ゲームの世界と、日常をつなげる

「継続的なサービス運営」が必要なゲーム

任天堂公式ホームページの「ランキング表示」 任天堂公式ホームページの「ランキング表示」

私は主に、任天堂のネットワークサービスを支えるサーバー開発業務を担当していますが、その私がWii Uの『Splatoon(スプラトゥーン)』のWeb連携開発に関わることになったのは、このゲームが発売後に新しいステージやブキを配信する「サービス運営」が必要なゲームだったからです。『Splatoon』の開発終盤にゲーム開発者から、お客様にどのように『Splatoon』が遊ばれるかを知りたいと相談を受けました。そこでまず、クラウドサービス(※)を活用して対戦結果のログを集めるサーバーを作り、ブキのトレンドの推移などのデータを開発者がほぼリアルタイムで確認できる仕組みを作りました。


さらに、集めたログを社内だけに留めておくのはもったいないという話になり、対戦結果を集計して、成績がいい人のランキングを任天堂公式ホームページ(以下公式サイト)で表示する仕組みも開発しました。


※仮想サーバーやストレージ、ネットワークなどの計算資源を、必要な時に必要な分だけインターネットを通じて利用できるサービス。

「あったらいいのに」を作る

開発中盤のデザイン案。これをもとに実装を行った。

公式サイトのページビューは『Splatoon』が発売されると、一気に増えました。すると、開発チームから「さらにこのゲームに特化したネットワークサービスを展開できないだろうか」という相談を受けました。そのとき私は「あったらいいのに」と、ずっと自分が望んできたものを作れるチャンスだと思いました。というのも、以前からフレンド(登録した友達)とネットワークで遊びたいと思ってWii Uの電源を入れても、オンラインのフレンドがいなくてがっかりした、という経験があったからです。加えて『Splatoon』は、フレンドと一緒に対戦すれば、さらに楽しさが味わえるゲームです。そこで、急いで企画をまとめて、開発チームに提案したのがフレンド交流サービス「イカリング」です。間近にせまった、大型アップデートのタイミングに合わせてリリースするべく、若手中心のチームで開発を行いました。

外出先からもゲームの世界を覗けるように

スマートデバイスのホーム画面でショートカットを作成すると表示される「イカ」のアイコン スマートデバイスのホーム画面でショートカットを作成すると表示される「イカ」のアイコン

「イカリング」はスマートフォンやパソコンでも見られますので、例えば職場や学校でお昼休みにアクセスすると、フレンドが「夜の8時から遊びます」といったことが確認できて、「じゃあ、自分も」という使いかたができますし、現在遊べるルールやステージも気軽に確認できます。このような情報をWebからも閲覧できるようにすることにより、イカリングはゲームの世界との架け橋の一つになれたと思います。


今後も、ゲームとWebの両方を手掛けている任天堂ならではのサービスを作っていきたいです。

社員略歴

木村将之

木村将之ネットワークシステム部/2010年 入社
2010年「理工系(ソフトウェア)」入社。ゲームサーバーの運用やニンテンドー3DSのネットワークサービス「3D写真コンテスト」(2012年)の企画・開発を経験。Wii U『Splatoon(スプラトゥーン)』(2015年)やWii U『スーパーマリオメーカー』(2015年)のWebサイト開発では、バックエンドからフロントエンドまで幅広く手掛ける。