先日、僕は衝撃的な小説に出会いました。
朝井リョウさんの小説「何者」です。
直木賞を受賞したベストセラー作品なので既に読んでいる人も多いかもしれません。就活中の大学生を描いた物語です。
前半は「就活の時、こんな感じだったな~」と読んでいたのですが、後半にかけてのどんでん返しに感情がジェットコースター状態でした。この衝撃は乾くるみのイニシエーション・ラブ以来かも…。
もう現代のSNSを使う若者は、みんな読んだらいいと思うけど、特に就活生は必読本ななんじゃないかと思います。就活のときって自己分析もしますし、自分が「何者」なのかを嫌というほど考えますからね…。
朝井リョウの小説「何者」とは?
出典:「何者」×朝井リョウ 受賞記念特別インタビュー|新潮社 - YouTube
「何者」の著者は桐島、部活やめるってよでお馴染みの朝井リョウさん。
作風としてはスクールカーストやSNSのやり取りだとか、現代的な若者人間関係に注目したものが多め。僕は今回紹介する「何者 」と「桐島、部活やめるってよ」を読んでいますが、「この人、人間観察能力高すぎ!」と感心しまくりです。
今回紹介する「何者」は2012年に発表されて、直木賞を受賞した朝井リョウさんの代表作です。
あらすじは以下の通り。
「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。
いや~、就活中って色んな大学生に出会いますよね。
「学生団体を作りました~。」「海外に留学していました~。」「インターンしていました~。」逆に、「俺は就活なんて興味ないからさ~。」と言い出す人もいると思います。たぶんどれも鬱陶しく感じるはずです。
就活中って自己分析もたくさんするし、周りと自分もたくさん比較します。だからこそ「自分って特別!」と思わないとやっていけない。わかってても鬱陶しい。
そんな「意識高い系」の大学生、「意識高い系を鬱陶しい」と感じる大学生…。この両者の心に風穴あけるダメージを与えるのが「何者」という小説なんです。
朝井リョウの「何者」が就活生におすすめな理由
- ※以下、ネタバレあり。
それでは以下、僕が感じた「何者」のおすすめポイントを以下にまとめておきます。僕は就活なんて関係ない大学4年の2月に、この小説を読みました。
それでも僕の心には風穴があきました。おそらく「自分が何者なのか」について、もっと考えている就活生が「何者」を読んだら強烈なダメージ、そして勇気をもらえるのではないかなと思います。
あなたが就活生なら「何者」は必読書です!!
①痛々しい印象を与える発言を理解できる
就活中には本当にいろんな大学生を見ると思います。
「留学しました!」「インターンしてました!」「団体を立ち上げました!」「人脈を作りたい!」「仲間に恵まれている!」「就活に意味を見いだせないんだよね!」
こういった「意識高い」大学生の痛々しさが嫌というほど伝わってきます。物語の前半は主人公が意識高い大学生達のtwitterの投稿や発言を「だっさー(笑)」とばっさばっさ切っていくわけです。
RICA KOBAYAKAWA @rika_0927 1時間前
今日もキャリアセンターでES見てもらってから面接の練習。色んな人にアドバイスもらえて、ヤル気アップ! このあとは瑞月たちと集まって就活会議。仲間がいるって心強い!
どうしても就活中、とくに内定がもらえていない時期は自信無くしがち。そういうときに限って「自分はすごい!」「自分は個性的だ!」「自分は努力している!」とアピールしたくなってしまします。
でも、はたからみるとそれは物凄く痛々しいかもしれません。注意が必要ですね~。
②自分だけで、自分の人生を見つめなきゃいけない
物語の前半はひたすら「意識高い」大学生を心の中で痛々しく思っているだけ。しかし、後半にかけて徐々に「意識高い」大学生に対して攻撃を始めます。
「私たちはもう、たったひとり、自分だけで、自分の人生を見つめなきゃいけない。一緒に線路の先を見てくれる人はもう、いなくなったんだよ。進路を考えてくれる学校の先生だっていないし、私たちはもう、私たちを産んでくれたときの両親に近い年齢になってる。もう、育ててくれるなんていう考え方ではいられない」
自分だけで、自分の人生を見つめなきゃいけない…
「自分は特別」「俺ってすごい」とSNSでアピールしても、自分の人生を肯定してくれる人なんていません。大学生までは親なり、先生なり、自分を肯定してくれる人がいたかも。でもここからは自立して、1人で、自分だけで、自分の人生を見つめなきゃいけないのです。
自立できていない大学生は、1人が寂しくて、自分を肯定して欲しくて「意識高い」発言をしちゃう。認めてほしいから、理解してほしいから。
これからは1人で自分の人生を考えなくてはいけません。あなたは自立できていますか?
③ダサい姿で、もがけるやつが最強。
物語の後半のどんでん返しには驚きました。
最終的には「意識高いやつ気持ち悪っ」とか陰で観察している人が一番痛々しい…ということを描いていきます。
「そうやってずっと逃げてれば?カッコ悪い自分と距離を置いた場所で、いつまでも観察者でいれば?いつまでもその痛々しいアカウント名通り【何者】かになった振りでもして、誰かのことを笑ってなよ。就活3年目、4年目になっても、ずっと」
後半にかけてはこの小説の一番のメッセージをびしびし浴びせられている気がしました。
「ダサい姿で、もがけるやつが最強。」
僕が感じたメッセージ。そして就活生に届けたいメッセージ。
意識高くても、痛々しく見えても構わない。行動を起こして、もがいているやつが最強ってことです。痛々しくても努力しているやつが最強ってことです。
「おまえがスーツかよ!」「髪の毛黒くしちゃって~。」就活中は嫌みったらしい声も聞こえてくるはずです。だけど「ダサい姿で、もがけるやつが最強」。覚えておいてください。
朝井リョウの「何者」は必読本だ!
就活では自信を失うことが多々あると思います。
時には「意識高い」大学生になっちゃうこともあるかも。評価してほしくて寂しくなっちゃうかも。
でも、孤独に立ち向かって「ダサい姿で、もがけるやつが最強」です。何度も言います。
就活生が読んだら本当に勇気がもらえるはず!
就活に関する質問は一応僕も話せるんで、問い合わせてみてください。僕の就活に関してはこちらの記事でまとめていますよ~。
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ちぇけ