1.おやすみプンプン
浅野いにおさんの漫画で、少年「プンプン」の、幼少期から青年期あたりまでの波乱の人生を描いた作品です。
主人公プンプンは、周囲の発言から「ジョニーズ系」のイケメンであることをうかがわせますが、プンプンとその家族は全員一環して、ヒヨコの落書きようなタッチで描かれていることが、とても特徴的な漫画。
周囲の人物は、作者の浅野いにおさんのの高い描写力によって普通の人間として書かれているので、プンプン一家は異様な浮き方をしており、そういった点から画面としてはシュールな印象を受けます。
プンプンと幼少時の仲間達の楽しい日常から、成長してそれぞれの抱える問題が浮き彫りになっていくところも描かれているので、彼らの抱える困難、置かれた状況、直面する問題にリアリティーを感じます。
だんだん話がシリアスに重くなり、それにつれてヒヨコのようだったプンプンの姿も変化して行きます。
読み進めるにしたがってかなり重い話になってくるので、読むのに体力がいります。
どうしようもないような、それぞれの人間の育った、置かれた環境、その中で成長し、自分の問題を乗り越えないことにはそこで止まるしかない、という要素には、大抵の人が共感できるのではないでしょうか。
プンプンがとにかくダメな感じなのですが、彼の幼少期から描かれているので、そのダメさの理由もわかります。
それぞれ生きてきた、さまざまな人間の人生、考え方が交錯する様が描かれているところが見どころだと思います。
とにかく続きが気になって止まらないような人気漫画です。
読んでいて辛くなるという声もある上、狂気すら感じるような怖い場面もあるので、そういった雰囲気が苦手な方にはあまりおすすめできません。
暇な連休なんて余裕で充実して、考えさせられ、遠くに行ったような気分になるような漫画です。
2.封神演技
藤崎竜さんによる漫画作品で、原作は安能務さん訳の「封神演義」(中国の明代に成立した小説)です。
累計発行部数は2200万部の、人気漫画です。
古代中国が舞台であり、優れた名君であった第30代皇帝「紂王」が、邪心を持つ仙女の「妲己」を皇后に迎えて以来、見る影も無い抜け殻になってしまい悪政を続け、国が乱れに乱れてしまったところから始まります。
主人公の名前は「太公望」。
仲間達を集め、共に「封神計画」を進めていきます。
一見うつけ者を装っているものの、頭脳戦を得意とする策士であり、マイペースで仲間思いのとても魅力的なキャラクターです。
読者投票では一位を獲得しています。
こうして書いてみると、何だか漢字が多いのでとっつきにくそう、と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
もとは古代中国の小説ですが、こちらは若年層向けで、小学生も読めるような少年漫画です。
とにかく面白く、読み始めると続きが気になり、引き込まれるような魅力のある漫画なのでおすすめです。
ギャグ要素もちりばめられており、バトルシーンもありかなりわくわくドキドキするような少年漫画なのですが、哲学的といいますか、そういった深みのある要素も含んだ作品です。
3.俺物語
原作・河原和音さん、作画・アルコさんの漫画です。
常人離れした身体能力と行動力、仁義と正義感にあふれ、純情で不器用な高校一年生、「剛田猛男」が主人公です。
同性から慕われる男の中の男なのですが、その容姿から異性には全く好かれず、これまでに恋をした女子たちは、猛男の親友であるクールなイケメン、砂川誠を好きになっていました。
そんなある日、猛男が電車で痴漢に遭っていた女子高生「大和凜子」を助けるところから始まります。
この主人公の容姿は、今までの少女漫画にはなかったのではないでしょうか。
とても斬新ですよね。
猛男が画面に出ることで生じる、よくわからない違和感も、魅力的な作品です。
凜子と猛男はお互いに一目惚れしたのですが、猛男は今まで通りに親友の砂川を好きになったのだろうと思って、凜子のために砂川とうまくいくよう配慮をしたり、砂川は砂川で、クールながら猛男のことをとても大切に思っていたりなど、優しい感情がメインという印象の少女漫画です。
