tarako_ishi

tara/たら · @tarako_ishi

29th Feb 2016 from TwitLonger

帰宅~からTSLのウィルソンインタ(ヨナについて)の続き、聞いてみました。ヨナへの深い愛情と失望を吐露するウィルソンがけなげです…

ブライアンとヨナとの別離の時には、僕がヨナ母とブライアン双方と連絡をとって、何とか話をしてもらおうとしたが、両者とも相容れなかった。
別離後、ヨナ側は自分にコーチになってもらえないかと言ってきた。僕はコーチとしての実績はないが、常にブライアンとヨナの間に立って両者をつなぎ、いろんな問題を解決する役割だった。ヨナ母は一時期ローリー・ニコルがパトリックのキスクラに座っていたような、半分コーチのような役割を担ってくれないかと言ってきた。でも、僕は選手(子供)がコーチ(親)には言えない秘密や悩み事を相談できるクールな叔父のようなポジションが気に入っていたし、ヨナにとってもそれを失うのは得策ではない、だから君のコーチにはなりたくない、そう答えた。
そこでヨナはLAに行き、ピーター・オピガートをコーチに迎えた。ピーターは僕にとてもよくしてくれたし、ヨナをトロントに呼んで振付することもあった。ブライアンは当時すごく傷ついたのに、その後僕がヨナに振付した作品をずっと褒めてくれて、僕に肩身の狭い思いを決してさせなかった。ブライアンは本当にすばらしい人なんだ。
ヨナのショーを単独で振付するようになって以降は、LAで公演したりとても充実していたが、ヨナに会う回数も減ってしまったし、クリケット時代が恋しかったのは確かだ。クリケットはひとつの村みたいにみんなで子供たちを育てるんだ。あれは本当に特別な年月だった。
ヨナが韓国に帰ると、表現者として開花しかけていたものが文化の違いのせいでしぼんでしまったように感じた。レミゼを振付後、数か月ぶりに練習を見たらノーミスだし美しいし素晴らしいのだが、「顔」を失っていた。彼女は韓国人の顔をしていた。韓国人の顔は感情を表さないのだ。クリケで彼女から引き出した自由さが消えていた。ロンドンワールドで優勝はしたが、ヨナから魔法のきらめきが消えたという声をいくつも聞いた。
ヨナのことは愛しているし、とても感謝しているが、結果的には残念な思いが強い。このことは彼女にも話したよ。僕にとってヨナはカートブラウンニング的な才能だった。いろんなショーでいろんなプログラムを滑ったり歌ったり映画も作ったり…フィギュア界の魅力を全世界に広げることができる人だった。だが韓国に帰ったことでそれは消えた。まだ20代半ばなのにスケートをやめてしまった。僕の力が足りなかったのかもとも思う。
彼女が競技に戻ってきたのも周囲からそうさせられたのだと思う。アジア文化においては個人は後回し、他者のために何かをすることを重んじる文化だ。ロンドンワールドでは彼女自身の主体的な気持ちもあったかもしれないけれど、ソチでは…わからない、僕は遠くにいすぎた。
ソチの結果をどうこう言うのは難しい。ヨナは演技は見事だったがジャンプ的には彼女のベストではなかった。2つ目のトリプルルッツは明らかに回転不足だ。ジャッジには取られなかったけれど。ソトニコワは超パワフルな一世一代のすばらしい演技をしたが、ユーロに比べてPCSが跳ね上がったのは確かだった。僕は結果よりも演技の出来が大事な人間だから、深追いしないようにしてるけど。
ただ、もしヨナが二つ目の金メダルを取ったとしても…プロとしてろくなキャリアも積まずに25歳で辞めてしまうなら同じことだよ! カートはまだ滑っているというのに! 彼女は単発のショーを数回やっただけだった。昔のスケートのツアーというのは、リハーサルが長くつらく苦しかったけれど、馬鹿なことでふざけ合ったりしながら、一生の財産になるものだった。ヨナには若い子たちのためにそんな最高の時間を作ってほしかった。

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