尿酸値が高い、と言われたら知っておきたいこと。下げるためにできること。

健康診断などで、「尿酸値が高めです」と言われた・・・。自覚症状は何もないけど、これってどういうことなの?
尿酸値が高いと、何が問題なのか。これから起こってくることは?下げるためにどうしたらいいの?
尿酸値が高い、と言われたときに思いつくすべての疑問について、徹底的にまとめました。
この記事の目次
◆尿酸値が高いって、値はいくつのこと?
まずは、健康診断などの血液検査の結果がおありの方はお手元にご用意ください。
尿酸値が高い、といわれる尿酸の基準値は、7.0mg/dlです。7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。なぜこの数値が基準なのか、というと、尿酸値が7.0mg/dlを超えてくると、血液中で尿酸の結晶化がはじまるからです。(結晶化については後ほど解説していきます)
男女別の尿酸値平均は以下の通りです。
男性:4.0~6.5 mg/dlぐらい
女性:3.0~5.0 mg/dlぐらい
◆そもそも尿酸とは何なのか?
尿酸とは、細胞やエネルギー代謝の過程で出るゴミにあたるものを指します。ですので、常に体内に生成されていきます。健康な状態ですと、血液を流れて後、尿、便、汗などで排出されていきます。
しかし、何らかの原因により、排泄と生成のバランスが崩れ、体内に尿酸が増えると、尿酸値の値が高いと言われる状態(高尿酸血症)になります。つまり血の中のゴミの密度が上がっているということでもあります。
◆そしてプリン体とは?
プリン体、という言葉を聞いたことはあるでしょうか。尿酸値が高くなる原因は、プリン体の取りすぎという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
プリン体は尿酸の原料となる物質です。そのため確かにプリン体の過剰摂取と尿酸値の間に関係性はあります。しかし、体の中に尿酸が増える原因は、プリン体の取りすぎだけでなく、様々なことが考えられてます。以前は痛風が贅沢病と考えられていましたが、それは貴族社会時代の遺物。現代にはあてはまりません。
◆尿酸値が高くなる原因とは?
では、いったい何が原因で尿酸が高くなっているのでしょうか?
実は(驚くべきことに)、尿酸が高い理由というのは人それぞれで、はっきりとした原因がわかっているものは全体の1割にとどまります。(その原因とは他の病気や薬が原因となっているものです)
つまり、ほとんどは原因がはっきりしていないのです。しかし、尿酸が高くなるリスクはわかっていますので、チェックしてみましょう。
◆尿酸値が高い人に多い9つのこと(尿酸値高いの?チェック)
尿酸値って、どうして高くなるのでしょうか?特定の原因が不明であるとお知らせしましたが、尿酸値の濃度変化は、もともとの体質と、生活習慣に大きく左右されることはわかっています。
ここでは、そんな尿酸値が高くなりやすい9つの状態を、チェック項目としてご用意しました。
あなたは今、尿酸値が上がりやすい状態にあるのでしょうか?試してみてください。チェックが多いほど、高尿酸血症になりやすいタイプです。
□ 男性である
□ 30歳以上である
□ 血縁者に痛風の患者がいる
□ ストレスが多い生活をしている
□ 激しい運動を頻繁にする(息が切れるようなもの)
□ アルコールを大量に、毎日飲む
□ 油っこいものが好き
□ 満腹になるまで食べるほうだ
□ 太っている
◆尿酸値が高いと起こってくること
尿酸は、水に溶けにくい物質のため、尿酸濃度が高いと、体の中で溜まっていきます。尿酸は全身を回っているため、目や腎臓など、色々な所に溜まります。その中でも、溜まりやすいのは関節です。
痛風
溜まっていき固まったものが「結晶」になります。この結晶が『痛風』を引き起こします。結晶が血中にはがれおちると、白血球がそれを異物とみなして攻撃してしまいます。足が腫れあがり、炎症を引き起こすのです。
この炎症は『痛風関節炎』と呼ばれ、ときに『痛風発作』と呼ばれる激しい痛みを伴います。『痛風』とは尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎(痛風関節炎)を伴う症状になる病気のことで、それによる痛みの発作を『痛風発作』と呼びます。
結節や結石
尿酸が結晶化したものが大きさを増すと、結節や結石という形を取ることがあります。結節は痛風結節と呼ばれ、耳たぶや、足、手指、手の甲などにこぶを作ります。結石は尿酸などでできた石状のものです。腎臓にでき、腎臓から尿動という経路の中に出ると、痛みを伴います。大きいほど激痛を伴い、血尿などもあります。
痛風自体は、命にかかわるものではありません。また、高尿酸結晶の全員が痛風発作になるわけではありません。
