■たんす預金 金庫に脚光!?
日銀のマイナス金利政策導入の影響が消費者の間にも広がっている。「たんす預金」のための家庭用金庫や、利回りのよい百貨店の積み立てなどに人気が集まる一方で、住宅ローンの金利も低下し、借り換えを検討する好機となりそうだ。(戸谷真美、中井なつみ)
「マイナス金利対策の影響でも注目されてます!」。島忠が運営するホームセンター、島忠ホームズ仙川店(東京都調布市)では、2月中旬から売り場にこんなポップを掲げた。同社全体では金庫の売上高が直近の1カ月で前年同期に比べ1・7倍、15~21日の1週間は、同2・5倍になった。
「銀行預金の金利も将来、マイナスになるのでは」という不安から、「たんす預金」用の金庫を求める人が増えているようだ。
ただ、学識者らで構成する金融法委員会(事務局・日銀)は「預金の利息を預金者が支払うことは契約上できない」とする見解を発表。ファイナンシャルプランナーの新美昌也さんは「たんす預金は盗難などのリスクもある。冷静な対応を」と呼びかける。
◆コツコツ積み立て
ただ、預金金利はマイナスにこそならないものの、三菱東京UFJ、みずほ、三井住友の大手3行などが早くも普通預金金利を過去最低水準の0・001%に引き下げた。
そうした中、百貨店の「友の会」の積み立てを始める人が急増。毎月3千~5万円を1年間積み立てると、13カ月分の商品券やポイントを受け取れるものが多く、年利換算で8%以上に相当する場合もある。高島屋では2月1~21日、新規入会件数が前年同期比66・5%増。三越伊勢丹も15日以降、1日当たりの新規申し込みが倍増した。
また、大手旅行代理店、JTBの旅行積み立て「たびたびバンク」も2月以降、インターネットを通じた申し込みが前年同期比で3・6倍に。一定額を積み立てて満期にサービス額分を含めた旅行券が受け取れるプランや、積立期間や額を自由に決められるプランなどもあり、年利換算で1・5~1・75%の利回りが見込める。
◆毎月1万円減額も
一方、住宅ローンを組んでいる人には恩恵がありそうだ。貸出金利も下落しているため、借り換えで返済額が減る可能性がある。
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供し、契約時の金利が最長35年間変わらない「フラット35」の2月の金利(返済期間21~35年、借入率9割以下)は、1・48~2・03%(金融機関により異なる)。同機構によると、5年前の2月の金利は2・55~3・5%。最低金利で比較すると、残高2千万円、返済期間が残り30年の場合、単純計算で返済総額が約380万円、毎月の返済額は約1万円減る。
新美さんは「借り換えには事務手数料などで数十万円かかるが、残高1千万円以上、残り期間10年以上の場合などは検討する価値はある」と話している。
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