High-end SLC SSDs No More Reliable than MLC SSDs: Google Study(techPowerUp!)
トロント大学よりSSDの信頼性に関する論文が発表され、この中でいくつか興味深い事柄が明らかになっています。
研究は6年間にわたり百万以上のSSDのデータ信頼性を検証したもので、10種類の異なるモデルのSSDが用いられ、それらのSSDに使用されるNAND flashのタイプはSLC, MLC, eMLCの3種類、またエンタープライズ向けとコンシューマ向けが使用された模様です。
そして導き出された結論が以下となります。
- Uncorrectable Bit Error Rate (UBER) のスペックは意味のある数字ではなく、無視して良い。
- SSDを使用し続けることによるRaw Bit Error Rate (RBER) は予想よりも低く、UBERやその他のエラーとは関連がない。
- ハイエンドSLCドライブはMLCドライブよりも信頼性が高いというわけではない
- SSDの故障はディスク(おそらくはHDDのことだろう)よりも低いが、UBERが生じる率は高い。
- SSDは使用することよりも(製造されてからの)年数の方が信頼性に影響を及ぼす
- 新しいSSDにBad Blockは普遍的に見られ、多数のバッドブロックを有するSSDはその他の数百のブロックを失っている。おもにこれはダイまたはチップのエラーによる。
- 30~80%のSSDは最低1つのバッドブロックが生成されており、2~7%は最初の4年間に最低1つのバッドブロックが出来上がる。
SLC SSDがMLC SSDより必ずしも信頼性が高いわけではない、というのは驚きの結果ですが、その理由として、エンタープライズ向けのSSDはそもそもがとてつもなくover-provisioningであるからとしています。つまり必要以上に信頼性確保のために冗長性を確保しすぎており、もはや意味のない領域に達してしまっているということでしょう。
この論文が2番目に強調しているのはSSDのエラー増加に関連するのは使用ではなく年数だとしていることです。前述のover-provisioningによりFlashの摩耗を恐れる必要はなく、研究の中で書き込み上限に達したドライブはなかったようです。
ただ一方で、UBER(訂正不可能な誤りの発生率 と日本語訳されている)はSSDの方が高いと結論づけられており、SSDのデータのバックアップはディスク(=HDDという解釈で良いだろう)のそれよりも重要だと述べています。SSDそのものが故障して使えなくなることはそうそうないが、それよりもデータが壊れることはあるという一文で締めくくられています。
とすると、ブートや一時的なデータ置き場にSSD、倉庫としてHDDを使用するのは理にかなった構成になりそうです。まあ、自作ユーザーにはSSDのデータが壊れる前に買換えてしまう方も多そうですが。自作PCの場合は電源の故障やらOSやソフトウェアのエラーを心配した方がいいかもしれません。さらにいえば最もアカンのはPCを使う人間と言うことになりそうです(組んでる途中にSATAコネクタへし折ったとか、静電気で逝っちゃったとか・・・。しかしこればかりはどうにもならない)。
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