痛風発作などが起きないと、痛みや日常生活への支障はないのですが、かわりに高尿酸状態が気づかれず、放置されるということにもなります。
合併症、全身症状への展開、他の生活習慣病を起しやすい状態
高尿酸の状態が続きますと、合併症、全身症状への展開、他の生活習慣病を起しやすい状態へとなっていき命への危険性が出てきます。
全身症状としては、慢性関節炎、痛風結節、尿路結石、腎障害高血圧。また、他の病気と併発するものとしては、脂質異常症、糖尿病などがあります。また高血圧、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞へもつながっていきます。
痛風についてはこちらで詳しく解説しています
関連記事▶ 何もしてないのに、突然足が腫れてきた、激痛がやってきた。それが痛風です。
◆尿酸値を下げるためにできること
尿酸値が高くなりやすい9つの状態チェックはいかがでしたでしょうか? 「思い当たる節が多かった」「尿酸値は既に高い」という方。この結果というのは、「体を酷使してるんですけど・・・」「このままじゃ、やばいんですけど」という、ご自身の体からのコメント、とも言えます。
では、高くなった尿酸は、どうやって下げたらいいでしょうか? 下げる方法は何かあるのでしょうか?
はい、大丈夫です! ここでは、尿酸値が高くなった時に、お薬以外で、タダで、自分でできる尿酸値を下げるアプローチをご紹介していきます。これらは、本当にちょっとした食べ方、や日常の行為です。時間をかけて高尿酸血症になっていますので、濃度を下げるアプローチも、気長に試してみてくださいね。
【ご注意ください!】ただし、病院での検査と指導は必ず受けてくださいね。尿酸値の数値によっても、また痛みの程度や症状期によって処方される薬は正反対ぐらいに変わってきますし、対応も異なります。それぞれの体に合った診断は、病院で受けましょう。
1、肥満の場合はまずは改善
肥満だから高尿酸血症になるわけではないのですが、肥満だと高尿酸血症になる確率は高くなります。ですので、肥満の場合はまずやせるところからはじめます。やせると尿酸値が下がる場合が多くなります。
消費するより摂取するエネルギーが大きければそれは食べ過ぎということですので、食事の満足度を下げずに、摂取カロリーを下げる方法を検討して見ましょう。例えば・・・
・外食時には、肉だけでなく野菜がたくさん入っているものを混ぜる
・かつ丼などの一品料理ではなく、小鉢たくさんあるなど品数が多い定食を選んでみる
・エネルギー源の炭水化物を少しずつ減らしてみる、大盛→ふつうにする、一口残すなど
・お酒を飲むなら、おつまみはあっさり系を増やしてみる
・あっさり系→カロリーの低い海藻類やこんにゃくなど
急に高カロリー食品をゼロにするのではなく、代替提案をして、カロリーを減らしていくと挫折なく続けやすくなります。体重も尿酸値も数字として簡単に出ますので、下がっていく数値は継続して取っていくだけでモチベーションになったりします。
2、食事のプリン体の量に気を付ける(プリン体含有量の一覧表)
プリン体とは細胞の核にある「核酸」のこと。プリン体は尿酸の原料となるため、昔は厳しく規制されていました。でも最近ではそこまで厳しいプリン体制限は行われていません。なぜなら、食事から体内に取り込まれるプリン体量は少なく、相関関係が当初考えられていたより大きくないことがわかってきたからです。
ただ、やはり取りすぎはよくないのは確実なことですし、数値にも関連は出ます。
1日のプリン体摂取量の基準は、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」の中では、『1日400mgを目安に』とされています。
そうなると気になるが実際の食品に含まれるプリン体の量ですよね。プリン体が多い食品としては、肉、レバー、魚、魚卵、乾物類などがあります。
多いか少ないかの基準は、食品100gあたりに、100mg以上の含有で「プリン体が多い」食品、300mg以上で「プリン体が極めて多い」食品とされています。
男性が好んで食べる、肉、揚げ物、魚卵、コクとうまみのある乾物類・・・、主に美味しいものにはプリン体が多い傾向があります。
以下は、日本痛風・拡散代謝学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」にあるプリン体含有量の表です。ご参考にどうぞ。
| 極めて多い 300mg~ | 鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し |
| 多い 200~300mg | 豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、サンマ干物 |
