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「陰口言う子が1人ならセーフ」実は教員免許を持つももちのリーダー論を独占取材

小学5年生で芸能界デビューした、“ももち”こと嗣永桃子(つぐなが•ももこ)さん。約11年2ヶ月在籍したアイドルグループ『Berryz工房』が突然の無期限活動停止に入ってから早くも約1年が経過します。

本人すら心の準備が整わぬまま、現在は実質活動停止していた『カントリー娘。』を改称した『カントリー•ガールズ』に合流したのはその直後のことでした。しかし、軌道に乗っていた矢先の昨年秋、声帯ポリープが見つかり治療に専念するため、嗣永さんはライブ活動休業を余儀なくされることに…。

そしてついに、カントリー•ガールズへの本格復帰を果たした今、Spotlight編集部では単独インタビューを敢行

実は多忙なアイドル業と両立しながら大学進学し、教育実習を経て、小学校と幼稚園の教員免許を取得していたことを明かした嗣永さん。本インタビューでは、バラエティ番組でのツインテール姿でキャピッとした“ももち”からは想像がつかなかった、いち教育者としてのリーダー論に迫り遂げました。インタビュー内では、日夜リーダーシップ像に悩むサラリーマンから寄せられた悩みに赤裸々な回答をする一幕もあるなど、存分に語っていただきました。

本格復帰を果たした、待望の第一声

ーー新体制になられるカントリー•ガールズは、CDデビューからもうすぐ1年ですね。

嗣永:昨年の秋にカントリー•ガールズは結成1周年を迎えて、そこで新メンバーが2人加入するという発表がありました。大晦日の「ハロー!プロジェクト」カウントダウンライブから本格的に7人で始動することになって、今は凄くワクワクした気持ちでいっぱいです。

ソロ活動すると思われていた矢先、“アイドルグループの一員”として再出発

ーーソロでのバラエティ出演なども多かった嗣永さんだからこそ、Berryz工房が無期限活動停止になってしまった後は、タレントに転身し活動をされていくのではと思った方も多いのではないでしょうか。

嗣永:そもそも“アイドルが好き!”なんです。歌・ダンス・バラエティと、本当に毎日違う活動ができるのが凄く楽しくて。特に私は飽きっぽい性格なので、ずっとレコーディングをやっているとかいうのが苦手なタイプなんですよ(笑)。

何でソロではなくてグループを選択したのかというと、ずっとグループで活動していたからこそ、グループならではの楽しさだったり助けられる部分を、10年以上実感していたことが大きいです。“やっぱりグループからは離れられないな”っていう気持ちがありました。やっぱり今のアイドルという職業が、“天職なのかな”って凄く思っています

ーー“グループから離れられない”と感じられるほど長い、約11年2ヶ月の期間をともに活動されてきたBerryz工房の7人は、2002年に開催された「ハロー!プロジェクト・キッズ オーディション」で合格した、いわば“同期メンバー”だったんですよね。

嗣永:Berryz工房では同期のメンバーとずっと活動していたので、カントリー•ガールズに加入して直接的な後輩と活動すると決まったときは不安な気持ちのほうが大きかったです。

7人グループという同じ人数で、私がいるということもあって、どうしてもBerryz工房とカントリー•ガールズが、良くも悪くも比較されるのでは…と思ったこともありました。でも区別化じゃないですけど、ぞれぞれの色が違うんだというのを認識していただけるように、カントリー•ガールズを引っ張っていかないといけないなという気持ちが強いです。

カントリー•ガールズのメンバーはアドバイスしたことをすぐに吸収して次に活かしてくれるんです。みんな初心者で右も左も分からない状態なのに、過程が見えるほどグン!と成長していくのが凄く楽しいですね。

「違和感がないかと言われたら、正直ありました」

ーー嗣永さんがカントリー•ガールズへ本格合流されたのは、Berryz工房の活動停止ライブからほぼ直後のことでした。青春のすべてともいえるグループを離れて、新たなグループへ飛び込むことへ“心の準備”などされていたのでしょうか。

