北海道での話ですが、公立高校の入試がもう近くまで迫ってきています。
私が教えている受験生も、必死になって勉強をしています。
しかし、ここであるポイントに気付きました。
個別指導塾ならではのデメリットが典型的に出ているなと。
そのデメリットを上手くカバーするのが講師の役目ではありますが、長く個別指導塾に通っていて成績の伸びが悪い生徒には一つの共通点があるのではないかと。そう思ったのです。
解くスピードが遅い生徒は成績が伸びない。
1問1問を丁寧に解く生徒。
「絶対に落としたくない!」そう思うからか、1問1問に時間をかけすぎる生徒がいます。
正解できる問題を間違えない、確かにこの姿勢はとても正しいです。
他人が正解している問題を間違えてしまうと、そこで大きく差がついてしまうからです。
しかし、私はあまり出来る問題に時間をかけるのはナンセンスだと思います。丁寧すぎると、余分な時間をかけてしまう。出来る問題を落とさないようにするには、すべて解き終わって見直せばいい話です。
字を丁寧に書きすぎる生徒。
「ゴシック体かよ!」と思わせるような字のキレイな生徒がいます。特に女子が多いです。字がキレイなのはとてもいい事、しかし、メモまでも丁寧に書く必要はありません。
私は、生徒に教えるときと、メモのときと書き方を分けています。生徒に教えるときは大きく、余白を使い、丁寧に書いています。しかし、メモは殴り書きです。計算するときも、恐らく他の人がみたら???です。
分からない問題に時間をかける生徒。
急に生徒の手が止まり、5分間くらい考え込む生徒がいます。私は一番これやってはいけないと思うのです。
よく「先生、この問題が分かりません」という生徒と、「先生、この問題のココが分かりません」という生徒がいます。前者の生徒には教えません。何故なら、その問題を1から説明したところで、すべて理解できるのかといったらできないからです。
私も学生時代、何回教えてもらっても分からない問題がありました。もうその問題を解くのをやめて、その問題から逃げる生活をしていたんです。すると、塾講師になって、まったく同じ問題と出くわしました。何故かスラスラと解けるのです。
このように、出来ない!と判断したら、一旦その問題から逃げることが必要だと私は思います。
スピードを速くするアプローチ。
間違えても良いから、速く解く。
時間が60分で100点満点の問題があるとします。
A生徒は60分すべてを使って、90点をとりました。
B生徒は20分で解きおわって30点でした。
どちらが伸びるかと言ったらB生徒です。何故なら、20分で解きおわれるなら、あと2回問題を解けるわけです。3回目には90点をとれているかもしれません。しかも、20分で90点をとれるわけですから。
出来るだけ多く問題を解く。
先程も書きましたが、同じ時間を与えられたとき、できるだけ多く問題をこなせる生徒のほうが成績は伸びます。何故なら、テストは同じ問題が出ない。テストで高得点をとる為には、多くの問題を解いておく必要があるからです。
24時間の中で、勉強する時間が3時間あるならば、その3時間の中でどれだけの問題をこなせるのかがカギになってきます。
キッチンタイマーを使う。
具体的にどうすれば、解くスピードが上がるのか。私は教えるとき、解くスピードが遅い生徒にはキッチンタイマーを使っています。
私が担当した生徒の中で、解くスピードが遅い生徒がいました。1問1問丁寧に解きすぎる上に、難しい問題に直面すると手が止まって5分とか経ってしまう。
ある日、「はい、3分で解いて」と、キッチンタイマーを差し出しました。
もちろんその生徒は最初あせります。「先生!3分じゃ解けないよ!」と言われても、無視して「あ、残り2分55秒だね」と言います。
するとその生徒が今までに見たことのない速度で解く。すべて解き終わり採点をすると、点数が悪くなっています。間違えるはずのない問題を間違えているのです。その後解説し、少し雑談をしてから、次のページを開きます。
「じゃあ今度は2分で」と言うと、「え?さっき3分であんなに辛かったのに、今度は2分?無理だから」と言います。「あ、あと残り1分50秒だよ~」と言うと、ひたすら解きます。さすがに全ての問題は解けませんでした。再び少し雑談をして、次のページを開きます。
「さっきは2分で少し辛かったね。なら3分に戻すよ」というと、生徒はすぐ解き始める。すべて解き終わり、採点をすると前回3分でやったときより点数が大幅に伸びてます。
このようにすることで、生徒はどの問題から解いていけばいいのか、時間配分がしっかりと出来てきます。
個別指導塾は集団授業と異なり、他の人との競争ができないので、解くスピードが遅くなりがちです。そのデメリットを、時間を明確に設定することでカバーしていきます。間違えてもいいので、なるべく速く、そして多くの問題を解くようにしましょう。