吉川啓一郎、石山英明
2016年3月1日13時51分
来春卒業する大学生の採用活動が1日解禁され、各地で会社説明会が始まった。面接などの選考は昨年より2カ月早い6月にスタートするため、今年は説明会から選考までが3カ月間の「短期決戦」となる。
就活サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアは1日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で合同企業説明会を開いた。午前11時の開始前から、受け付け前には学生の長蛇の列。2日間で、企業640社と学生約4万人の参加を見込む。
会場を訪れた東京都内の私立大3年生の女性は「得意の英語を生かして国際的な仕事ができる、商社か物流系の企業を志望しています」と話した。
今年の就活日程は、説明会の解禁は昨年と同じ3月だが、選考は昨年より2カ月早い6月開始になった。昨年は安倍政権の要請で選考解禁が8月に繰り下げられた。ところが、就活の長期化や内定辞退多発などを招いたため、1年で日程を変更することになった。
その結果、今年は「短期決戦」。就活中の埼玉県の大学3年生の男性は「昨年、『夏まで就活を続けるのはつらかった』と先輩から聞いた。早く決められる方が精神的にはいい」。神奈川県の大学3年生の女性は「選考までの準備期間が短い。余裕がなくなった」と話す。
一方の企業側。
「特に理系の学生は大手との間で奪い合い。いかに早期承諾を取り付けるか」。自動車メーカーの下請けをしている名古屋市の中小企業の人事担当者は焦りをにじませる。経団連会員の大手メーカーの人事担当者も「学生が訪れる企業の数が減る。少ない機会で、いかに多くアピールできるかがカギ」。
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朝日新聞社会部
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