トピック「クラウドソーシング」について
こんにちは、パンツです
IR資料とかは色んな人のブログやら何やらで展開されまくってるのでもう貼らないのでよろしくな!(手抜き)
なんだか盛り上がりを見せている、というか色んな人が好き勝手言って喧嘩を売りあってるクラウドソーシング論争ですが、俺も過去にクラウドワークスとかでちょくちょくWEB内職してたので、そのへんの経験踏まえて個人的な意見を
クラウドワークスの発表に対する反発
- ワーカー数が80万人!1年間で約3倍に!
- 20万円以上稼ぐワーカーが2倍に!
っていう感じのことを言いたい、というか発表してるみたいなんですが、これに対して
「20万円以上稼いでるワーカーなんか111人しかおらんやんけボケが!」
という憤りを持った人達による攻撃が開始された模様
まぁ、俺は大して調査もしてないので断定はできないんですけど、あ、でも「なら記事書くなよ!」みたいな意見は黙殺しますね、で、これが事実だとすれば「20万ワーカーが2倍になった」っていうのは嘘ではなかったとしても、もっと多くの20万ワーカーがいるかのような印象操作と言われても仕方ないような気もすんね
肯定的意見
否定派・反発派が攻撃しているだけなら「論争」にはならないわけで、一部の肯定派からの擁護意見も出ています
まぁ、擁護意見が出るってのは極めて自然な話なので(キチガイ性犯罪者みたいな明らかな絶対悪に対してすら擁護意見は出るものだし)特になんとも思わないんですけど、まぁーーね
あのー、上記事読んでもらったら大体のマトモな人は気付くと思うんだけど、まぁ釣り臭いよな・・・? いや、真面目に書いてたらごめんな! 斜に構えてしもうてごめんな!
俺個人的にはキンコン西野も巷で言われるほど嫌いじゃない(好きではないけど)ので、そのへんは割とフラットに見れるつもりではあるけど、いかんせん「正論」とするにはちょっとこれベクトル違わないですかね?
キングコング西野氏のクラウド批判に対する反論
西野氏は、クラウドワークスのネガ記事「そんなに稼げるわけがない」というような意見に対して
「それ自体をメインの仕事で捉えると20万稼げないとキツイだろうけど、スキマ時間に家で仕事が出来て5万円稼げたら上等やん。あと事情があって外に働きにいけない人からしたらめっちゃいい仕組みじゃない?」
というようなことを言っている模様(要約、間違ってたら指摘してね)
それを受けて、上記事の人は「正論だ! 視点を変えて考えるべきだ!」ってなってるみたいなんですけど、ちょっと待って、と
クラウドワークスの発表と西野氏意見の乖離感
もう一度思い出してください。クラウドワークス側の発表は
- ワーカー数が80万人!1年間で約3倍に!
- 20万円以上稼ぐワーカーが2倍に!
でしたよね?
あくまでこう明言されているわけではないのでアレなところはあるんだけど、ここから見えてくるのは「クラウドワークスで頑張れば毎月20万在宅で稼げるんやで!」「これから先はみんな在宅で稼ぐスタイルになっていくんやで!」という、メインの仕事としてのクラウドワーク・クラウドソーシングのアピールではないでしょうか? 違う? まぁ、俺にはそう見える、ってことで
で、西野氏の意見「主婦や事情のある人達の収入が0から5万になることに価値がある」っていうのは、まぁそれ自体は間違った意見じゃない、むしろ正論だとは思うんだけど、あのー「みんなが怒ってるのってそこじゃないよね?」っていう
「収入0の人が5万になるとハッピー!」、ってのは分かった上で、「クラウドワークスが言うように在宅ワークで生計を立てたい人」が、「言うとおりにクラウドワークやってても単価低すぎて20万なんか無理やんけ!」っていう怒りだと思うんだけど、それに対して「5万じゃ嫌だって言うんなら利用しなきゃいい」っていう意見は、本当に的を射ていると言えるかね
「本業にするには安い、でも本業にしたい」というジレンマで怒っている人に対して「副業で我慢しとき」は解決策の提示にはなってないよなぁ!?
