ひとは集団になると、無意識のうちに手を抜いてしまう。それは、ひとばかりではなく他の動物、ゴキブリにすら見られるという。その意味では、自然選択されてきた特質なんだろうので、一概に悪いこととばかりはいえないが、ともあれ人間の組織においてそれがなぜ起こるかというと、以下の3つが挙げられる。
- 努力の不要性(誰かがやってくれる)
- 道具性の不足・欠如(やったところで大勢に影響しない)
- 評価可能性(やったところでバレない・報われない)
身近な人々からなる集団に限らず、もっと大きな集団においてもそれは起こるし、組織の取り組む内容に限らず、たとえばスポーツのようなものでも起こる。そういう話がたくさんあれこれと書かれているのだが、その対策として述べられていることも、最終的には上記3つをできるだけ担保することといえそうだ。
人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)
- 作者: 釘原直樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2014/02/14
- メディア: Kindle版
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- はじめに
- 第1章 社会的手抜きと集団のパフォーマンス
- 第2章 社会的手抜きと個人や集団の特質
- 第3章 日常生活における社会的手抜き
- 第4章 国家と社会的手抜き
- 第5章 社会的手抜きとスポーツ
- 第6章 社会的手抜きの悪影響
- 第7章 社会的手抜きに反する現象
- 第8章 社会的手抜きに対する対策
釘原直樹『人はなぜ集団になると怠けるのか - 「社会的手抜き」の心理学』を読む。
— あんちぽちゃん (@kentaro) February 20, 2016