音楽はミュージシャンによって日々、そしてこの瞬間にも作り続けられています。
そうなってくると中には既存の曲と似たようなメロディの曲も出てきます。メロディは12種類の音の組み合わせ、その中でも人の心に響くメロディとなると限られてくるため、似たようなメロディの曲が生まれるのもしかたのないことです。
この現状、ミュージシャンは延々と地雷原を歩かされていると言うに他なりません。 そんな中で、ミュージシャンが「パクリ曲」を作ってしまわないようにする自衛手段を紹介します。
「パクリ曲」を作ったらミュージシャン人生終了
メロディもコードも構成もなにもかもが同じ、いわゆる「パクリ曲」を自分のオリジナルだと言って発表すれば、それは盗作です。 盗作したミュージシャンは世間様から断罪され社会的に抹殺されます。 リスペクトのないパクリを平然とやるミュージシャンは抹殺されて当然です。
ですが、既存の曲と偶然似てしまったがために、世間様に「パクリ曲」だと判定されてしまったらどうなるでしょうか。 この場合、ミュージシャンに一切の非はなくとも、世間様は「パクリ曲」を作ったミュージシャンだと判定し、そのミュージシャンを断罪し抹殺するでしょう。
それはなぜか? 世間様は悪者に飢えているからです。断罪するべき悪者に飢えているからです。 彼らは正義の味方になりたいのです。 正義の名の元、他者に殺意の刃を向けたいのです。
近年ではインターネットの発達により、情報は一気に拡散されます。悪い情報ほどその拡散速度は早くなります。 そのために「パクリ曲」を作ってしまったら、「パクリ曲」を作ったミュージシャンという汚名を一生背負うことになるでしょう。
「パクリ曲」を作らないための自衛策
うっかり「パクリ曲」を作らないためには、既存の曲を調べて作ろうとしている曲と似ていないかを検証する必要があります。
でもこんなことをいちいちやっていたら、音楽なんてやっていられません。 それに、ミュージシャンといえど人間ですから、古今東西のありとあらゆる音楽を知っているなんてありえません。
だったら音楽に関してもGoogleでキーワードを打ち込んで検索するように、既存の音楽を調べられるようにすればいいのです。
ヤマハ 弾いちゃお検索
ヤマハの「弾いちゃお検索」はフレーズを鍵盤で弾くだけで、メロディが似ている曲を検索してくれます。
例えばジャズピアニストのビル・エヴァンス作曲のワルツフォーデビー。 メロディの頭を弾くだけで、このように検索できます。
最近流行のゲスの極みな音楽もこの通り。 4音から検索開始しますが、たくさん弾けば弾くだけ正確に検出されます。
アイカツ!のOP曲、KIRA☆POWERも検索できます。 ちゃんとアニソンなんかもカバーしているみたいですが、その数はそんなに多くないようなので、うまく検出されないかもしれません。
ヤマハが保有する膨大な楽譜のデータベースから検索しているからか、このアプリでの検索はなかなか的確です。 メジャーシーンを彩っている音楽だったらほとんど検索に引っかかりますね。
私も今作ろうとしていた曲をためしに検索してみたところ、いきものがかりのYELLが似ている曲だと判定されました。 実際に聞いてみるとものすごく近似しており、おったまげましたよ。
SoundHound
SoundHoundはマイクに向かって鼻歌を歌うだけで似ている曲を検索してくれます。
ジャズのスタンダードナンバーでお馴染みの枯葉を歌ってみた結果です。ちゃんとAutumn Leavesが検索できてます。 そして検索結果に入り込んで切るハムタロサンには草不可避。
ワンリパブリックのCounting Starsもフレーズを口ずさめばこのように検索できます。 SoundHoundは日本の曲よりも洋楽のほうが検索しやすい印象がありますね。
もちろん、日本の曲だって検索できますよ。 ティーンエイジャーを中心に人気を獲得した、SEKAI NO OWARIのDragon Nightの検索結果がこれです。
このSoundHoundですが、鼻歌のピッチが安定していないと誤判定されることが多く、うまく検索できません。 検索ヒット率を上げるにも、鼻歌の訓練が必要ですね。
完全回避は難しい
今回紹介した方法で「パクリ曲」を作ってしまうことをある程度防げるはずです。 ですが、これも完璧ではありません。なぜなら、今回紹介した検索アプリでは調べきれない音楽が世界中にたくさんあるからです。 メジャーシーンに現れない音楽や、一部の部族にのみ伝わるような音楽は出てきません。
また、既存の音楽に含まれているメロディをどうしても使いたいというシーンも有ります。 いいメロディを構成できる音の組み合わせなんて限られていますからね。
やはり、最終的な判断は自分自身の手で下すことです。 リズムを変えるなどで似ている部分を目立たなくしたり、音楽理論で理論武装したり、あるいはパクリと批判される覚悟を決めて腹をくくる必要がある時もあるでしょう。
ミュージシャンが盗むのは、ファンの心だけにしたいものです。