『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』08話~13まとめ(ネタバレあり・アニメ感想)
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』14話~20話まとめ(ネタバレあり・アニメ感想)
○九話感想
宇宙ヤクザの本拠地に乗り込んだ鉄華団一行。圏外圏で一番恐ろしい漢マクマード・バリストンは、彼らにカンノーリを気前よく振る舞った。クリームたっぷりのな!!
BGMは海外のマフィア映画でも意識しているのかもしれませんが、随所に見られるインチキ臭い和の要素との相性は最悪です。でも、面白い。でも、オルフェンズに求めてた面白さじゃない。
相変わらずのアキヒロ。これまでは、たまに面白い事をしても、何だかんだで硬派な男だと思ってました。でも、そうじゃなかったんですね、アキヒロさん。
疲れた女性
「夜のナゼが手ぬるく感じちゃう」
↓
アキヒロ(半裸で手を伸ばしながら)
「もう一戦頼む!!」
↓
疲れた女性女性
「勘弁して…」
制作陣は、アキヒロをどうしたいのかな?
「男の度量ってのはね、愛の量で決まるんだよ。男の中にはね。持ってる愛がやたら多い奴がいる。その愛は例え多くの女に分配されても、普通の男の愛なんかよりずっとデカくて、心も体も芯の芯から満足できるのさ」
ホントカナァ~? ホントカナァ~?
おばさん、子供に変なこと教えちゃダメだよ。挙げ句の果てに、男選びを間違えなきゃと、何だか引っかかる台詞を吐きます。ハーレム築く男はいいのかよ。
アイン君の独白は、殆ど逆恨みにも聞こえる。自分達が殺した子供の存在が、すっぽりと抜け落ちているように見えるんですよね。そういった葛藤があれば、印象も変わってくるんでしょうけど。独善的っていうか、何だか思いこみが激しい人で怖いです。「そーじゃねーだろー」と、思わず言いたくなります。
現在、エイハブ・リアクターを製造出来るのは、ギャラルホルンだけですか。文明の衰退があったのか、それとも規制されてるのか。バルバトスが数百年前のものとか、結構ぶっとんだ設定ですよね。宇宙ヤクザ程じゃないけど。
「何から何まで恩に着ます、えっと(頬を紅潮)、その(照れ)、あ、あにき…(羞恥心)」
ガンダムオルフェンズは、僕が知らない間にギャグアニメになっていたようです。まさかオルガまで、アキヒロ化してしまうとは。せめて、三日月だけはシリアスの担い手を止めないで欲しい。
家族サービスの仕方を訊いたりと、オルガの不器用にリーダーシップを執ろうとするところは好感が持てます。
マクマード・バリストンには、今後出番が用意されてるのかな。何か、気のいいオッサンといった感じで退場しましたね。クーデリアの「資源の独占をやめろ~、規制解除だ~」という主張に、「利権をめぐって戦争が起きるよ~」とバリストン。
自分達がクーデリアのお墨付きの業者となれるように、ちゃっかり話を持っていくところはヤクザっぽいですね。
クーデリアは、自分の行動が争いの引き金になることを、これまで全く想像して無かったのかな。「どうして…。私はただ…」という発言を聞く限り、本当に何にも考えていなかったようです。活動家らしいけど、ブレーンは存在しなかったのか。
二人が喋っている間、三日月をよく見てみると、会話の要所要所でピクピク反応しています。内容を完全に把握しているかどうかは怪しいですが、かなり気に掛けているみたいです。
「これからも人は死ぬ。俺が最初に人を殺した時と同じ、クーデリアのこれからの全部を決めるような決断。だから、クーデリアが決めなくてはいけない」
三日月は、仲間の死が前提条件だと思っているようです。「最初に人を殺した時」とは、多分何度も出てきた回想のシーンでしょう。彼は親分に気に入られ、バルバトスは改修されます。
