インターネットの中継サーバーを無許可で運営したとして、県警生活環境課と中津署、京都府警は16日、電気通信事業法違反の疑いで、中国籍で神奈川県座間市、自称会社役員王悦容疑者(32)を逮捕した。捜査関係者によると「中国にいる親族に頼まれた」と容疑を認めている。 県警生活環境課によると、機材は中国から送られており、中国に協力者がいるとみている。王容疑者の運営していた中継サーバーは、経由前にどこから接続したか分からなくなる仕組みになっていた。不正アクセスなど他の犯罪に利用されていた可能性が高いという。王容疑者の人間関係などから、中国からのアクセスが中心だったとみている。 逮捕容疑は昨年3月4日~11月5日、座間市内のアパートで、国に届け出をせずに中継サーバーを設置し、不特定多数が利用できるようにして電気通信事業を営んだ疑い。 同課によると、昨年2月、中津市内の男性から「インターネット上で勝手にポイントを使って買い物をされた」と中津署に届け出があった。通信記録を調べ、届け出のないサーバーを経由していたことが判明した。 また、京都府警は昨年3月、会員制交流サイト(SNS)を使った恐喝事件の届け出を受けて捜査。中津市のケースと同じサーバーを経由していたことが分かり、合同で捜査していた。 県警によると、中津市の男性の事件に王容疑者は関与していない。男性のIDとパスワードが使われ、オークションサイトでカメラを落札したことになっていたが、男性の元には届いていないという。IDとパスワードが何らかの方法で別人に盗まれた可能性があるとみて、不正アクセス禁止法違反の疑いで調べる。