嗣永:2015年3月3日に活動停止の武道館ライブがあって、初めてカントリー•ガールズとしてお客さまの前に立ったのは7日だったんです。でもその前日の3月6日が私の誕生日で、ひとりでのソロイベントがありました。Berryz工房としてのライブとカントリー•ガールズとしてのイベントの間に、23歳になったという区切りの日と、ひとりでの活動があって凄くいいクッションになりましたね

嗣永:集まってくださったファンの方も、ずっと応援していたグループが活動停止になった直後だったので、ちょっと暗いというか悲しいショックな気持ちとかもあるんじゃないかなと思っていて、私自身も違和感がないかと言われたら、正直ありました

でもソロイベントをやる中で切り替えられたというか…、“いいタイミングで誕生日を迎えたな”って、3月6日に産んでくれたお母さんに凄く感謝しましたね(笑)

里田まいがひとりで守り抜いた、カントリー娘。の意志を継ぐ

ーーこの度、7人体制となったカントリー•ガールズは、嗣永さんと10歳ほど年の離れた若いメンバーが多いことや、『カントリー娘。』を改称する形で再始動したところにも興味が湧きます。

嗣永:
カントリー娘。の意志を継承してできたグループなので、何よりカントリー娘。時代の曲を、私たちカントリー•ガールズが歌い継いでいくことが大きいなと思っています。

ーーカントリー娘。は活動こそ停止していましたが、里田さんがメンバーご自身ひとりになっても決して解散させずに守り続けてきた大切なグループだったので、当時の楽曲を歌っていただけてとても嬉しく感じられていると思います。

嗣永:当時のイメージを壊さないようにしながら、カントリー•ガールズらしさもきちんと残したライブをしたいなと思っています。いつか里田さんとコラボレーションできたらと思うと夢が広がりますね。

里田さんはカントリー•ガールズの“スーパーバイザー”に就任されて、私は今“プレイングマネージャー”という役割でやりとりをさせていただいています。里田さんはニューヨークでの生活が主になっているので、ずっと年中こちらのことを見ていられないと思います。

ですが、私が感じ取る分には「カントリー•ガールズはももちに託す」といいますか、凄く信頼してくださっている感じがするので、期待を裏切らないようにきちんと作り上げていきたいなっていう風に思っています。

そもそも“プレイングマネージャー”の実態とは…

ーー嗣永さんが就任された“プレイングマネージャー”は、「選手兼任監督」と表現されることもありますが、実際の役割をぜひ嗣永さんご本人からお伺いしたいです。

嗣永:でもよく分かってないんですよね、私も(笑)。

嗣永:一緒に活動していくのが“プレイ”で、“マネージャー”の部分は何をするんだろうと思ったとき、いわゆる「マネージャーさん」と違う部分は、やっぱり自分がずっとアイドル活動を経験してきたことが大きいと思っています。メンバーみんな初めは何も分からないから、歌もダンスも覚える時間が掛かってしまったりとか、壁に当たっていくのですが、かつて私もその過程すべてを経験しているんですよ。

だからこそ「そうだよね、この時期ってこれが辛いよね」といった、自分がどう乗り越えたかを話せるので、そういうところはマネージャーさんとか事務所の方では難しい、メンバーのケアもできるのかなと思いますね。特に新メンバーには、できるだけどういう子なのか知らなきゃいけないなと思って会話をするようにしています。

“頼りにして欲しいな”と感じるし、逆に変なことを吹き込めば…、悪い知恵ばかりメンバーに付いちゃうので、自分自身の責任感も強くなっていると思います。

嗣永:こういうプレイングマネージャー制度があるグループはとても珍しいですよね。「ハロー!プロジェクト」だけで考えてもやっぱり特殊で、1つの強みですね。

プレイングマネージャーのいいところはスタッフさん側の意見と、メンバー側の意見を両方から聞けるところなんですよ。なので、この情報をこちらに流していたほうが後々いいかもと思うことはスッと言って、これは絶対伝えないでおこうというのは自分で止めたり、結構自由自在です。今まででは聞けなかった裏情報をマネージャーさんから聞けたりもして楽しいです。オトクな立ち位置だなと思います(笑)。

