http://anond.hatelabo.jp/20160229181829
東京都内でハッカソンに何度か出ている人ならば、この石崎氏を知る人は少なくないでしょう。
ブコメでも「有名な人」と書かれている通り、それなりに名の通った人です。良くも悪くも。
氏は2013年頃から色々なハッカソンに出場し、様々な賞を受賞しています。
彼が行う事は、制作物の企画立案。そしてプレゼンテーションです。
企画力は、まぁあると思いますが、決して突出したものではありません。むしろ特殊なものです。
どういう事かというと、ハッカソンにおいてウケる企画というものを、彼は知っています。
ハッカソンでは土日2日間の開発でプロダクトを製作。それに対していくつかの協賛企業から賞が送られます。
たとえば、楽天やドワンゴが協賛企業なら、楽天市場とかニコニコ動画のAPIを使ったサービスが求められます。彼は多数のハッカソンに出ている為、他チームが何のAPIを使う傾向にあるとか、何のサービスを協賛企業が求めているかを、理解しています。
これが数多のハッカソンに出る者の強みです。そういう意味で、石崎氏は、ハッカソン受けする企画を打ち出すのに秀でています。
さらに話術に長けており、その企画をチームメンバーに納得させ、作らせる能力があります。とにかく他人を褒めるのです。褒めて、褒めて、褒めまくります。あまりに褒めるので、私、はじめて自転車に乗れた時の母の顔を思い出しましたよ……。
通常、ハッカソンにはプログラマーとデザイナーが参加します。そして、その2職種がいなければ、チームは成立しません。(最低でもプログラマーは必須です)。一般的に彼らは自分の作りたいものを提案します。石崎氏は、それに被せるように「君のアイデアは素晴らしい!! 天才的だ!! だから、私のアイデアと、こう組み合わせれば、優勝まちがいなしだ!!」と言うのです。
いやぁもう、その話術は実に見事なものです。彼の最も優れた才能は、おべっかです。
しかし、開発して、夜に差し掛かる頃に、はたと気がつきます。「あれっ、私、良いように使われてるのではないか……」と。しかし、始まってしまった開発。考える暇はありません。ハッカソンにおいて停滞は敗北です。手を休める事はできません。気がついた時には石崎氏の企画をせっせと作らされているのです。
石崎氏は、ハッカソン期間中、お菓子を食べるか、チームメンバーの弁当を運ぶか、Facebookを巡回する事しか、しません。あとは敵情視察と言いつつ、フラフラと他のチームを見て回ります。柔和な笑顔と、話術に秀でるので、コミュニケーション能力は抜群です。
ところがよく観察すると、氏を毛嫌いしている人もいます。何度もハッカソンに出ている人や、人を見抜く能力に優れた人は、けんもほろろな応対をします。
ハッカソンには色々なタイプの人が参加しますが、技術力至上主義の人や、経営者・自営業者の肩書きを持つ方は、特に石崎氏を嫌うように見えます。前者はハッカソン参加者を技術力の有無で測るので「こいつは無能だ」と考え、後者は培った経営勘から「こいつはペテンだ」と見抜くのでしょう。
結果、石崎氏は大学生にすり寄ります。ハッカソンに参加する大学生は、技術力はあるが未熟である事が多いです。
石崎氏のプレゼンテーション力は、凡庸です。しかしスタイルは決まっています。
チームメンバーを褒め、プロダクトを見せ、終了です。一言で言うなら、浅いプレゼンです。しかし審査員や部外者には「仲の良いチームだな」という印象が残ります。また、技術について話す事が出来ない為、おのずと平易な発表になります。
しかし、これが実に強い。これこそが石崎氏の必勝法であり、ハッカソンというシステムそのものの盲点だと思います。
偶然にもid:hyoshiok氏が「プレゼンテーションは、さっさとプロダクトを話せ」と言っていますが、石崎氏はその点において合格と言えます。
ハッカソンの発表に自己紹介はいらない。デモをしろ。 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20160228/p1
http://megalodon.jp/2016-0301-0008-52/d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20160228/p1
