[PR]

 1日午後8時20分ごろ、福島市町庭坂の高湯温泉の公営共同浴場「あったか湯」の職員から、「1階の天井から火が見える」と119番通報があった。市消防本部によると、8人いた客は避難して無事だった。約1時間後に鎮火したという。

 近くの旅館の関係者によると出火当時、周辺にはきな臭いにおいが漂い、近所の住民らが消火作業にあたったという。

 吾妻山にある高湯温泉は400年間続く温泉地。JR福島駅から車で約40分で、白濁の硫黄泉が人気だ。2010年に「源泉かけ流し宣言」をし、「あったか湯」を含めたすべての施設がかけ流しとなっている。かつては湯治場としても栄え、歌人斎藤茂吉ら多くの作家に愛された。

 高湯温泉のほぼ中央に位置する「あったか湯」は午前9時から午後9時まで営業し、利用料は大人250円。露天風呂や休憩室などがあり、観光客や地元の住民が利用している。

 高湯温泉は東日本大震災以降、風評被害もあって客が激減。さらに14年には、吾妻山の噴火警戒レベルが初めて2(火口周辺規制)へと引き上げられた。だが、昨年末に発表された「じゃらん人気温泉地ランキング2016」で、訪れた人の約93%が満足と答え、総合満足度5位、秘湯部門で1位となった。