まぁこの人は昔からこういう炎上芸的なものが持ち味でもある気がするので、「とにかく反論していくスタイル」ってのはある意味ぶれてなくていいと思うんだけど、そこに簡単に同調してしまうのはどうなんだろうね、って感じです。考えよう!? 舌ざわりのいい言葉だけじゃ駄目ね
そもそも5万円は稼げるのか
西野氏のベクトルの謎は置いておいて、「収入0から5万になればそれでいいやん!」に対してなんですけど
まぁ確かに、外に仕事に出られない子育て中のお母さんとか、何らかの障がいを抱えてる方にとって、WEBでのクラウドソーシングは渡りに船であるところは分かります
問題は「その船が泥舟ではないか」というところだよね
で、上記事書いた人やキンコン西野氏は、恐らくクラウドワークスやランサーズなどを利用したことが無い状態で「想像で」意見を述べている可能性が高いな、と
いや、実際はわかんないですけど!
ただ、少なくとも利用したことがあれば「主婦が片手間で5万円」なんていう意見は出てこないと思うんです
なぜそう思うのか、を続いて書いていきます
クラウドワークスの仕事単価
これは依頼元の企業や仕事内容によりピンキリなので、一概にはなんとも言えない部分ではあります、が、基本的には外でアルバイトするより時給換算して儲かるもの、なんてのは存在しません(まぁ実質拘束時間ってのも無いわけだし、そこは仕事のスタイル的に仕方ない部分があるのかもね)
一部、特殊なスキル(プログラムが書けたり、デザインが出来たり)を持っていて、なおかつ優良な依頼元と繋がれたら可能だとは思いますが、ここでいう「主婦でも5万」という思考にはそういったものは含まれていない、誰でも出来る仕事で5万、と解釈するのがナチュラルかなーと思います
で、そうなってくると、出来る仕事は
- ネットで特定語句を検索し、表示されたページを報告
- 名刺などの紙面データをデジタル化するデータ入力
- まとめサイトのようなほぼ引用のみでのキュレーション
- ●●した、●●に行ったときの感想記事などのライティング
あたりが妥当なところかな、と思うんですが、言わずもがなこういった「誰でも出来る仕事」は世の理上、当然単価も安くなります。そりゃそうだよね、誰でもできるんだもん
ちなみに、例に挙げたものの単価はこんな感じ
ネット検索結果報告
URL検索して検索順位報告×10で4円とかそんなん
紙面データ入力
名詞の一部(部署、とか電話番号、とか)の入力で1件0.01円ぐらい
キュレーション
漫画まとめで700円ていう内容だったけど、納品してからのチェック結果のフィードバックが来ず。詐欺かよ!?
ライティング
「婚活パーティに参加した感想の記事」とかで400字~1000字あたりの案件が多く、だいたい1字0.2円~0.3円(400字で100円とか)ぐらい
実際に計算してみると
とまぁ、恐ろしいまでの低単価とクズ依頼元なんです
まだピンと来ない人がいるかもなので、例えばそうですね
俺はこんな感じでブログを書いていて文章を書くことは(クオリティは別の話な!)得意、というか抵抗が無いので、ライティングの仕事を上記の見積りで請けたとしましょう
400字の記事だと、まぁいろいろ考えながら20分ぐらいで書けるとは思うので、1時間に3本は納品可能です。単価を0.3/字と仮定すると
400字記事×3×0.3円=360円
時給360円! 高めに見積もってこれです。そして、主婦の空き時間ですが、まぁ外へ働きに出られないという前提から、フルで8時間とかの余裕は無いものと想定されます。時間をかき集めて5時間とかあればいいほうじゃないですかね? 多い?
まぁ、5時間としましょう! で、計算すると
時給360円×5時間=1800円/日
で、これを1ヶ月続けると
1800円×30日=54000円
おお! 5万円稼げた!! やはり西野先生のお考えは正しかったんや・・・!(白目)
それが出来るのは一部の頑張り屋さん(不毛)だけ
いやいや、ちょっと待ちなはれや!
