【巨人】由伸監督、大谷を撃て!開幕スタメン争い内容より「結果」
開幕オーダーを選定する由伸巨人の「8番勝負」が幕を開ける。巨人の高橋由伸監督(40)は29日、1日からの敵地でのオープン戦8試合を前に、結果重視で開幕メンバーの骨格を固める考えを明かした。開幕スタメンを狙う岡本、重信ら若手にとって、試金石となるのが大谷が先発する2日の日本ハム戦(札幌D)。村田、亀井ら実績組も上り調子だけに、指揮官は「結果次第になる」と厳しい目で判断する姿勢を示した。
札幌入り直前、羽田空港で取材に応じた由伸監督の言葉に力がこもった。チームは12日のロッテ戦(QVC)あたりから開幕戦を見据えたオーダーを組む見通し。首脳陣には、1日から10日までの長期ロード8試合で開幕スタメンの骨格を固めたい考えがある。
「結果次第になる。良くも悪くも、結果が出る。内容ももちろんあるけど、結果として数字に出るわけだから」
2月はじっくり選手を観察。個々の取り組み、プロセス、打席内容を含めて評価してきたが、今後は結果重視の姿勢を打ち出した。27、28日のヤクルト戦(東京D)では長野、亀井、村田らベテランが存在感を発揮。キャンプから光を放ってきた重信、岡本は無安打だったが、まだ競争の真っただ中にあるとした。
「長野や修(村田)にもヒットが出始めている。ただ、重信、岡本も(1軍の)壁に当たったとは思っていないよ」
開幕スタメン争いは1日からの「8番勝負」がヤマ場。重信、岡本にとって、最大のアピールの場となるのが、大谷が先発する2日の日本ハム戦だ。昨季のオープン戦で大谷から二塁打2本を放った由伸監督は「(2人には)全部がいい経験になるでしょう」と期待。内田打撃コーチは「日本を代表する投手だし、打てば(選手の)自信になる」と奮起を促した。
昨季の巨人は100通りを超える打順を組んだが、新監督は可能な限り不動のオーダーでペナントを戦いたい考えを持つ。相手投手の左右によってメンバーを変更することも、理想とは異なる。ベストオーダーを選定する“眼”は、おのずと厳しくなる。
「打順は固定できた方がいい。(故障や不振で)1年全部同じとはいかないけど、役割が分かっていた方が(選手が)やりやすいと思う。(左対左や右対右も)あまり気にしたくない。レギュラーなら自分で解決しろよ、と。そうじゃないとレギュラーじゃない」
長年チームの柱を担った由伸監督が、巨人のスタメンに課すハードルは高い。だからこそ、日本最速右腕・大谷からの一打は強烈なアピール材料になると言える。新星か、実績者か。若さか、経験か。開幕に向けての激しい定位置争い。厳しく見極め、断を下す。(宮脇 央介)