| 少ない 50~100mg | ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、つみれ、ほうれんそう、カリフラワー |
| 極めて少ない ~50mg | コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ、数の子、すじこ、ウインナーソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、ジャガイモ、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、海藻類 |
プリン体を基準に列挙しましたが、「プリン体は多いものの、他の栄養素としては体に良い」というものもあります。プリン体が多いから完全に食べないようにするというより、高プリン体であるビールと高プリン体食品+揚げ物という食べ合わせを避ける、少量ならばたまに楽しむ、といった、うまい付き合い方を工夫することをお勧めします。
なお食事については、必ずかかりつけの病院からの指導に従ってくださいね。
3、酸をアルカリ化させる食材を取ろう
高尿酸血症の人の尿は、酸性にかたむきやすい、といわれています。尿酸は酸性の液体に溶けにくい、という性質があるため、尿が酸性だと尿路結石もできやすくなります。
食品には、尿を酸性化させる食品と、アルカリ化させる作用の食品があります。酸性にさせるのは、肉、卵魚など。尿をアルカリ化するのは、野菜や海藻類です。
尿をアルカリ化する作用のある食品:わかめ、ひじき、こんぶ、干ししいたけ(プリン体と矛盾しますが)、ホウレンソウ、ゴボウ、さつまいも、にんじん
ただし、シュウ酸を含む野菜(ほうれん草、大根、なす、タケノコ、トマト、セロリなど)は尿路結石ができやすくなる傾向にあるので、一度に少量ずついただく、という形がおすすめです。
書いておいてこういうのもなんですが、こういった情報をたくさん見るほど、食べ物に関して「あれはいいが、これに関しては悪い」という情報が錯綜して混乱します。また食べられないものが増えることで、ストレスに鳴ったり落ち込むことがあります。そうなると元も子もありません。
結局は何でもバランスよく、少量ずつ取るのが理想的な食事に落ち着く実感があるのですが、継続できる程度に様子を見ながら取り組んでみてください。
4、水分をこまめに取ろう
尿酸の尿中飽和度を減少させるためには十分な水分摂取が推奨され、尿量を2000ml/日以上確保することが目標とされています。食事の際は、お味噌汁、スープなどの汁物加えていきましょう。またこまめに「水」での水分補給をこころがけます。体内が脱水状態になると、血中の尿酸値濃度が上がることになるからです。ふだんから常温の水、白湯などを「水」そのものを取っていくとともに、お酒を飲むときも、お水を一緒に取っていく、水割りの水の量を増やすのも工夫の一つです。これは簡単にできておすすめです。
5、食べ方を変えてみる
食事に気を付けることは、食べる内容だけではなく、食べ方にもコツがあります。
食べ方を変えるだけで、栄養の吸収の仕方や満腹度が変わり、ダイエットにもつながります。
▶不規則な方はなるべく規則正しい時間にとる。不規則な方が体に脂肪がつきやすくなる。急に空腹の時間が長くなるとかえって体脂肪を蓄積しようとする。
▶間食はお菓子類ではなく、果物、乳製品、牛乳などに代替してみる。
▶夜9時以降の食事は避ける。消化に時間がかかるため。
▶早食い、一気食いを避ける。早い食事は、食事への満足度が下がります。
▶よく噛んで、ゆっくり食べる、人と一緒に楽しく食べる。
→まとめると、食事に対して時間をかけよう、ということです。ゆっくり食べると細胞のエネルギー消耗が少なく、体内で生産される尿酸の量がおさえられます。また、食事への満足度が上がり、腹八分が実行しやすくなります。
▶お醤油などの調味料は、かける、のではなく、つける、を選択する。
→これは摂取塩分が減るからです。高血圧と高尿酸血症は合併しやすい傾向から、塩分は控えめを提唱されています。いきなり極端な減塩は継続が難しく挫折するので、少しずつ取り組みましょう。
◆まとめ 治療や薬は一生続けなければならないの?
患者さんから最も多い質問は「治療や薬は一生飲み続けなければならないの?」というものです。一生ということはなく、尿酸値に改善が見られれば薬をやめることは可能です。
痛風発作はすぐに改善しますが、高尿酸血症は気の長い症状です。改善にかかる時間はひとそれぞれ。通院している先のお医者さんと、気長に協力しながら経過を見ていく場合も多くなると思います。お医者さんとコミュニケーションを積極的にとって、改善に取り組んでいきましょう。



