子供達にお菓子を配るオルガはカワイイですね。子煩悩な若い父親みたいになってるw
「ほぉ~ら、みあげだぞぉ」
ヤクザハウスの前でビビったり、親分に怯えたりするユージン君はムッツリ。自分も誘ってくれオーラを出しながら「おおお、俺は、女なんて…」。
続けて、心優しい年増から貰ったハンカチを嗅いで、「女くせぇ」と喜ぶオルガ。鉄華団はもうダメだな。
挙げ句の果てには、息抜きをさせてやろうというオルガの心遣いを拡大解釈して、ムニャムニャしにいく二人。
アキヒロだけが、ぶすぶすぶすぶす~していたので、余裕の表情でしたね。あの時に発散していたのでしょう。
オルガは、やけにハッキリとした寝言を言ってましたが、今更いい雰囲気を出しても遅いです。CMに入る前にアキヒロも格好つけていましたが、今更としかいいようがありません。今回はギャグ要素大杉です。
正直、口元がニヤけてしまい、いきなりシリアスっぽい事されてもフーンとしか思えないです。数分前に、風俗へ繰り出す二人を見たからね。スタッフは、ガンダムをどうしたいのかw
そしてまた、フミタンの意味深シーン。
「風邪引くよ。ったく」と言っている三日月は、年齢相応の態度で微笑ましい。頼って欲しいというビスケットとの発言が、オルガにきちんと届けばいいですけど。
小さな子供のためにとっておいたお菓子、という良いシーンの最後を、吐いて台無しにするオルガ。
そして、謎のヤクザパーティが始まりを告げます。ツヤツヤのテカテカさんから顔を背けるヤマギ。思春期特有の潔癖なところがあるのかな?
アキヒロが格好付けていましたが、その格好で言わないで欲しかったです。というか、大人になってしまったユージンのネクタイといい、今回はっちゃけ過ぎじゃないかなw
ナゼさんの習字も、シュール過ぎるよ。ただ、この時のナゼさんの三日月に対する話し方は、何だか優しい感じでしたね。兄貴というより親父っぽい。
もう笑い尽くしたと思っていたんですが、明らかに似合っていない格好でオルガが済ましているのを見ると、また一笑い。「我」という文字に関して言いたいことは分かるのですが、出来れば普通の格好をしている時に言って欲しかったです。
杯をかわすシーンで止め。ナゼさんの奥さん達も何やってんだか。誰か止めないのか。カンノーリの親父もニヤリ笑うのを止めてくれ。皆、日本文化を勘違いした外国人みたいになってる。宇宙ヤクザ、狂ってるだろ。
「…かっこよかったよ。オルガ…」
「…あぁ、似合ねぇ気苦労かけたな」
「…よし、面倒な段取りは全部おわた…」
「…いくぞ」
台詞を文字にしてみると、音声で聞くのとは違った捉え方が出来ます。もしかしたら彼らは、自分達が変な格好をしていた事に気がついていたのか?
普段は情感に訴えるMISIAのEDさえも、今回だけは妙な笑いを誘います。そう思っていたら、次回予告はアキヒロ。「明日からの、てがみぃ!!」というイントネンーションと喘ぎ声にも、守ると言いかけて全く別の事を言い始める事にも、つっこむ気力が残っていません。脳筋。
宇宙ヤクザ回はホント笑わせてくれます。
○10話感想
先週とは打って変わって、10話はシリアス成分多め。
三日月と雪之上さんが、イサリビを見送るシーンから始まります。二人が並んだ後ろ姿と会話は、親子みたい。「うん」や「うーす」という返事には、年齢相応の幼さがあります。
火星からのメールが届いたと喜ぶ鉄華団の面々。
テイワスが睨みを利かせてるのか、火星残留組も元気そう。経理のオジサン辞めないんですね。不況だから再就職出来ないのかな。彼の疲れた顔から悲哀を感じます。
肉親のいない仲間への配慮が出来るビスケットは、本当に優しい。この作品には珍しいタイプのキャラクターです。