hyoshiok氏は審査歴が長いので、認識していないのでしょうね。ハッカソンにおいて参加者の感覚と、審査員の感覚は、大きく異なる。これは、多くのハッカソン参加者が通る道であり、落とし穴です。
すべての参加者は、休日2日の開発(実質作業時間は24時間程度)で、必死になってプログラミングをします。しかも徹夜で。全員が全員、真夜中に書いたラブレター状態で、プレゼンテーションに臨む。すると、感覚がブレるのです。「あの機能を実装したかったけれど、出来なかった。どう誤魔化そう」「すごく良いアイコン出来たけど、これプレゼンじゃ映らないよな」「この機能を付けちゃったけれど、話がふくれあがって2分じゃ話せない」「あのチームとアイデアかぶったけれど、どう言い訳しよう」「このプロダクトは良く出来すぎた、俺は神か」とまあ、意識がふくれあがって、話がまとまらない。
ここをシンプルかつ明瞭に、制限時間(2分や、3分)で伝えきるのが、プレゼンターの仕事です。しかし、大抵の参加者は、眠気と自意識と制限時間の格闘で、着地点を見いだせない。結果、プレゼンはコケる。スベる。
技術に秀でた優秀なチームが負ける要因は、そこにあります。「プレゼンが下手」と同時に「開発者視点でふくれあがった意識を、観客に合わせられない」のです。
しかし、石崎氏だけは違う。なんせ、作ってないから。だって、徹夜してないから。一人冷静で、客観的な視点から、プレゼンできるプレイヤーなのです。
そして、hyoshiok氏のような想像力が浅い審査員は、こういう発表に、コロリと騙される。(ちなみにこれは今回に限った話ではなく、過去のhyoshiok氏の審査においても、同じ傾向がある。彼は動く風変わりなモノに騙される。さらに言うなら、hyoshiok氏はイベント・オーガナイザーとして自覚に欠けている。仮にも審査員長の立場なら、運営に対して広い視野を持つべきだが、それが出来ていない。特にスタッフのアナウンスや、会の方向性について、齟齬のないように情報共有すべきだ。周りのイベントスタッフも、hyoshiok氏をサポートすべき。彼はちゃぶ台返しの発言を、今まで何度かしていると思うのだが。中の人なら、分かるだろ?がんばれ楽天)
横道に逸れるが、hyoshiok氏を含め、ハッカソン審査員を糾弾します。
ハッカソン審査員は「この発表は、騙していないか」「この発表は、伝え切れていないが、ちゃんと実装したのだな」等を見抜く能力が必要です。すなわち、参加者の立場と審査員の立場を切り替える才能が必要だと思います。
ここを見抜く為に、ヤフー社は2014年頃からプレゼン後に作品展示会を設けています。
それ以外のハッカソンでも、適確に技術と人間を見抜く審査チームを結成して審査に望んでいます。
そうしないと、詐欺チームが勝利を収めるのです。
大半の審査員や協賛企業は、見抜けないし、見抜く時間がない。だから、スーパープログラマのプレゼンテーションは敗北し、石崎氏のようなプレゼンテーションに騙される。それに一応、蟻のように働いたプログラマーとデザイナーの力により、石崎プロダクトは完成してるから。一目見れば、遜色がないですからね。
(ちなみにトレタの増井氏や、Yahoo!の村上氏は、一瞬で適確に見抜いてくるタイプの審査員なので凄いと思います。参加者の視点と審査員の視点を使い分けられる優れた人は、少ないが、存在する。)
そして、無能審査員が全てのプロダクトを適切に評価できない事。その2点が影響しているのです。
ここまで記した通り、石崎氏は無能ではあるが、ただの無能とは言えません。
ハッカソンにおいて、企画立案とプレゼンテーションで、独特の仕事をしています。
持ち前の話術と、ハッカソン向けにチューニングされたスキルを用いて、賞をもぎ取る。
これも一つの参加の方法と思うかたわら、私は石崎氏とチームを組みたいとは思わない。
話術に乗せられて、気持ちよく制作しているなら、まだ良かもしれない。しかし、その幻想は2日で醒めるものです。
事件の人ように、何ヶ月も一緒に仕事したいタイプではありません。
彼のようなタイプは極めて特殊なので、他の例を私は知りません。しかし、筍のように量産されるような人種ではないと思います。
短期決戦であるハッカソンだからこそ、石崎氏の「おべっかの才能」が活きるのです。そして石崎氏の真似をしようとしても、石崎氏次元までヒモレベルを極められず、すぐいなくなります。