“自分の頭で考えたことを、自分の言葉で伝えようね”

ーー10年以上に渡る嗣永さんのご経験をもとに、カントリー•ガールズのメンバーにどういったことをご指導されていらっしゃるのでしょうか。

嗣永:
私がデビューした頃は、MCなどで台本をベースに発言することも多かったのですが、月日を重ねるごとに、自分で考えたことや言いたいなと思ったことをそのまま伝えるほうが、ファンの方と触れ合えた感じや手応えがありました。私自身、そのほうが嬉しいという気持ちがあったので、メンバーには自分の頭で考えたことを自分の言葉で伝えることが当たり前になれるように言っています。

でもまだ中学生とかなので、言葉なども日本語の使い方がおかしかったりするところは添削するんですけど、基本的には「自分が伝えたいことを伝えようね」と話しています。

しかも学校に通っているので、習った言葉を凄い使いたがるんですよ(笑)。「それ授業で習ったの?」と言ったら「そうなんです、使ってみたくて」って。ちょっと“お姉さん目線”になるというか、いちいち子どもらしくて可愛いな、ちょっとませてるなとか思って楽しいです

嗣永:可愛いといえば、「ケンカした」という内容も本当にちっちゃなことで「あぁ、中学生のときあったあった」ってなりますね。青春時代をまた繰り返し思い出させてくれるというのも、私の中では楽しいことの1つです。

ーー“若いなぁ”としみじみされることも…。

嗣永:ありますねぇ…。会話の中でジェネレーションギャップを感じることが多いですね。私は「ゲームボーイ」世代なんですよ。だから白黒画面じゃないですか。でも今の子たちに「白黒だったんだよ、ポケモン」みたいな話すると「ええっ!?」「白黒とかあり得ない」「今、3Dで飛び出しますよ」とか…

ーー昔はドット絵でしたよね。

嗣永:そうそうそう(笑)。「お茶犬知ってる?」って言っても「知らない」、「え〜、お茶犬だよ。集めたじゃん(泣)」という風に、会話の中で出てくるアニメやゲームで世代のギャップを感じますね。

今まで中澤裕子さんなどに「そんな時代知らなーい」みたいに言っていたことをやり返されている感じがして、ついにこのポジションになってしまったかと思っています(笑)

“自分が1番目立ちたい”スピリットは健在

嗣永:そうは言っても…大人気ないと思うんですが、根本的にやっぱり自分が1番目立ちたいという気持ちは健在しています。すべて後輩を目立たせるというのは自分の中で嫌で、みんなも「ここはももち先輩だ」と思ったらサッと身を引いてくれたり(笑)。でも、“あうんの呼吸”ではないですけれど、みんなそれぞれが「ここは私がいきます」「じゃあ私一歩引くね」と一緒に活動していく上でちょっとずつ感じ取るようになってきて、ワイワイやっていますね。

ーーバラエティ番組などでの天真爛漫なイメージを持たれている方には、リーダーシップをとられている嗣永さんの姿はギャップかもしれませんが、Berryz工房でも最年長組、ユニット「Buono!」ではリーダーをつとめられていたこともあってファンの方は“頼もしい”と思われているのではと感じます。

嗣永:どうなんですかねぇ…大丈夫ですかね(照)。自分の中では“引っ張っていくぞ”という気持ちはもちろんあるんですが、私に任せて付いてきて、というよりは「ひとりで背負うには重いので、私が多めに持つからみんなもちょっとずつ持たない?」みたいなスタンスではあります(笑)。

嗣永:アイドルグループに限らず、学校や社会で、リーダーや先頭に立つことにプレッシャーを感じる方はたくさんいらっしゃると思います。私はそこのプレッシャーというのはあんまりないんですけど…それがいいのか悪いのかはさておき(笑)。先輩だからというのは多少なりともありますが、リーダーだからこうしなきゃといったプレッシャーはないんです。もうちょっと緊張感を持ってと思う方もいるかもしれないんですけど、“純粋に楽しい”という気持ちのほうが強いですね。