いまの計算だと無事5万円の壁を突破したように思えましたが、ここにはいくつかの不確定事項がふくまれていないのです
以下に書き出してみます
そもそも毎日休み無く5時間を仕事にあてた場合の計算
まぁ大方お気づきだと思いますが、毎日5時間もの「空き時間」が確保できる主婦ってどれくらい存在するんだろうね
子供の世話や家事全般をこなしつつ5時間、ってのは休憩する時間も使ってもかなり厳しいんじゃないでしょうか、しかも毎日。休日なんて作れません
仮にこれが出来たとして、無理をして時間を作っているとしたらそこからくるストレスは相当なものだろうし、この5万円は果たして幸せな5万円なのか
調べ物無しで20分で書ける記事なんてすぐに底をつく
稼動時間の問題をクリアしたとしても、今度は案件サイドのジャンルが問題になります
ブログみたいに自分の好き勝手書けるものではなく、あくまでも「依頼元の希望の記事」を書かないといけないので、そのうち自分の体験談なんてすぐに無くなります
まぁ想像で書くとなると書けなくも無い(依頼の趣旨がおかしくなるのは置いておいたとしても)ですけど、そうなると実体験外のものを書くわけなので、分からない部分を補完するための調査が必要になり、まず2~30分じゃ書けません。つまり、同じ時間作業したとしても時給換算が下がるわけです
これで5万円稼げます? 俺は無理です
ライティング案件が常にあるとは限らない
時間もある、莫大な体験談を持っていてネタには困らない、調査もものの5分で完璧に出来る、というような超人になってくると普通にライター契約でもしたほうが圧倒的に稼げると思うんですが、まぁ今回はそんな超人がクラウドワークをこよなく愛する人だったと仮定しましょう
しかし、そんな能力値MAXでバリバリ書いていく人にも落とし穴があります。それは、案件の枯渇です
まぁ、まったくのゼロになってしまうようなことは無いと思いますが、あくまでも「こんな記事書いて」という依頼がないことには受注も出来ません
3記事/時間で5時間書くと、毎日15記事ほど書くことになるので、依頼が5件しかない日とかってのも出てくると思うんだ
そうなると能力云々以前に手詰まりですよね
5万でも稼げればいいじゃない、という意見の本質
とまぁ、実際クラウドワークスで稼ごうと思ったら、20万は勿論5万ですら滅茶苦茶厳しいってことが多少なりとも伝わったと思います
で、そこで恐らくこう思う人がいると思うんす
「言いたいのは5万って数字じゃなくて、ゼロが+になることに意義があるってことじゃねーの?」と
そう、それはまさにその通りで、今回西野氏が「5万」という数字を挙げたのはきっと「利用経験が無い知識の無さ」からであり、意見の本質的には5万という数字に比重を置いているのではなく、あくまでも「すこしでもプラスになればいい」ということだと理解しています。違ったら? ただのバカだな!
ただ、どうでしょう? それを踏まえたとしても、果たして「月150時間以上を費やして5万円稼ぐ」ことが幸せなことなのでしょうか
隙間時間を何とかやりくりして働く主婦や、諸事情で外には出られないけれど高い能力を持ったワーカーたちが、劇的に安い単価で買い叩かれる現状に、「気に入らなければ使わなければいい」と言い放つのは、果たして正論と言えるのだろうか?
俺なりのまとめ
真面目な話は疲れるなぁ! まぁ、もうちょっとだけお付き合いください、もう終わるから、ね?
まぁ、批判的なことも書いたけど、俺もちょっとお小遣い稼ぎ程度には使ったこともあるし、外出が難しいワーカーさん達にとってはクラウドソーシングはとても便利な仕組みだと思うんです
ただ、現状それ以外に選択肢が無いというか難しいような人達の弱い立場に付け込んで安く買い叩いているのは健全とはいえないですよね?
まぁ、ろくでもないカスワーカーも実際居てるだろうし、全員に高い報酬を提示しなくてもいいと思うんだけど、「働き方の革命」とまで言うのであれば、その革命的な働き方で真っ当に頑張ってる人がきちんと評価されるようになれば変な批判を受けることもなくなるのにな、とは思います
まとめると、クラウドソーシングサイトには
単価を上げられるような仕組みを考えて、本業としてやっていける割合を増やす(最低賃金基準とまではいかなくてもさ)
or
副業・小遣い稼ぎ程度しか出来ないことを明言する
のどちらかのスタンスを取って欲しいなぁ! と思いました! まる!
(こういうこと書くと炎上したりすんの? そもそも大して読まれてないブログだから大丈夫?? コワイコワイ)
※何回も言うけど、俺は西野氏もリンク記事の人のことも「なんだこのバカは!?」とか思ってないからね! 色んな意見があるのが普通で、たまたま俺の思うところとちょっと違うかな、ってだけの話だ! そうだ保険だ! 悪いか! でもマジだから(震え声)
あと、あきばはら氏 (id:tsurare01) のこの記事がすげー面白かったので貼っておくね!
60万人消えるとなると相当な神隠しやで! こわE(呆れ)
ていうか明らかにこの記事影響されて書いたのバレバレだよなぁ!? ごめんなさい許してください俺の指が悪いんです!
ほ、ほなまたーー
▼これとかどんな感じで書かれているのか読んでみたいなぁー(未読)
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