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 中国内陸部の貴州省で、世界最大級の電波望遠鏡(口径500メートル)が稼働するのを前に、約1万人が立ち退きを迫られることになった。国営新華社通信が伝えた。望遠鏡は今年9月に完成予定で、地球外生命体の発見などで成果が期待されているという。

 新華社などによると、望遠鏡は貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州にある天然のくぼ地を利用してつくられる。事業費は約12億元(約207億円)。

 立ち退きは、周囲の約5キロ圏内に住む約2千世帯、9110人の住民が対象となる。基本的に1人当たり1万2千元(約21万円)を補償するほか、経済的に困っている少数民族への上乗せなどもあるという。

 中国ではこれまでも、長江流域の三峡ダムの建設に伴う大規模な立ち退きなどが実施されている。(上海=金順姫)