最近風俗デビューしたユージン君は、鬱陶しさを振りまいております。 可愛そうに、空気が読めないのでしょう。「あー、こんな奴いるわー」と、思わず言いたくなりますね。童貞を捨てた直後の男子のウザさを、見事に表現していました。この人、先週までは風俗に行くのを(強がって)怖がってたんですけどね。これには、横に居た茶髪のナントカさんも苦笑。
先週までのユージンの様に、オルガも女の話をされて恥しがります。まさか、君も来週当たりに童貞捨てて、ユージン化しないよな…。
妹から届いた動画を、どこか申し訳なさそうに見るタカキ。彼やビスケットが悪いことしてる訳じゃないんですけど、気を使っちゃいますよね。
というか、タカキや妹の髪型や色は一体何なんだ。オルガやクーデリアの髪型が異常過ぎて見逃しがちですが、タカキの髪も結構キテます。ああいうのが、あの世界の流行なんでしょうか? 未来のセンス怖いですね。
少年達の生い立ちを知ると、クーデリアの家庭問題は大した事じゃない…と一瞬考えちゃいました。まぁ、父親に命を売られているので、大した事なんですが。
そして今週のフミタン。彼女の意味深な描写は、正直言ってクドいくらいです。辛そうな表情をしてますから、何らかの理由はあるんでしょう。しかし、これ以上くどくど同じ様な事を繰り返して、それがどうでもいい様な理由だった場合は、ちょっと叩かれそうですね。まぁ、無難に裏切ってくれるか、裏切ろうと思っていたけど情が邪魔をして…となるんじゃないかな。引っ張れば引っ張るほど、ハードルを上げていると思います。
そして、何故かハーレム計画を立て出すイカちゃん。先週姉さんに、男選びを云々と呟かれていましたが、この子本人にも色々と問題がありそうです。ただ、彼女も大変な思いをしてきたようで。
三日月は、幼い頃のイカちゃんを助けたりしてますし、何だかんだで情けがありますね。放送開始直後の無感情な印象が、どんどん薄くなってる。だけど、戦闘になると激情を抑え切れなくなるから、そのアンバランスさが不安です。
メルビット相手に鼻を伸ばすユージン。コイツ、酷い性病に罹らねぇかな。そう思ってたら、彼女に相手にされなくて、とても嬉しかったです。近くにいたガキんちょ二人も、いい味だしてた。
童貞ことオルガは、女と目を合わせることが出来ない。
「オ~ル~ガ~はぁ~w、おぉwんなぁ~とぉw、目ぇw~を~合ぁw~わ~せられな~い~www」
こんな風に、ガキ共が裏で笑っている筈です。
でもね、笑ってはいけないんですよ。彼らは、女性と接する機会なんて、殆ど無かったでしょうし。それでもリーダーとして強がってしまう。メルビットさんへの対応もツンケンしてて笑えます。笑っちゃいけないんですけどねw
アキヒロに話しかけるぶすぶすさん。「今日のアンタ、いつもと、ちょっと違ってたよ」と言った彼女も、ちょっと違ってたよ。いつもより喋り方が可愛い感じでしたね。ぶすぶすさんは、ネタキャラみたいな言動を止めれば、もっと人気が出たんじゃないかな。いや、いつもはネタキャラだから、ギャップで可愛いと感じた部分もあるのかもしれない。
そんな彼女に、「自分から命投げ出すみたいな、無茶な戦い方しなくなった」と言われるアキヒロ。彼は、人買いに売られた過去を、タカキに淡々と話します。弟のマサヒロは、依然行方知れず。「自分のことで精一杯だったが、最近弟のことを思い出した」との発言は、リアルっぽいですね。それだけ心に余裕が出来た、という事でしょう。
タカキがアキヒロに付いてくると言った時、思わず「あっ」と口に出してしまいました。そして、敵の襲撃。タカキの張り切りは、明らかにフラグっぽく見えましたから。
三対一の苦戦、しかもタカキというお荷物付き。そして、殆ど抵抗出来ずに追いつめられる二人。敵が近距離まで襲いかかり、もうダメと思わせた瞬間、ED曲を被せながらのバルバトス登場。ガキんちょ達でなくとも、「三日月さんカッケェエェエエ!!」と言いたくなるタイミングです。
