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教科書採択「条件」は補足説明で 大阪府教委方針、対応に批判も
大阪府教委が30日、教職員の国旗掲揚、国歌斉唱について「強制の動きがある」と記した実教出版(東京)の高校日本史教科書を条件つきで採択したことに関し、府教委は同日午後の記者会見で、条件の具体的な内容について、各校で指導の際に補足説明をつけることなどを想定していることを明らかにした。府教委は今後、ガイドラインを策定するなどし、補足説明の内容を明示する方針だ。
同社の教科書をめぐっては、東京都教委と神奈川県教委は採択せず、埼玉県教委は採択した。都府県教委によって判断が分かれ、府教委は中間的な判断を示した形だが、有識者の中では「別の教科書を選ぶようにすべきだった」と対応を批判する声も上がっている。
30日の府教育委員会議で、陰山英男委員長は「1カ所をもって不採択にすれば、どこかに因縁をつければ全部不採択にできる危険性もある」とし、条件付きの採択を提案した。
「強制」の記述を踏まえ、中原徹教育長は「府教委は不採択にする権限も持っている」と指摘したが、「違和感があれば子供と議論したらいい」「補足資料をそろえればいい」との声が上がり、最終的に委員全員が採択に賛成した。