この記事を書いたのが3か月くらい前。この時はPV報告やら収益公開やらは、バリバリとやってていくべきだと考えていたのだけどねぇ。変わったわ。
セルフブランディングだと疑わなかったあの日
ブログなんて自己満足な部分が大きいと考えているから、その中で自分がどれだけPVや収益を稼いだかを公開することだって何ら不自然じゃないし、個人の裁量だと思っている。これは今も同じ。さらに、かつては管理人のセルフブランディングにも直結するのではないかとすら考えていた。
例えば開始して一か月、二か月にも関わらずこれだけのPVを稼ぎましたよ!と報告した場合は「おおすげえ、こいつは注目に値するぜ!」と今後注目してくれる人もいるだろうし、〈ひとかどのブロガーになるかもしれない!〉と可能性を見出す読者もいるだろう。こういった場合はPVが相対的に多い場合に有効だ。
逆に少ないPVでも、毎日更新を欠かさなかったなど結果と努力が見合ってない場合に「こんなにレスポンスがないのに更新を続けるなんて、やるじゃん」など半ば励ましのような、エールのような評価を得られるかもしれない。
どのみち、PV報告や収益公開というのは管理人の顔が見える、読者との距離が縮まる有益なものと考えていたのだ。
PV報告や収益公開は競争を生む
今の考えはどうだろう。例えば僕が「先月のPVは○○万でした」などと公開するとしよう。このような記事は、それを見た方へ何か有益な情報を提供できるかといえば、それはまずないだろう。もし有益な情報としてていを成すのであれば、具体的にどのような手法を用いてそのPVを弾き出したのかを示す必要があるだろう。しかし往々にしてこういったものは自己満足に終始しがちで、そういったTIPSを他人に解りやすく公開している人などいない。つまりは多くの場合「ふーん」な案件なのである。
「ふーん」で済めばまだいい。厄介なのは「競争心を煽ること」だろうね。そのPV数を見て「悔しい、負けるものか!」と奮起する方もおられよう。そのような反応は全て悪いこととは思わぬが、結果的に自分が競争、縦の関係を生み出していることに他ならぬのではないかなぁ。別に誰かに勝ちたくてブログを運営しているわけではないのだから、そのような事態を招くのは僕にとっては不本意なのである。
権威付けとしての意味
たとえば何らかの仕事を請け負う場合であるとか、サロンの主催者になる場合を考える。その時に主務者の能力で人は委託したり集まったりする場合もあろうかと思う。月間50万PVのサイト運営者であるとか、月間30万円を稼ぐアフィリエイターだとか。こういった権威を名札につけることで、仕事獲得や集客する上でのアドバンテージとすることができる。このように明らかな目的を持って自分の結果を開示することについては世渡りのTIPSだと考えるし、それは否定しない。だが、このような明らかな目的がない限りはPV報告などはやはり競争心をいたずらに煽るリスクを伴う行為になるのではないかと考える。
良くないことだと断じているのではない
これは僕個人としての考えが変わった結果であり、それを文章化したに過ぎない。こういったエントリーを見て「俺は公開してるけど、disってんの?」と反応してしまう方があまりにも多いため、このような注意書きをこれからはできる限りしていく。
PV報告や収益公開は明確な目的を持たない限りはいたずらに競争心を煽り、読者に良い影響を与えないものになるだろうと判断し、今後は定期の報告をやめるつもりだ。これはアドラー心理学を学んだ影響もあるだろう、人間関係は横の関係で構築していくべきであり、数値で優劣を判断することはすなわち縦の関係を容認することになるだろうという思いが僕の中に芽生えたのである。
さて、以下余談。
あけすけにいっちゃえばPVや収益公開はブログを開始して間もない人が自サイトの半ばアイデンティティと呼べるのもが盤石ではないがゆえにその不安の裏返しとなって表れる部分も往々にしてあるのだろう。半年、1年と運営していたらそこに自サイトがあるのは当たり前であり、わざわざPVや収益公開などをしなくても不安はなくなっていくものである。こう考えると、初心者あるあるの一なのではないかな。