バルバトスは、細部が変わってるのかな。武器は違う。アカツキ機もイケメンですが、バルバトスは別格ですね。
次回予告のチャドが、「えっ、俺知らない?」みたいに言ってましたが、結構存在感はあると思います。先週の変な格好の姿は、大変目立っていましたよ。
話の流れから考えて、今回襲いかかってきた一味の中に、アキヒロの弟マサヒロがいるっぽいですね。次回予告に出てきた赤いメッシュの少年かな。ヘンな髪…と言いたいところですが、もっとヘンな髪の人がいるので、大して注目されないでしょう。
しかし、タカキは何とか生き延びて欲しい。まだ、死亡フラグは消えてませんから。一旦助かったかのように見せかけて、次回で死亡という可能性も残ってます。
どうでもいいけど、雪之丞さんはどうやってイサリビに帰って来るんでしょうか。
↓で一話からの感想を続けて書いているんですが、どうも長いようなので十話だけの記事を上げました。下記の感想も同時に更新していきます。
○11話感想
三日月が助けにくる事は分かってましたが、雪之丞さんも輸送船みたいのに同乗してるとは驚きです。
OP後もシリアスな戦闘が続きますが、雪之丞さんと敵のオカマが目に映る瞬間はギャグアニメと化します。というのは嘘で、オカマはあまりシリアスな雰囲気を壊しませんでしたね。ガンダムシリーズには、ああいったイロモノキャラがたまに出てくるからでしょうか。オカマを出しながら緊張感のある戦闘シーンを作るとは、流石オルフェンズです。
敵が強い!! 飛び道具が役に立たない上に、近距離攻撃が通らないのは相当痛いです。ひょっとしたら、あの無骨な初期装備が復活するフラグかもしれない。オカマ機もごっつい武器使ってたし。
それと、バルバトスに似た固有周波数の敵は、もしかして七十二体の内の一体なのかな。あのガンダムっぽくない装甲の中に、バルバトスみたいな機体が入ってたりしてw
また、戦闘において、敵味方の戦力差があまり無い気がします。鉄華団、タービンズ、ブルワーズ、ギャラルホルンの中に、著しく強い、もしくは弱いといった印象の勢力はありません。まぁ、鉄華団の前に現れた小規模な戦力分だけの話ですけどね。
変なメッシュを入れた少年はアキヒロの弟ではなく、極太眉毛君が弟のマサヒロでした。毛の遺伝子濃いね。
敵味方に分かれて、出会ってしまった兄弟。やるせ無い再会ですが、マサヒロ達が生き残れるかどうかで今後の展開を占えそうです。宇宙ヤクザが出てきてから、この作品はギャグ成分多めでした。登場人物をポンポン殺すようなアニメになるなら、もうそろそろ軌道修正するんじゃないかと思うんです。今11話で、1クール目の終わりも近いですし。
まぁ、タカキも生き残りましたから、陰々滅々とした終わり方にしない可能性もありますが。
赤いメッシュの少年は、鉄華団に対して強い敵意を持ってるけど、どう影響を及ぼしていくのか。マサヒロが鉄華団に行こうとしても、ブルワーズの他の少年が許さないかもしれません。最悪の場合、それが原因で仲間割れになり、敵の少年達は全員死亡という可能性もあります。
彼らは、ちょっと前の三日月達と同じ立場。オカマに殴られていたマサヒロの姿は、いつかのオルガと重なりますし。
鉄華団の少年達は、相手が大人に使われてるだけという事はよく分かっていて、助ける事も厭わないでしょう。しかし、鉄華団のメンバーが一人でも殺されれば、仲間に迎え入れる事が難しくなります。そうなれば、三日月が暴走しそうで怖い。
ガンダムシリーズに有りがちな時代錯誤の貴族主義が顔を見せました。「あぁ、今ガンダム見てるんだなぁ」という気分になって、ちょっと嬉しくなります。七家紋・セブンスターズ…イイね!!
