永田大
2016年2月29日22時54分
公道では全国で初めてとなる「自動運転タクシー」の実証実験が29日、神奈川県藤沢市の国家戦略特区で始まった。高齢化と人口減少でバスなどの公共交通網が衰退するなか、移動が難しい人向けの対策として、2020年の東京五輪までの実用化を目指す。
29日午前、同市の住宅街。住民がインターネットで配車を予約すると、自宅前に自動運転車が迎えに来た。住宅街は運転手が運転し、大通りは運転手が乗ったまま自動運転に切り替え、約2キロ先の大型スーパーまでを往復した。乗車したスーパーの嶋内久美子店長(41)は「自動運転に切り替わる時は緊張したが、どこで切り替わったかわからないぐらいスムーズだった」。
IT大手のDeNAと、自動運転技術を開発するベンチャー企業のZMP(東京都)が設立した合弁会社「ロボットタクシー」が実施。3月中旬までの約2週間の予定で、一般道での自動走行技術や配車システムなどをチェックする。無人運転が実現すれば、人件費が大幅に削減でき、現在のタクシー料金より安く提供できると見込む。中島宏社長(37)は「全国の交通弱者を救うサービスを目指したい」と語る。
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