ライブの2,000人は余裕でも、20人の前でのゼミ発表は震えていた

ーーアイドル活動以外のプライベートのときでも、リーダー的なポジションをとられてきたのでしょうか。

嗣永:いやぁ、全然。あの…私、学校で発表するのとか凄い緊張しちゃうんですよ。「中野サンプラザ」の2,000人はまったく緊張しないんですけど、大学のゼミ発表で20人ぐらいの前で発表するのは凄い緊張して…

いわゆる“カントリー•ガールズとしての嗣永桃子”と、“20代前半の嗣永桃子”が自分の中でやっぱりあるんですかね。ゼミの発表は本当にカミカミで声も震えるし(ジェスチャー交え)ブルブルブルみたいな(笑)。

もう紙しか見ないので、ゼミ生の表情が見えるから緊張するということでもないんですよね。ジャガイモ•ニンジンだと思えば緊張がほぐれるっていうじゃないですか。だからみんなジャガイモだと思ってゼミの発表していました。

なので、プライベートでリーダー的なポジションもなく、適当にホイホイくっついていくような感じです。でも、家族構成的には長女ということもあって、もしかしたらそういうところで本質的にリーダーシップにプレッシャーがないのかもしれないんですが、いわゆる仕事以外の集団生活ではまったく無理です。目がグルグルしちゃいます(笑)。

教育学部に進学し、幼稚園と小学校の「教員免許」を取得

ーー多忙な中、大学に進学され幼稚園と小学校の教員免許を取得されたと伺いました。この度、“プレイングマネージャー”としてご活躍される以前から、指導者として教育することに関心があられたのでしょうか。

嗣永:“学校”が凄く好きなんです。小学生のときから芸能活動をさせていただいて、大人の方と一緒に仕事をすることが多かった分、同世代の子と一緒にワー、キャーできる場所はほぼ学校だけでした。

やっぱり仕事を優先しなければいけないこともあったんですけど、先生が凄くサポートをしてくださって、そういう感謝の想いや子どもが元々好きだったこともあり、大学ではせっかくなら資格を取ってみようと教育学部に入ったんです。最後のほうは割と大変ではあったんですけど、友人にも恵まれて、無事に取得することができました。

教育実習は1ヶ月行ってきたんです。仕事もお休みさせていただいてたくさん迷惑をかけちゃったんですけど、1ヶ月の教育実習から帰ってきて芸能活動を再開したときに、“あぁ…やっぱりこの仕事が好きだな”と思いました。教育実習もとても楽しくやりがいがあったんですけど、やっぱりアイドルは楽しいなと改めて気付きましたね

「お小遣いが消えた分、意地でも大学に受かる」

ーー芸能活動をスタートされて10年後に、アイドルの楽しさを再確認されていたことにほっこりしました。幼稚園と小学校両方の免許取得に向けて1ヶ月も行かれていたということで、お仕事との両立がとても大変だったのではないでしょうか。

嗣永:大学との両立より、どちらかというと受験のほうが大変でした。私、本当に集中力がなくて家にいるとテレビ、ゲーム、漫画とかもう誘惑の塊なんですよ。仕事から帰ってくるのがだいたい夜11時ぐらいなんですが、深夜にファミレスに行って勉強していました。「ひとりはちょっと怖いから」と言ってお母さんも一緒に、3時、4時までファミレスにいてくれて…。

眠いっていう辛さよりも、毎日ファミレスに通うとなるとお母さんに申し訳ないので、「デザート食べてよ」「ドリンクバー飲んで」とか言ってたんですけど、その出費のほうがだんだん辛くなってきて(笑)。「あ〜またお小遣いが消えてく〜!」みたいな。途中からそちらのほうが辛くなって、“ここまでお小遣いをかけたから意地でも受かってやる!”と気持ちがシフトしましたね

“自分が好き”だからこそ、“ももちなりの教え方”を模索した

ーーお話を伺えば伺うほど、嗣永さんに“リーダーの鏡”としての姿を感じます…。そんな嗣永さんにとって指導者としての「先生」や「先輩」といった存在はいらっしゃるのでしょうか。

