中国市場の韓国ブランド車、躍進から失速へ=中国メディア
2015-11-06 14:02
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中国の自動車市場は世界最大だが、2015年は中国経済の成長鈍化の影響によって、自動車市場の成長にも陰りが出始めている。自動車市場全体が伸び悩むなか、日系車メーカーは健闘しているが、韓国の現代自動車や起亜自動車をはじめとする外資メーカーは苦戦を強いられている。
現代自動車や起亜自動車はかつて中国自動車市場で「破竹の勢い」とも言えるほどの成長を見せていたが、ここにきて成長の減速傾向が鮮明となっている。中国メディアの捜狐は3日、現代自動車や起亜自動車はなぜ中国市場で失速したのかを分析する記事を掲載した。
記事は10月30日の中国汽車工業協会が発表したデータをもとに、15年1-9月における現代起亜自動車の中国市場における販売台数は前年同期比11.4%減の112万7460台にとどまった。うち現代自動車は72万4742台、起亜自動車は40万2718台で、それぞれ同11%減、12%減だったことを伝えた。
捜狐は、韓国車がこれまでタクシー市場への売り込みを強化したり、中国市場で人気の高いSUVを投入したりするなどして中国での販売を伸ばしていたことを紹介。さらに、中国人が消費を行う際に重視する要素である「コストパフォーマンス」を高め、市場価値の向上を図っていたことを伝えた。
それでも中国市場で韓国車が減速してしまった理由として、記事はまず「中国自主ブランド車の成長」を挙げ、中国自主ブランド車は韓国車よりもさらに高いコストパフォーマンスで販売を伸ばしていることを指摘。「韓国車の強みが相対的に失われつつある」と論じた。
さらに、中国で近年、SUVの人気が高まっており、各メーカーがSUVの新車を投入するなど市場の競争が激しくなったことで、現代自動車や起亜自動車のSUVの販売台数が減少傾向にあると指摘。また、円安によって日系車の価格競争力が高まり、消費者が日系車に流れてしまったことも日系車が好調であると同時に、韓国車の販売が低迷している理由として挙げている。
現代自動車の販売が減速傾向にあるとはいえ、15年1-9月期における販売台数はフォルクスワーゲンに次いでメーカー別で2位となっており、依然としてトヨタを上回っているのが現状だ。だが、日系各メーカーがこのまま堅調さを維持できれば、現代自動車の背中も見えてくるはずだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)