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 今年も「将棋界の一番長い日」が終わった。羽生善治名人(45)への挑戦権を争う第74期将棋名人戦・A級順位戦の最終9回戦。27日朝から28日未明に及ぶ戦いの末、佐藤天彦(あまひこ)八段(28)が初の名人挑戦者となり、トップリーグから陥落する2人が決まった。

 A級順位戦は約9カ月にわたり、10人が総当たりで戦う。優勝者は名人に挑戦し、下位2人が降級する。5局一斉対局の最終9回戦は、挑戦とA級残留をかけて長く熱い戦いになることが多く、「将棋界の一番長い日」と呼ばれる。今年は若き佐藤が挑戦権をつかむのか。「永世名人」の森内俊之九段(45)が降級するのか。そこに最大の注目が集まった。

 挑戦権争いは、首位の佐藤と2位の行方尚史八段(42)の一騎打ち。佐藤が直接対決に勝てば、16年ぶりに20代の挑戦者の名人戦登場となる。

 佐藤優勢の時間帯が長く続いたが、行方も猛追。二転三転の終盤戦の末、佐藤が挑戦権を勝ち取った。決着は5局で最も遅い28日午前0時59分。佐藤は「勝てたのは幸運だった」と繰り返し、「若手が勝てば将棋界が盛り上がると思う。頑張りたい」と語った。

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