嗣永:誰々のリーダー像を意識しているというのはあまりなくて、それこそ大学で学んだ「その子にあった方法をきちんと見つけなさい」といった教育方法とかをたまにふと思い出したりしています。“怒るだけじゃダメだな”、“褒められるほうが好きなタイプだから、褒めてから怒ろうかな”って。

どちらかというと自分なりの方法を考えるほうが強いかもしれないです。誰かを真似したくてもできなかったりするし、何であの人みたいにできないんだろうと悩むのも嫌なので…あと1番には“自分が好き”というのがあるので(笑)、ももちなりの教え方ができたらなという風に思っています。

“リーダーシップ”に悩む、我らがSpotlight編集長…

ーー“ももちなりの教え方”を確立されている嗣永さんに恐縮ながらお願いがございます…。実は我々Spotlightの編集長(32歳•男性)が、“理想のリーダー像”について試行錯誤しており、ぜひ嗣永さんに意見を伺いたいと懇願しているんです…。

嗣永:はい、分かりました!

(真剣モードに…)

ーー先ほど嗣永さんはカントリー•ガールズのメンバーみなさんに、“自分の頭で考えた言動をして欲しい”と伝えられているとお話されていましたが、時には考えさせるのではなく厳しく注意しなければいけない場面もあるのではと思います。厳しく注意するとき、どのように注意されていますか?

嗣永:怒る前に、“果たして自分がまずできているのかどうか”と1回考えます。「だって、ももち先輩もやってないじゃないですか」と言われたら、確かに…となって終了なので(笑)。でもどうしても立場的に、自分もできてないけど注意しなければいけない場面というのもあるんです。そういうときは「私もできてないから、みんなでこれから意識していこう」と言うようにしていますなによりまず、注意する前に自分ができているのかを確認しますね。

嗣永:他に意識していることは、怒り終わったらすぐ切り替えること。注意が終わったら、そこからすぐ楽しい話をします。やっぱり、私はマネージャーではなく一緒に活動していく“プレイング”の部分があるからこそギスギスはしたくないので、そこのメリハリは気をつけていますね。あとは、“本番前はやめておこうかな”とか、タイミングを計ったりします。

冷静なときはそうできるのですが…(笑)。でも本当に耐えられない場合は「よし、今ならいける」とタイミングだけは見たうえで注意をします

ーー厳しい姿が想像できないです。

嗣永:本当ですか!?

嗣永:お腹が空いたときはちょっぴり機嫌が悪くなって、みんなが気を遣ってくるのが分かって、“あぁ〜申し訳ない”と反省します…。

みんな察して「ももち先輩、お腹空いているから次のミスは許されない」など、ごにょごにょ言ってるのが聞こえてくると、“よし、分かっているな”と思ったりしています(笑)。

ーーごにょごにょ聞こえてくるんですね(笑)。たとえばチーム内で陰口のようなものが蔓延してしまったとしたら、どう対処するのがいいのでしょうか?

嗣永:私の場合強引なんですけれども「たとえば陰口言う子が1人だとセーフだよ、でも2人になったら確実に蔓延するから、“絶対自分は言わない”って思おう」と結構ストレートに言いますね

やっぱりいい空気も悪い空気も伝染していくし、どうしても顔つきなどに出てくると思うんですよ。でも私たちアイドルは顔が勝負じゃないですか(笑)!すべては顔といっても過言ではないぐらい大事だと思うので、みんなにはっきり言っています。なので私自身も何かあったらマネージャーさんに言ったりして、メンバーのほうにはあまり言わないようにしています。

無期限活動停止に入ってから1年…。Berryz工房メンバーとの今

ーー素晴らしいご回答をありがとうございます(泣)。カントリー•ガールズに本格合流されてもうすぐ1年ということは、裏を返せばBerryz工房が無期限活動停止に入ってしまってから1年でもあります。寂しさを抱えながらもBerryz工房の存在を守り続けているファンの方々に、メンバーとの近況をお届けさせてください。

嗣永:
ひとり留学したこともあって頻繁には会えてはいないですが、会うとすぐその頃に戻るんです。同窓会とかでも中学校の仲間たちで集まると気持ちが中学時代に戻りますよね。そういう感じで、会ったらすぐにそのときの自分に戻れます。

