80年の朝、青年将校遺族ら追悼式 渋谷
「慰霊像護持の会」世話人ら約10人、慰霊像前で
陸軍青年将校らが決起し、政府重臣などを殺傷した「2・26事件」から80年の26日、東京・渋谷の慰霊像前で、将校の遺族らが追悼式を行った。
午前9時過ぎ、青年将校の遺族らが構成する「慰霊像護持の会」世話人の今泉章利さん(66)ら約10人が参列。花や線香を手向けた。
父の義道さん(1995年没)は事件当時少尉。上官に引き込まれて決起に加わり、禁錮4年の判決を受けた。今泉さんは父の遺志を継ぎ、学生の頃から、事件で亡くなった人たちの慰霊事業にかかわってきた。
慰霊像周辺は元陸軍刑務所で、クーデター失敗後、青年将校らが銃殺された場所。65年に同会が像を建立し、追悼式を行ってきた。将校だけでなく、殺された重臣や護衛の警察官らの冥福を祈っている。
今泉さんは「事件の犠牲者はもちろん、処刑された人のご遺族も長い間苦しんできました。そのことを多くの人に記憶してもらいたい」と話している。
事件は36年2月26日未明、青年将校らに率いられた約1500人が首相官邸などを襲撃、高橋是清蔵相らを殺害したが29日に鎮圧された。軍法会議の結果、将校ら19人が処刑された。【栗原俊雄】