今日のアイン君は、ちょっと格好良かったです。復讐に拘り過ぎて、視野が狭くなっているのは考えものですが。
ブルワーズの少年といいアインといい、殺し合いをやっていく以上、報復する敵が現れるのは避けられません。
イズナリオ「ガエリオも護衛任務ご苦労であったな」
ガエリオ 「私は護衛の立場でありながら、助けられた身です。どうぞ笑ってやってください」
イズナリオ「ハッハッハッ(失笑)」
まさかガエリオも、本当に笑われるとは思わなかったでしょうね。フォローされると思っていたんでしょう。オカマといい、今週もギャグ成分多めだ。
マッキー。これはロリコンの名前です。
どうでもいいような事でBPOにクレームが入る昨今、「九歳女児を婚約者にするとは何事だ」と批判されないか心配です。
マッキー結構ガチでロリコンっぽかったですね。熱いポットを触って驚くアルミリアを、変質者のようにニヤリと笑って見ていました。というのは冗談ですが、今一本心を出さないキャラです。宇宙ネズミという差別的な言い方も、ガエリオに合わせているだけなのか、本心なのか。いつかクーデリアと接触して、彼女に感化されるという展開もありそうです。そうすれば、ロリコンを卒業できます。
マッキーは、クーデリアを駒にする話ちょっとだけした後、九歳児を見てニヤニヤ笑いながら、お茶会を楽しみ始めました。
しかし、ブルワーズの襲来はチョビヒゲが原因か。ムカツク優秀さだ。「殺しておけば良かったね、オルガ」と、三日月さんなら言いそうです。
アキヒロは、あっさり弟の事を打ち明けます。感情的になって思わず言ってしまったという感じ。鉄華団の面々は、事も無げに助けようと言ってくれます。本当にそうなれば言うことないんですが。
そんな心温まる流れを、申し訳なさそうに断ち切るタカキ君。そのまま、イイ話ダナァ~といった感じで終わらせましたが、次回予告のオカマが全てを台無しにしました。
○12話感想
テイワズの内部に裏切り者がいて、そいつがサイセイで情報を流した可能性が高い。こうなってくると、メルビットかフミタンに嫌疑が掛かりそうですね。
エイハブ・リアクターが重力を発生させている事を、クーデリアは知りませんでした。僕も知らなかったので、助かりましたよ。まぁ、ユージンの反応を見ていると、それを知らないのは相当不自然な事みたいですが。クーデリアは、視聴者に分かりやすい説明をするために、犠牲(無知)になったのです。
三日月とラフタ(ぶすぶす)をせっ候にして、他の戦力で奇襲を掛ける事に。作戦を練って戦闘に臨む描写は、何だがワクワクします。高度な戦術という訳ではないんですけど、少しでも工夫があるのと無いのとでは、面白さに大きな違いが出ますから。
出撃前の三日月とアキヒロの気まずい会話。修羅場を潜っているだろうから、安請け合いなど出来ない事をお互いに分かっているのでしょう。「その、悪いけど…」という言い方も、三日月にしては珍しく曖昧な言い方です。
アキヒロは、この後も耐えるように出撃を待ちました。何を考えているのかを想像すると、胸が痛くなります。
お弁当を三日月に渡すクーデリアとアトラ。彼女たちも不穏な空気を感じ取ったようで、いつもよりも心配そうでしたね。雪之丞さんだけが何時も通りでした。この時のナイス・ミドルスマイルは、渋かったです。
初登場の時、ラスタは戦闘狂みたいだと感じました。けど、その印象がだいぶ変わりましたよ。恥女ですが、普通に良い女になってます。元からかな?
任務の途中でも勉強する三日月さん。このマイペースさには、ぶすぶすさんも呆れ声。
先週、雪之丞さんが乗ってきた船は、ブースターだったんですね。あのブースターを見ると、まだ雪之丞さんが乗っているんじゃないかと思えてきます。
ブルワーズのボスとオカマは、ファンタジー作品から抜け出してきたのかな。この番組にいちゃいけない姿形をしているんですが。しかし、戦艦を脅かす程の火力とは、オカマ機の性能はかなり高い。やっぱりガンダムフレームは、別格みたいですね。
奇襲からの突艦。ハンマーヘッドが魅せました。イサリビも張り付いて、ノルバ達が敵の艦内に侵入。ノルバは、自分が何者かを視聴者に教えるため、わざとゴーグルを外すというリスクに耐えて、白兵戦で大活躍しました。
三日月は、タカヒロ以外に容赦がない。仕方ないのですが、少年達の境遇を見せられた後だと残酷に思えます。バルバトスの凶悪な武装は好きですけど、この展開では素直に喜べませんね。仲間の仇を取ろうとしていた少年も、三日月にあっさりと殺されました。
