挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ウルトラマンALIVE 作者:柑橘
2/2

出会い(1)

「逃すな!反逆者を捕らえろ!」
鉄製の床にサイレン音と足音が鳴り響く。トランクケースを抱えた女性は隙をついて物陰に隠れ、そっと息を殺す。ぞろぞろと兵士が自分とは反対の方向へ向かって行くのを確認すると、女性は
「『これ』は何とか守れたわ・・・後は・・・」
車の方へ向かい、搭乗した。


「親父が死んで、もう11年も経つのか・・・」
早田は、墓標のそばに父親が好きだったスナック菓子を置いて供えた。
「俺、親父が死んだなんて、未だに信じること、できないや・・・」早田には、科学者の父がいた。小さい頃に亡くなったためはっきりと会話の内容は覚えていないが『人形』の話をしてくれる父が好きだった。早田は涙を拭い
「じゃあな、親父」
そう呟いて早田は墓標を去った。

その時だったー

「おい!君!」遠くから男の低い声が聞こえ、ふと振り向くと黒いスーツを着た男が、三人ほど立っていた。
「君が、早田進(はやたすすむ)君だね。早田一郎から話は聞いている。一緒に同行してもらおう。」そう言うと男達は、早田の腕を掴んだ。父親の名前を出され、一瞬戸惑ったが状況はすぐに分かった。
「誰だあんた達!離せよ!」
「待ちなさい!」
近くから女性の声が聞こえた。女性は三人の男を蹴りあげ、瞬く間に倒し、早田に近づく
「君が進君ね?詳しい事は後で話すから、ついてきて!」
「ち、ちょっと!」
手を掴まれ、一緒に走るものの早田は状況が飲み込めず、何が何だかさっぱり分からなかった。

「ここまでくれば安心ね・・・」
「誰なんですか?いきなり急に・・・」
路地裏に逃げ、状況が把握できていないであろう早田に、女性は説明する。
「私は菴倫(いおりりん)。一郎博士の助手よ」
「父さんの?」
菴は集合写真を見せ、本当に助手であるかどうか確認してもらう。
「本当だ・・・。でも、どうして自分に会いに来たんですか・・・?それと、あの三人の男は何者なんですか?」
早田は質問するが、菴は首を振る
「それについてはまだ話せないの。本当にごめんなさい・・・」
そう言うと菴はトランクケースを早田に差し出す。
「今日会いに来たのは、これを渡すためなの」
「これは?」
菴はうなずく
「この中には、あなたと博士にとって大切な物が入っているわ。どんな物かは教えられないけど、困った時はあなたの『力』になってくれるはずよ。」
「それと、これを持っていること、今日私と喋ったことは誰にも話さないこと。いいわね?」
「あ、ありがとう 菴さん」
早田は礼をし、走って去っていく菴を見届けたが、まだ半信半疑であった。
「これ、どうしようかな・・・」
中に何が入っているかは分からないので下手に触って大事を起こさないよう、自分の部屋で保管する事に、早田は決めた。
【今日のウルトラ豆知識】
政府が所持していたスパークドールズは全部で4つ。『力』『俊敏』『冷徹と憎愛』『闇』に関係しているらしいぞ

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く場合の注意事項をご確認ください。

名前:

▼良い点
▼悪い点
▼一言
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