2016年2月29日(日本時間)、第88回アカデミー賞授賞式で、レディー・ガガが行なったパフォーマンスに会場中から拍手喝采が贈られました。彼女が歌ったのは『Til It Happens to You』。これは、アメリカで社会問題化しているレイプ被害を題材に、実際の事件をもとにして制作されたドキュメンタリー映画『ザ・ハンティング・グラウンド』のサウンドトラックに提供された楽曲です。
途中、彼女が歌うステージに続々と登場した男女。「The Verge」によれば、皆、過去にレイプ被害にあったことがある人々でした。
レディー・ガガの歌と、
パフォーマンスの意味とは?
一人ひとりの腕には、それぞれこんな言葉が。
「NOT YOUR FAULT(あなたのせいじゃない)」。
「IT’S HAPPEND TO ME (僕の身に起きた)」。
「SURVIVOR(生き延びた)」。
「Not Alone(ひとりじゃない)」。
「ロサンゼルス・タイムズ」紙に掲載されている2015年の調査によれば、大学に通う学生のうち、じつに4人に1人以上の女性がレイプ被害に遭ったことがあると回答。男性も例外ではありません。
レディー・ガガ自身、過去にレイプ被害に遭ったことがあると公表している人物。感情が溢れ出したような彼女のパフォーマンスが終わると、会場にいた多くの人々が立ち上がり、拍手を贈りました。
ガガの感極まった表情はもちろん、歌詞にも強いメッセージが。一部紹介します。
あなたはこう言うの。「時間が解決してくれる。私もがんばるから、一緒に立ち直ろう。きっと大丈夫」。
何がわかるっていうの?ねぇ教えて。何を知ってるの?あなたに一体、何がわかるのよ。教えて。
どんな思いか、自分の身に起こるまでわからない。あなたにとっては現実じゃないんだから。私がどんな気持ちかなんて、わからない。
あなたの生きる世界が、焼かれ、壊れてしまうまで。最後まで追い込まれて、逃げ場がなくなるまで。私と同じ立場に立つまで。何も聞きたくなんてない。だってあなたにはわからないから。