個々の方向性で頑張っているのを、お互いに応援し合っているのが凄く感じ取れるんです。正直言葉で「頑張ってね」というのはあまりないんですが、長く一緒に活動してきたから分かりますね。それぞれの道で頑張っている仲間を応援しつつ、でも“負けたくないな”という気持ちもあるので、みんながいい感じに相乗効果で活動していると思っています。

それぞれ立場が違うからこそ、Berryz工房当時を振り返って「あの時はこうだったよね〜」という昔話に花が咲くので楽しいです

“カントリー•ガールズをアイドルの王道をいくグループにしたい”

ーーついに3月9日(水)には、新メンバーが加入し7人体制になってから初めての新曲『ブギウギLOVE/恋はマグネット/ランラルン〜あなたに夢中〜』が発売になります。待望の3rdシングルは、グループ初の“トリプルA面”というところも楽しみでなりません。

嗣永:7人体制になって初めてのシングルということもあり、やっぱり凄く注目されているなという自覚があります。

今までのカントリー•ガールズは可愛らしい曲が多かったんですけれど、新メンバーが新たな風を運んできてくれたこともあり『ブギウギLOVE』はカッコいい曲調なんです。デビュー時からの、ちょっと昔ながらで懐かしい80年代テイストも引き継がれた曲なので、「こういう方向性でくるんだ」と意外に感じられるファンの方もいらっしゃるかもしれません。80年代の映像をみんなで一緒に見て、イメージを掴んだりしたので、もしかしたらお父さん世代の方は懐かしい気持ちになっていただけるんじゃないかなって思います。

嗣永:新曲はトリプルA面シングルなので、三者三様…人じゃないんですけど(笑)、3曲とも異なるイメージで、新たなカントリー•ガールズをその1枚で感じ取っていただけるのではないかなと思います。

私の中では、カントリー•ガールズをアイドルの王道をいくグループにしたいという想いが凄く強いんです。世の中はやっぱり“アイドル=可愛い”というイメージがあるので、いつまでも可愛らしさ溢れるグループでありたいですね。

「ハロー!プロジェクト」のコンサートや、このシングルリリースにあたってイベントで全国各地を回ります。普段なかなか会えない方とも会える機会も凄く増えてくるので、ぜひ来ていただけたら嬉しいです。

ーー“カントリー”ということもあって、ぜひ47都道府県をコンサートツアーで回っていただきたいです。

嗣永:行きたいですねぇ〜!里田まいさんが“スーパーバイザー”としていらっしゃるのも本当に大きいので、いずれは報告を兼ねてニューヨークでライブをしたいなとも思います。

ーーどんどん夢が広がっていきますね。カントリー娘。から改称された、“カントリー•ガールズ”という響きは、外国の方々もどこかホッとしそうですよね。

嗣永:やっぱり横文字にしたからには行きたいですねぇ。いいなぁ〜、仕事の名目でニューヨーク!自由の女神、見たいですもん(笑)

Spotlight編集部の笑いを誘う“ももち節”は健在ながらも、アイドル業やプレイングマネージャーに懸ける真摯な想いにはハッとさせられるものがありました。メディアで垣間見えていた、可愛らしくコミカルな“ももち”像。ですがその神髄には、アイドルとして10年以上に渡り培った経験や、多忙を極める中、プライベートで教育現場に出て学び、独自の指導論を見出してきた“嗣永桃子”としての秘めたる熱情が存在していたことに尊敬の念を抱きます。

心の内を伺うほどに、奥深さに魅了させられる嗣永桃子さん。そんな嗣永さん率いる、新体制のカントリー•ガールズは、“トリプルA面”ニューシングル『ブギウギLOVE/恋はマグネット/ランラルン~あなたに夢中~』のリリースイベント真っ盛り!古きよきカントリー娘。のイズムを継承したフレッシュなアイドルグループの発展を通して、嗣永さんの更なる魅力を発見できることも楽しみでなりません。

<取材・文/Spotlight編集部、写真/長谷英史>