虐待の相談件数は9万件を超え、6人に1人の子どもが貧困だと言われている。日本の子どもたちが置かれている現状とはどのようなものなのか? 子ども・若者の支援を行う、3keys代表の森山誉恵氏、NPO法人キズキ/株式会社キズキの代表・安田祐輔氏、「NEET株式会社」の発起人で研究者の若新雄純氏が徹底討論!
前篇「児童虐待9万件、拡大する『愛情格差』」はこちらからご覧ください。
学習を通じて「自己肯定感」を下げないことが大事
――安田さんと森山さんは「学習支援」をしていますが、活動を通じて子どもたちの自己肯定感を養ったり、社会で必要なコミュニケーション能力を身に付けたりすることを目的としているのでしょうか?
森山: 私たちは、子ども自身が掲げた目標を応援するためのツールとして学習支援を行っています。子どもたちに目標として何を掲げるかは問いません。必ずしも進学ではなくて、就職のために不登校の期間中に抜け落ちてしまった算数を克服したいという目標を持っている子どももいます。
一番の目的は「目標を応援すること」ですが、それ以外にも学習支援を通じて達成したいと思うのは、子どもたちが多様な人と出会うこと。施設の人は福祉関係者ばかりで、実際の社会に比べて虐待を受けた子どもに対して専門的な立場で接しているので、一般社会における当たり前とは乖離していることがよくあります。
施設において職業的になんでも理解してくれる大人たちか、わが子に虐待をしてしまうような大人たちにしか関わる機会がない子どもたちも少なくありません。世の中にはさまざまな人たちがいて、色んな職業やバックグラウンドもある、ということも伝えていきたいと思っています。
安田: 僕の活動においても学習はあくまで一つのツールです。学習支援は自己肯定感を高める、基礎学力をつける、という2点において大事だと考えています。
若新: 今の日本の教育は、仮に小学校から高校までの12年間一回も挙手をしなくても受験さえうまくいけば東大に入れます。先進国では他の人と議論せずにトップの学校に入れることはないですよ。
昔は必要な知識がある人が有能だったと思いますが、社会で求められる能力は変わってきています。たとえば今は先生の話を受け身で正確に聞く能力だけでなく、質問できる能力も大事になってきています。
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