福井県で発見された恐竜化石、新種だった。学名は「逆説の...」
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福井で発見の恐竜化石は新種 現代の鳥類並みの聴力
福井県立恐竜博物館は26日、同県勝山市で2007年に化石で見つかった小型獣脚類の恐竜が新種と判明し、「フクイベナートル・パラドクサス(逆説の福井の狩人)」と学名を付けたと発表した。国内で見つかって学名が付いた恐竜は7種目、福井県では5種目、獣脚類では2種目。
化石は07年8月、勝山市北谷町の白亜紀前期(約1億2千万年前)の地層から約160点が見つかった。同一個体の全身骨格の7割がそろい、全長2・45メートル、体重25キロと推定される。
原始的、進化的な双方の特徴を併せ持つことから学名に「逆説」と入れた。鳥類の起源とされ、羽毛があるコエルロサウルス類のうち、原始的なマニラプトル形類に属する。一方、内耳の聴力をつかさどる器官が発達し、現代の鳥類に匹敵する聴力があったとみられる。また肉食の多くの獣脚類が持つぎざぎざした「鋸歯(きょし)」がなく、円錐(えんすい)形の歯であることなどから雑食だったと考えられるという。
内耳の器官の発達具合や骨の形状などの特徴から、新種と判断したという。
東(あずま)洋一・特別館長ら6人が共同執筆した論文が、23日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。東特別館長は「鳥の起源とされるコエルロサウルス類の進化過程を理解する上で重要な資料だ」と話した。
(朝日新聞デジタル 2016年2月26日19時00分)