だから石崎氏の事件を見て「ハッカソンが危ない場所になった」と考えるのは、早計だと思います。
とはいえ、石崎氏を見抜けず騙されるプログラマー/デザイナーや、審査員のせいで、彼のようなタイプがのさばるのは、健全とも思えない。
彼は特殊な才能を持つ狡い奴だが、それを排除できない、ハッカソン・イベントのシステム欠陥と考えます。
これがハッカソンマスター・石崎仁一氏の、特異な能力と、騙された者のお話です。
次にあなたが騙されないように、ゆめゆめ注意されたし。
関連・参考リンク
石崎氏はハッカソンで賞を総なめしている。私見だが、セコいと思う。
しかし、石崎氏とは真逆の……つまり、高いプライドを持ち、毎回異なるテーマを、卓越したアイデアで、本気にプロダクトを実装する、ハッカソンプレイヤーも、存在する。あまり話題になる事はないが、いくつかのベンチャー企業は、ハッカソンから生まれたものだ。また、ハッカソンが人材獲得や仕事獲得として機能している一面もある。教育効果として見ても、2日でプロダクト開発を学べる場は、ハッカソンの他にはない。
優秀な人材が集い、切磋琢磨し、技術・アイデア・プロダクトを競う。それが、本来のハッカソンではないかと思う。ペテンは問題だし排除されて欲しいが、ペテンが1人居るからといって、ハッカソンそのものの価値が無になった訳ではない。
今ハッカソンに参加している人も、これから参加する人も、それぞれの立場からハッカソンで競い、愉しむと良いと思う。私もハッカソンに参加して、良い経験ができた。もし興味があるなら、これを読んだあなたも、参加してみる事を薦める。もちろんペテンではなく、プログラミング/デザインの能力を用いてだ。私情だが、石崎氏がプログラミングを覚え、優秀なクリエイターになる事も願っている。
https://www.facebook.com/jinichii/posts/952405481522310?pnref=story http://www.bokukoko.info/entry/2016/02/27/%E5%8B%89%E5%BC%B7%E4%BC%9A%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%96%B6%E8%80%85%E3%81%AE%E7%9A%86%E6%A7%98%...
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プレゼンスキルって大事だよね
それ自体はそこまで問題ない、というのは俺も同感だよ。やはり問題は、なんで「めぼしいハッカソンに片端から出場して回る」なんてことをしてたか、という所に尽きるんじゃないか...
やはり問題は、なんで「めぼしいハッカソンに片端から出場して回る」なんてことをしてたか、という所に尽きるんじゃないかな。 んなモン他人が勝手に想像して善だの悪だの言うも...
悪いとまでは言わないが、そもそもハッカソンはプログラマーやデザイナーの為のイベント。 要するに石崎氏は場違いだ。 石崎氏に会った人は大概がそう感じ取るから、批判的になる。...
悪いとまでは言わないが、そもそもハッカソンはプログラマーやデザイナーの為のイベント。 ○○のためのイベントと言うなら、最初の増田にもあるように 「プログラマが最低限必要...
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俺もこの人の仲間(笑)になったことがあるので真実を書いておくと、裏は本当ひどい。 例えば去年何度も使いまわしていた「乳幼児突然死症候群」ネタ、同じネタで複数のハッカソン...
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http://anond.hatelabo.jp/20160229202451 消したのか見えなくなっているだけなのか知りませんが、 こういうことをすると更に怪しく感じますね。 http://archive.is/bGxEJ 去年、ハッカソンで優勝して...
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