森山誉恵「いつか親になるために」

児童虐待9万件、拡大する「愛情格差」
〜家庭に子どもたちの居場所がない!

安田祐輔×若新雄純×森山誉恵

2016年02月29日(月) 森山 誉恵
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当日の様子(左から、安田氏、若新氏、森山氏)

自分自身が親になり子どもを持つまで、今の学校が抱える課題や地域や自治体の子ども支援について知ることができる機会は決して多いとはいえません。一方、子どもたちにとって生きやすい社会のあり方を考える必要性は増しています。

こうした現状を踏まえ、3keysでは普段子どもたちと接していない人が、子どもたちの現状を知ることができるよう、3年前より連続講座 (Child Issue Seminar、以下CIS)を開催しています。

昨年12月に開催した第12回のCISでは、『白熱「子ども・若者」教室~最前線の3人に聞く、子ども若者事情と社会貢献~』と題し、NPO法人キズキ/株式会社キズキの代表・安田祐輔氏と「NEET株式会社」の発起人で研究者の若新雄純氏をゲストに迎えました。今回はそのイベントの一部内容をお届けします。

元不良・元不登校者だからできる若者支援

安田氏は、自身も恵まれない家庭環境で育ち、不良など経験した後、大学へ進学。現在は不登校・高校中退経験者を対象とした塾「キズキ共育塾」をはじめ、若者の再チャレンジ・自立支援を行っています。

安田氏は支援を行う理由として、社会的意義だけでなく、就労していない若者が増えると、社会が機能しなくなるという経済的な側面からみた若者支援の必要性を指摘しました。

2000年代に引きこもり・ニートが社会的に認知された際、彼らへの支援は就労支援がほとんどでした。しかし不登校からそうした状況に陥っているケースの場合、漢字が書けないなど、社会で必要とされる基礎学力が欠如していることが多く、就労支援以前に学習支援も行う必要があります。安田氏は、こうした現状を踏まえ彼らに対する支援を行っています。

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