凜子と猛男の不器用な恋愛を描いたお話であり、優しい気持ちになりたい方におすすめです。
4.人間失格
古屋兎丸さんの漫画で、あの太宰治の「人間失格」が原作となっています。
あらすじとしては、漫画家の「古屋兎丸」が新連載のネタにつまってネットサーフィンをしていると、「人間失格」という個人の日記が書かれたサイトを見つけます。
そこには、6歳、17歳時の写真、25歳の時の3枚の写真が上げられており、裕福そうな家庭にいたり、美少年であった彼が、25歳の時には老人のようになっていました。
そこで古屋がその写真の男「大庭葉蔵」に興味を持ち、日記を読み始めるところから始まります。
原作は主人公「大庭葉蔵」の人生がだんだん狂っていく様を描いた小説であり、その部分は変わらないのですが、原作とは違う箇所もあります。
この作者さんは美大卒で高校の美術講師をされていたことがあり、とにかく絵が凄いです。
主人公が薬に溺れていく場面の、幻覚のシーンは緻密でダイナミックで、まさに圧巻です。
視覚的にもとても楽しめる作品ですよ。
5.放浪息子
志村貴子さんの漫画です。
女の子になりたい男の子「二鳥修一」と、男の子になりたい女の子「高槻よしの」の2人が、自分の性別や友人関係に悩み葛藤する姿を描いています。
重々しい雰囲気はなく、淡々と描かれています。
言葉によって決まった形に受け取られてしまうことのないように、との作者さんの意図から、「性同一性障害」という言葉は使われていません。
心理描写、人間同士の関係の描写が細かい印象です。
この作者さんの漫画には独特の魅力的な雰囲気があるので、もし放浪息子が気に入ったなら、他の作品もおすすめです。
日常を描いていたり、とりたてて華々しいシーンはないのにもかかわらず、とても続きが気になり、世界観に引き込まれるようなところも、この作者さんの漫画の特徴に思います。
6.DEATH NOTE
原作は大場つぐみさん、作画は小畑健さんの漫画作品です。
名前を書いた人間を死なせることができるという死神のノート「デスノート」を拾っい、それを使って犯罪者を抹殺し、理想の世界を作り上げようとする「夜神月」。
彼は「キラ」と呼ばれ恐れられますが、世界一の名探偵である「L」によってキラである疑いをかけられ、Lと月の壮絶な頭脳戦が始まります。
かなりの人気作品ですよね。
頭脳戦メインであり、読んでいてかなり頭を使うこともあるので簡単に読み切れないため、一冊ごとにとても充実して楽しめる漫画です。
また、絵が緻密で美しいので、視覚的にもとても楽しめます。
天才同士の壮絶な頭脳戦を描く、作者さんの頭脳に驚きます。
また、正義とは何か、悪とは何かについて考えさせられる作品でもあります。
続きが気になって気になって仕方がないので、まとめ買いをして一気に読んでみたくなる漫画です。
7.のだめカンタービレ
ピアノ科に在籍しながらも指揮者を目指している、エリート音大学生の「千秋真一」は、才能がありながらも、過去のトラウマによって、飛行機と船に乗ることに極度の恐怖を感じているため、クラシック音楽の本場であるヨーロッパに行くことが出来ず、将来に行き詰まって悩む日々を送っていました。
ある日、才能があるにもかかわらず、コンクールなどに全く関心がない「野田恵(のだめ)」と出会い、千秋は彼女の才能に興味を持ち、のだめは千秋に好意を寄せて互いに関わりあうようになります。
登場人物たちの、音楽や夢へのわくわくした思いをが伝わってきて、読んでいるこちらも同じような気持ちになる漫画です。
あまり人と関わろうとしなかった千秋が、のだめとの出会いをきっかけに周囲の人間と関わりはじめ、成長していくさまや、普通の大学生にはわからない、音大生たちの青春も見どころです。
クラシック音楽が好きな人は、作品の中に出てくる曲名を知っていたりして、より楽しめそうです。
もちろん曲を知らなくても、とても楽しめる漫画なのですが、作中の曲が気になるという方は、「のだめカンタービレ」ドラマ放送時のCDも販売されていますよ。
明るい気分になりたい人や、夢を追っている人にもおすすめです。
8.いちご100%
河下水希さんの漫画です。