アキヒロの出撃シーンは、本当に良かった。使い古されたシチュエーションや台詞ですが、それでも感情移入させるものがありました。
スペースデブリとして生きているタカヒロは、希望的な考えを完全に拒否しています。多分、出来るだけ何も考えないのが一番楽だと、これまでの生活から学んだんでしょう。
「何でいまさら」と言っていましたが、すぐには割り切れないのは当然です。アキヒロが鉄華団で変わったくらいの時間があれば、どうなるか分かりませんが。アキヒロは、事ある毎にスペースデブリだと言って、自分を卑下していました。今のタカヒロも似たような気持ちなんでしょうね。
彼と一緒にいる少年たちも、悪人には見えません。普通の子供といった感じです。
タカヒロは、スペースデブリである事に絶望し切っていた。アキヒロの説得が裏目に出たというより、境遇の違いかな。似たような仲間が出来て、似たような苦労をしたけど、最後の方の経験で差が大きく出た。視聴者が一話から見てきた部分、アキヒロが経験してきた部分がタカヒロには無かった。そのへんが、タカヒロの心理に強く影響した気がします。
「どうせ、すぐ分かるんだ。ヒューマンデブリがどうやって死んでいくか。すぐにね」
彼が何を言いたかったのかを考えると、複雑な気持ちになる。「俺も兄貴もヒューマンデブリだから、生きていても、どうせろくな目に合わない」という、言葉通りの意味だったのか。それとも、「ヒューマンデブリとして生きていく事に、自分はもう耐えられそうにもない。だけど兄貴には、自分みたいになって欲しくない」という意味だったのか。壊れたように笑っていた彼は、最後に子供の姿で安らかな顔になりました。後者の意味での発言だったらいいな。
自害することは、アキヒロへの当て付けになります。それが分かった上での安らかな笑顔でしょうね。感情のやり場が無くなっていたのかな。
偶発的な原因で死にましたが、例えシチュエーションが違っても、結局は自害したんじゃないかと思います。
なんにしろ、悲惨な結末だという事に変わりはありませんね。
まだ戦闘が続いているので、更に死者が出るのかもしれません。次回予告でも、ナゼさんが不安になるような台詞を口にしていましたし。
しかし、ギャグ回からの大きな揺り戻しがきましたね。
○13話感想
アバンから大量の死者が出ましたね。味方も敵もかなりの人数が死亡しました。
特にマサヒロは、即死した方が楽だったんじゃないかと思える状態。アラヤシキのおかげで身体的な苦痛は軽減されているようですが、朦朧と喋る状態は痛々しいですね。死に目にようやく素直になれたけれど、もう少し違った出会い方だったら…と思いました。
しかし、最後の会話が無ければ、アキヒロの心の傷はもっと深くなったのかもしれません。死ぬ間際でも、昔の弟の態度を見れたんですから。
オカマは、ブルワーズの少年達を事を散々罵って、胸クソ悪くしてくれます。でも、ブルワーズの少年達が奴隷同然に扱われた事を表現するには、こういう人物が必要になんでしょう。
仲間を自分の判断ミスで失ったシノも、相当の重荷を背負ってしまいました。死んだのは仲間、自分達が殺した相手は子供という鬱屈とした展開。
それに、シノの判断ミスは、現実の銃撃戦でもありえそうなシチュエーションでしたね。その手の知識が皆無なので、そう感じるというだけですが。
三日月に関しては、彼の抱え込んでいる心の闇が描写され始めました。子供を奴隷のように扱う下衆にすら、「人殺しを楽しんでる」と責め立てられます。装甲の隙間を縫って敵機に斬り込む戦闘も、本来なら興味をそそったんでしょうけど、三日月が自身の異常に気づく場面に食われてしまいました。
「ま、いいか。コイツは、死んでいい奴だから」
「死んでいい奴」というのは、今の認識です。オカマを殺した事は後悔しないかもしれませんが、決闘した軍人や他の人間を殺した事は後悔する様になるかもしれません。現在の認識が、一生変わらないとは限らないですし。
上記のセリフを聞くと、闇落ちや、仲間への認識が変わらないかと不安になります。三日月は、妙に割り切るのが早いですから、オルガあたりが死んだり、死にかけたりしたら暴走しそうです。特に、オルガやクーデリアの命と、他の仲間の命を天秤に掛けるような展開は最悪でしょう。他の仲間達のかわりに、ムコの市民を秤にかけたとしても鬱展開になります。
しかし、アバンだけでこれだけ語らせるとは、今回は本当に内容が濃い。
