このゲームについてはGoogle PlayやiTuneのレビュー見てて
「そうじゃないんだけどなぁ〜」
と思うことが多いから、一個一個細かく言いたい。*1
・概要
まず、このゲームはメープルという妖精が「神のケーキ」を食べるために、お菓子の国を冒険するゲームです。
ゲームとしては、お菓子の障害物をかわしてたどり着くアクションゲームです。
空腹な状態でステージに挑んで行き、お菓子にぶつかると、障害になってたお菓子を食べて進みます。(食べることで障害物が取り除かれる)
ぶつかってしまうとたとえ満腹でも食べてしまうため、満腹になるまで食べてしまうとゲームオーバーです。
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女性・ライトユーザー向けなら、男性向けの絵師さん使う?
世界観がメルヘンゆえに「これ、女性やライトユーザー向けのゲームでしょ」って人がいたり、そもそもレビューにそういう頓珍漢なことを書いてたやつがいたから、オープニングも見てもらおうと思う。
もうタッチが男性向け。線が堅いっつうか、太いっつうか…女性や女性向けのイラストがうまい人にもこのぐらいの線の人はいるにはいるけど、こういう描き方しないよ。
「線」で感覚的に見分けるのがここ10年以内のどっかでオタクをした人間なら当たり前だと思うけど、それじゃわからない人のためにきっちり説明すると「イラストに用いてるアイテム」が女性の作品よりも男性の作品。*2
代表的なのが目のハート。あるいは、特にデザイン的にひねりのないワンピース。
これを好むのって、(オタク的な)男性向けで、女性向けだったり、ある程度キッチリした一般向けならこういう服が登場する割合ってガッツリ減る。
あと、配色ももうちょい細かいんだよね…「はっきりした色」が多いのよね。
これは画力の問題ではなく、基本的に男性の方が色彩に関する能力が低くて、口紅の色とかが全然わからんからなんだけどさ…。
デザイン的なことはともかく色彩的には、アリス・マーガトロイドっぽいんだよなぁ〜
いや、そこに惹かれた部分もあるから悪口では断じてないんだけど。
で、線・色・デザインの話は割愛。
この2つのところから見て(見れるぐらいにオタクな人なら)これを女性向けだの、ライトユーザー向けだの言わないんですよ。
だいたい2枚目のイラストのアリス・マーガトロイドっぽいイラストが宣伝で出てきた時に惹かれてクリックしてダウンロードするようになってる。
で、その辺のコンテクストが分かる人にはオタク向けそのものなんですよ…。
作品のルーツ?になるアイデアは多分、イライラ棒
ひょっとしたらそれ以前にもそういうゲームはあったかもしれない。
だが、26歳男性の僕がはらぺこフェアリーをプレイして思ったのは「これ、イライラ棒だよね?」ってこと。(あるいは、くるりんスカッシュというゲームキューブから出てるイライラ棒みたいなゲーム)
イライラ棒とは、「ウッチャンナンチャン炎のチャレンジャー」という95年〜00年までやってたテレビ番組の人気企画のこと。
狭いステージに棒の先を入れて、棒の先がステージの壁に当たらないように進んでいくゲーム。人間が100万円をかけて行うため、プレッシャーのあまり手が震えてしまうため、精密な動作がうまくできなくてミスするチャレンジャーが続出する。
これを04年発売のくるりんスカッシュ!ではその「棒の先」の部分を十字キーで操作するようなゲームが出てくる。(代わりに棒が常に回転するため、タイミングを測って動かないといけない)
このように、10年〜20年前に流行ったゲームの流れを引き継いだゲームのようなことをやるのがはらぺこフェアリーなんだ。
だから、男性向けの萌え絵・それも東方Project似のキャラ、(レビューでは批難されてた)ファミコンみたいな理不尽要素がある難しめの難易度設定、そして懐かしのゲームデザインなのだ。
僕は「よくぞ、ここまで僕の子どもの頃にみたあのゲームを26歳になってやらせてくれた」と感謝してるぐらいだが、思いの外不評でがっかりしてる!
子どもの頃にイライラ棒をするには年齢的には稚すぎたし、ゲームキューブは我が家では買ってもらえなかったからちょうど「知ってるし、やってみたかったけどやったことがない」ゲームだったんだよ!
「江戸の仇を長崎で討つ」じゃないけど、ずーっとやりたい思っててやれなかったことをおとなになって、スマホゲームを追いかけてたらたまたま引き当てたおっさん(26)の感動をわかってほしいんだよ。
たしかに、ちょっと難しいから完全クリアは無理だった。
エンディングも出したけど、アレを完全クリアできる上級者はそうはいない。
また、タップというミスや機会の感度の問題が生じやすい操作性も若い人からみれば、ストレスが溜まるのもわかる。
でも、スーファミからゲームに入って、テレビで見てたイライラ棒がちょっと理不尽さのある難しいゲームだと知ってるぼくら(おっさん)にとってはこの塩梅がたまらないんだよ!
地元に帰った時に食べる、関西だしのうどん(神戸出身)、街のいたるところにある(はばタン)、(大して強くもないくせに)阪神びいきなスポーツニュース…それらは東京に行けばいい加減だし、大多数の地方の人にとってうざいかもしれないけど、それが僕にとってはほっとする味なんです。
それをぐさっと突き刺してくれているゲームに「客観性」みたいなレビューが野暮ったく思えるから、今回は自分の好みとか思い出に染み渡っていくあの塩梅を「べらんめえ」に語らせてもらいました。
みんなが読んでくれなくていいです。
これを読めたあなたなら満足できるゲームだし、みんなにやらせて理不尽なレビューが増えるぐらいならぼくは、やってほしい人に届くレビューを書きたいと思ったので。