主人公である中学3年生の「真中淳平」が、ある日放課後の学校の屋上で、偶然から美少女の「いちごパンツ」を目撃し、その少女が誰であるかを探しはじめるところから始まります。
そして、人違いから学年のアイドル「西野つかさ」へダメもとの告白をしたら付き合うことになり、さらに本当のいちごパンツ少女だった「東上綾」と夢を語り合う仲になり、といったようなお話で、一言で言うと、明るい気分でさらっと読める学園青春ラブコメです。
話が進むごとにヒロインの数も増えていき、平凡な主人公がモテモテ状態になります。
はっきりしない主人公に対して、それぞれのヒロインが恋に悩むさまは、多くの人が共感できるのではないでしょうか。
この作者さんは絵の美しさ、繊細さが特徴的で、女の子がとても可愛く描かれています。
また、独特のあっけらかんとした明るい雰囲気があるので、この漫画を気に入った方には他の作品もおすすめです。
少女漫画風の絵だということや、女性である作者さんの目線で魅力的な女の子を描かれてことから、可愛い女の子が好きな女性の方や、あまり考えず、明るい気分で読める漫画で気分転換をしたい人にもおすすめです。
9.地球へ…
竹宮惠子さんの漫画です。
ジャンルとしては、SFになります。
スーパーコンピュータによる完全な管理のもと、子供を教育する専用の惑星と、社会を営む大人の惑星とに分かれて暮らしている、現代から遠く離れた未来が、物語の舞台となります。
主人公の少年「ジョミー・マーキス・シン」は、「目覚めの日」と呼ばれる14歳の誕生日の数日前から不思議な夢を見ており、
その日に行われる、「成人検査」に落ちたところ、夢に出て来た青い髪の若者に命を助けらるところから始まります。
とても有名な少女漫画ですよね。
ストーリーに緊張感があって、とても続きが気になる漫画です。
迫害される人間と迫害する人間など、マイノリティーについてもテーマになっており、「マイノリティーの中でのマイノリティー」も出てくるので、そういったことも考えさせられます。
ただの子供であった、主人公の成長していくさまも見どころです。
絵もまさに昔の少女漫画といった感じで、好きな人はとても好きだと思います。
SFの、壮大な独特の世界に浸れることも魅力的な作品です。
10.苺ましまろ
ばらスィーさんの描く、ギャグ漫画です。
11歳から16歳までの女の子5人が主な登場人物であり、一話完結のお話となっています。
女の子たちの日常を描いた作品であり、ローティーンの女の子の仕草、ファッションなどが詳細に描かれていることが特徴の一つとして挙げられます。
この可愛らしい絵からは想像もつかないような、ハイクオリティーでシュールなギャグ漫画です。
こういった絵柄の日常ギャグ系で、ここまでシュールな笑える作品は、あまり知らないです。
笑いたい方におすすめです。
11.聲の形(こえのかたち)
大今良時さんによる、漫画作品です。
作者さんが、「人と人が互いに気持ちを伝える事の難しさ」についての答えを見つけ出せなかったため、「読者に意見を聞いてみたい」という気持ちで描いたという漫画です。
聴覚の障害によっていじめを受けるようになった少女「硝子」と、いじめの中心人物とであった「将也」のお話です。
一緒になっていじめていた周囲の人間に全ての責任を押し付けられ、壊した硝子の補聴器の、大人でも尻込みするような金額を、母子家庭であるにもかかわらず、自身の母親に払わせることとなるなど、将也の人生はどんどん転落していきます。
そして、賠償金を母親に返し、硝子に謝罪して死ぬことを考えますが、硝子との再会をきっかけに、将也の人生は姿を変えていきます。
孤独や絶望、純愛などが描かれており、いじめのシーンはかなり壮絶なので、気分を害する方もいるようです。
しかし物語の中心としては、「いじめのその後」なので、興味を持った方は読んでみてはいかがでしょうか。
聴覚障害を持つ方の苦しみが、どんなものであるのかも少しわかりますし、本当に考えさせられる作品です。
まとめ
おすすめの漫画11選をご紹介して来ましたが、いかがでしたか?
気になった作品がありましたら、ぜひ読んでみてくださいね。