【球界ここだけの話(465)】
広島のドラフト6位・仲尾次オスカル投手(24)=ホンダ=への期待が日々、高まっている。
21日の巨人とのオープン戦(沖縄・那覇)では六回から3番手として登板。2回を投げて2安打無失点とし「ゼロで抑えることができてよかった。カウントを悪くならないようにしたかった」と振り返った。
翌22日にはうれしいこともあった。沖縄出身でもある父・嗣光さん(72)の北部農林高時代の同級生15人がコザしんきんスタジアムに横断幕とともに応援にかけつけてくれたのだ。
話を聞かせてくれた嗣光さんの同級生の比嘉国夫さん(73)は「昔の沖縄の北部は野球が盛んじゃなかった。お父さんも野球はやってなかったし。でも、そのお父さんの息子がプロ野球に入るというのを知ってうれしかった」と明かしてくれた。
父・嗣光さんは1971年にブラジルに移住し、現在もブラジルで暮らしている。嗣光さんが移住してからは、同級生もずっと連絡をとっていなかったという。それでも45年後の新聞記事で嗣光さんの息子であるオスカルが広島に入団することを知り、いてもたってもいられずスタジアムに駆けつけた。
沖縄の応援団の存在にオスカルも「ものすごくありがたい。うれしいですね」と表情を緩めた。中継ぎ左腕としての広島でのキャリアは始まったばかり。声援に報いるためにもまずは開幕1軍を目指していく。(玉木充)