そしてOP明けも、アバンとは別の意味で暗い展開です。程度の低い客達がマクギリスに聞こえる声で、「妾の子」と言っている事から、彼の置かれている立場が分かります。強固な立場には違いないんでしょうけど。
この作品の感想で、ロリコンだのなんだのと言ってきましたが、彼もいろいろと複雑な境遇のようです。
マッキーに群がる女どもに、ショックを受けるロリータ・アルミリア。「婚約相手はオムツの取れた子供」と程度の低い客が言っていましたが、正論だと思います。マッキーやアルミリアに同情させるような脚本ですが(そうでもないかな?)、あんなに思い詰める九歳児も、そんな子供の婚約を認める社会も異常です。
もう、ロリコンとか言って茶化せるような雰囲気でも無くなってきましたね…。
「全てを忘れ、これから起こる運命さえも忘れ、踊り明かそう」
何らかの争いが起こり、そのきっかけとなるのがクーデリア。そして鉄華団の少年達は、彼女を介して争いに巻き込まれるのかな。争いというのが、戦争レベルの規模でなければいいのですが。
ED曲が流れ始めた直後、老人がコロニーでクーデリアは死んでもらう、みたいな事を言っていましたね。マクギリスがどういう形でか関係してきそうですね。
ただ、今回のマクギリスは、変質者として本気を出したようにも見えます。逃げ出すアルミリアを見て、ニヤリと笑っていましたからね。彼。
低い声、意味深に聞こえるけど中身がなくて、子供を喜ばせるような台詞。小学生を抱き抱え、嬉しくて溜まらないといった表情。
「あなたを笑う者がいたら、私が許さない。あなたは、ここにいる誰よりも素敵なレディだ」
下心の無い人間が、九歳の女児に向かってこんなクッサイ台詞を言えるでしょうか? 言えないと思うなぁ~ボクは。そう考えると「程度の低い客」は、アルミリアの将来を心配して憤る紳士淑女にも見えてきます。
好感度をどんどん上げていくガエリオ。時に差別的な発言をする彼ですが、人の目を気にするタイプでは無い様です。しっかし、ガエリオに多くの好感を抱かせても仕方ないでしょうに。それを本のちょっと、狂気の主人公三日月さんに分けて上げたらいいと思います。
ブルワーズとの一件は陰鬱とした事ばかりでした。ただ、少年達の生き残りが鉄華団に入れたのは、唯一心温まる出来事です。オルガが彼らに話しかけていた時、周りにいた鉄華団の少年達は、「スペース・デブリ」の少年達なのかな。
オルガは、リーダーとしての振る舞いが板についてきましたね。これは、人望集まる。
シノと三日月の死んだ仲間に対する考え方も、改めて彼らが危険な生活をしていると認識させます。
カバヤンとかいう人は、怯え方すらブタっぽかったですね。こんなしょうもない奴に、使われていた少年達は本当に可哀想です。悪人の親玉には、そんなしょうもない奴が意外に多いのかもしれませんが。
葬式は、未来では廃れつつある儀式のようで、オバさんことメリビットさんしか親しみが湧かないみたいです。彼女の正論&正論に、思わずオバさんと呟いてしまうオルガ。しかし、あんな品のある「ガ・キ」という言い方は、生まれて初めて聞きました。オルガも内心大喜びでしょうね。
弔砲で、死者を送るというのも彼ららしいです。宇宙での葬式というのも、作品世界の時代に合っているのかもしれません。メリビットさんの言った通り、生きている人間のためでもある葬式になっていました。
フミタンは、もしかして家族を人質に取られているのかな。幼い弟とか。彼女は、今回意味深な表情をしませんでしたが、代わりにメリビットさんがそれをしました。彼女達がスパイなのかどうか、気になる…。
ナゼさんのベロチュ~。最高に不謹慎な話をしながらも、やはりベロチュ~。兄貴はスゲェなぁ!! マネできねぇや。オルガは、こう思っていそうですが、何故か三日月も影響されてベロチュ~。なんですか? これ?
アキヒロがなんとガンダムタイプのグシオンに乗ることに。弟を殺した機体に乗って、弟を思い出したいとの決断は凄まじい。弟の死に様を常に思い浮かべてしまいそうです。そんなやり方をしても、弟を思っていたいんでしょうね。
第13話は、ここ数年のアニメ作品の中でも指折りの出来だったと思います。これまでは、どれだけ3話までの高評価を落とさないか、という基準で評価してきました。ですが、1クール目の終わりに一番面白いと感じる展開となった、ちょっとビックリしています。
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