインが!もしや15代将軍徳川慶喜の作か!?
【ゲスト】藪恵壹