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G20閉幕 政策総動員し経済成長支える
2月27日 23時00分

G20閉幕 政策総動員し経済成長支える
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中国・上海で開かれたG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議は27日夜、討議の結果をまとめた「声明」を発表しました。この中で、市場の安定化に向け「金融・財政すべての政策手段を用いる」とし、G20各国が政策を総動員し、世界経済の成長を支える姿勢を打ち出しました。
世界的に金融市場の動揺が続くなか、中国・上海で開かれたG20の財務相・中央銀行総裁会議は27日夜閉幕し、「声明」を発表しました。
この中では、まず、世界経済の現状について、「下方リスクとぜい弱性が高まっている」として警戒感を示しながらも、「市場の変動の規模は経済の実態を反映したものではない」として、最近の金融市場の動揺は行きすぎているという見方を示しました。そのうえで、G20として市場の安定化に向け、「金融・財政すべての政策手段を用いる」とし、各国が政策を総動員し、世界経済の成長を支える姿勢を打ち出しました。
また、「われわれは機動的に財政政策を実施する」とし、財政状況に余力のある国は景気を下支えする財政出動を検討するよう促しています。そのうえで、「通貨の競争的な切り下げを回避する」として、自国の輸出を有利にするため意図的に通貨を切り下げる「通貨安競争」を行わないことを明記しました。
一方、過剰な生産設備や不良債権などを抱えた中国経済が世界経済の大きなリスクとなっていることを念頭に、「構造改革の早急な進展は潜在成長力を高め、経済を柔軟かつ強じんにする」という文言を盛り込み、中国をはじめ各国が成長力の強化につながる構造改革を進めることを確認しました。
このほか声明では、「巨額で変動しやすい資本フローから生じる課題に対処する」として、アメリカの利上げなどを背景に、中国をはじめ新興国などから資金が流出して市場が不安定化する事態を防ぐため、今後、作業部会で具体的な対策を検討するとしました。

麻生副総理・財務相「各国の共通認識を確認」

G20の財務相・中央銀行総裁会議の討議を終えたあと、麻生副総理兼財務大臣は記者会見し、「世界経済を巡る市場の懸念をしっかり受け止めつつ、世界経済の実態は市場の変動が示唆するよりも良好であり、下方リスクが顕在化した場合はG20各国はそれに対処する意志と労力を持ち合わせているという共通の認識を確認できた」と述べ、会議の意義を強調しました。

議長国 中国「世界経済動向を注意深く監視」

G20・閉幕後、議長国の中国の楼継偉財政相は会見で、世界経済の回復の遅れやこのところの金融市場の乱高下などに対し、「G20として、経済と金融の動向を注意深く監視していくことで合意した」と述べ、各国が連携して対応していく姿勢を強調しました。
そのうえで、今回の会議では金融・財政政策とともに構造改革も含めたあらゆる手段を使ってリスクに対応していくことで合意したことに関連して、「構造改革について各国がどこまで実行したかをチェックする仕組みを作ることで合意した」と述べて、世界経済の成長に向けて構造改革の重要性を各国で共有したという認識を示しました。

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