「話の流れを変えないように、相づちしたことがある」(37歳)など、会話全体を考えて…というコメントも多かった
ビジネスシーンやプライベートシーン問わず様々な情報があふれる現在。すべての知識を網羅することは難しいもの。かといって、みんなが盛り上がっているのに、知らないことすべてについて「何のこと?」と聞くこともためらわれる。ときには知らないトピックを「知ったかぶり」してやり過ごしてしまうこともあるのでは? そこで、20~30代の男性会社員200人に「知ったかぶりしたこと」について調査してみた。
●知ったかぶりしてしまったことTOP10
(全11項目から上位3つを選択してもらい、1位=3pt、2位=2pt、3位=1ptとして集計。協力/アイリサーチ)
1位 テレビ番組(観ていないが観たように) 109pt
2位 ニュース(聞いたことがない話題だが知っているように) 100pt
3位 タレント・著名人(知らないが知っているように) 89pt
4位 仕事上の専門用語(知らない言葉だが知っているように) 83pt
5位 本・文学・漫画(読んでいないが読んだように) 73pt
6位 音楽(聴いたことがない曲だが知っているように) 66pt
7位 カタカナ語(知らない言葉だが知っているように) 65pt
8位 映画(観ていないが観たように) 60pt
9位 熟語・ことわざ(意味がわからないが知っているように) 48pt
10位 スポーツのルール(詳しくないのに知っているように) 40pt
※番外
11位 スポット(知らない場所なのに知っているように) 34pt
「知ったかぶりしたことはない」が200人中68人いたため、それ以外の132人に回答してもらった。結果は、「テレビ番組」が1位。若者がテレビを観なくなった…といわれる現代でも、「観ていない」とはなかなか言えない人気番組もあるということか。また、僅差の2位には「ニュース」が入り、ネットニュースなどで容易に情報が手に入る時代だからこそ、「知らないの?」と言われてしまうことを避けるようだ。それぞれの項目を選んだ人に、知ったかぶりした際の状況や、その後のエピソードなどを聞いた。
【1位 テレビ番組(観ていないが観たように)】
「周りに合わせて、知っている知識だけで話した」(24歳)
「会話に合わせるため知ったかぶりした」(27歳)
「まったく違う内容を話してて雰囲気が悪くなった」(28歳)
「ある番組を皆が見ていたと話していたので一人だけ知らないとも言い出せずに 適当に相槌を打っていた」(35歳)
「会社で『マツコの知らない世界』が話題になっていて、その話についていったけど、じつは一秒も見てない」(34歳)
【2位 ニュース(聞いたことがない話題だが知っているように)】
「一般的に有名な事件を知らなかったのに知っているふりをした」(26歳)
「TPPに関しての話で、うなずいてはいたがなんの事だかわかってなかった」(26歳)
「知らなかったニュースについて、コメントして恥かいた」(34歳)
「あたかも知ってるかのように話したことがある」(36歳)
【3位 タレント・著名人(知らないが知っているように)】
「必死に話についていこうとしたら、知らないことがばれた」(30歳)
「職場の会話に合わせるために知ったかぶりをしてしまった」(34歳)
「あまりお笑いタレントがわからないのに知ったかぶりをした」(38歳)
「知らないことがはずかしかったため」(39歳)
【4位 仕事上の専門用語(知らない言葉だが知っているように)】
「自分の勉強不足で会話に置いてかれたくなかったから」(25歳)
「知らない言葉だったが、似たような意味の言葉を並べて説明してしまった」(33歳)
「社歴が長いのでさすがに皆が知っていてしらないのは恥ずかしいと思ってしまう」(36歳)
「会議中に誰かが使用して、それを同じ会議中で使用したら使用法が誤っていた」(37歳)
【5位 本・文学・漫画(読んでいないが読んだように)】
「アニメが好きなので『読んだでしょう?』みたいに言われるとついうなずいてしまう」(25歳)
「ワンピース好きと言ったが、何も言えなくて恥をかいた」(31歳)
「文学部だったのに本を読んでいないと思われるのは恥ずかしかったから」(34歳)
「みんなが話題にしていた有名な作品を読んだことがなかったから話を合わせてしまった」(34歳)
「人気の漫画を読んでないのに読んでる風に適当に語った」(37歳)
【6位 音楽(聴いたことがない曲だが知っているように)】
「一部しか知らないのに歌の背景を知っているかのように装った」(23歳)
「フェスであまり詳しくないバンドを生で観たとき」(26歳)
「知ったかぶりで曲を話したが実は違う曲だった」(31歳)
「流行りの曲は良くわからないが場を冷やさないために知ったかぶりする」(39歳)
【7位 カタカナ語(知らない言葉だが知っているように)】
「ダイバーシティという言葉を初めて聞いたときに、あまりにも相手が当たり前のように使ったので、何も聞かずに知ってるつもりで会話していた」(29歳)
「最後まで意味が分からず、ごまかし通した」(38歳)
「世間に乗り遅れそうになるから」(39歳)
【8位 映画(観ていないが観たように)】
「映画好きの知人が多いから」(23歳)
「流行りの映画をみていないのに適当に合わせていたら見抜かれた」(37歳)
【9位 熟語・ことわざ(意味がわからないが知っているように)】
「バカだと思われないようにするため」(29歳)
「本当の意味はわからないがなんとなく雰囲気で納得したこと」(39歳)
【10位 スポーツのルール(詳しくないのに知っているように)】
「サッカーに興味をもった子供のころに友人のほうがくわしかったから」(28歳)
「ラグビーが急に人気出てルールうろ覚えなのに息子に知ったかぶりした」(38歳)
個々の事情は違うものの、全体的には「後で恥をかいた」と後悔するコメントが多かった。とはいえ、どの声も“気持ちはわかる”と言いたくなるものばかり。身に覚えのある人もいるのでは? 「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉もありますし、積極的に尋ねる余裕も持ちたいものですね。
(小笠原敦)