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 国内のホテルや旅館への2015年の年間宿泊数は前年より6・7%多い延べ5億545万泊で、過去最高を記録した。外国人の宿泊が前年の1・5倍に伸びたことが全体を押し上げた。宿泊の埋まり具合を示す「客室稼働率」は大阪府や東京都で8割を超え、大都市部のホテル不足が深刻な実態も明らかになった。

 観光庁が29日、速報値を発表した。宿泊数は泊まった延べ人数に、それぞれ泊まった日数をかけたもの。5億泊を超えるのは07年の調査開始以来初めて。外国人旅行者の急増を受け、外国人の宿泊が前年比48・1%増の6637万泊となり、11年に比べ3・6倍に増えた。

 都道府県別でみると、静岡、佐賀、茨城、三重、滋賀の5県で外国人の宿泊数が前年の2倍を超えた。静岡、佐賀、茨城空港には中国の航空会社が乗り入れており、昨年急増した中国人旅行者を取り込んだ。ホテル不足の大都市部に泊まれなかったツアー客らが周辺の県に流れた影響もある。一方で、福島県は前年比19・1%増の5万泊にとどまった。

 日本人の宿泊数も前年比2・4%増の4億3908万泊。消費増税の影響で落ち込んだ前年から回復したのに加え、円安で海外旅行より国内旅行をする人が増えたためだ。