N君と謎の男
昼時を少し過ぎていた為、デニーズの店内は多少空いていた。
N君と謎の男は僕と向かい合うように2人並んで座っていた。
店員さんがやって来て、
「ご注文お決まりでしたら、お伺いします。」
男とN君はコーヒーを…
僕はこの２人が絶対に宗教か何かの勧誘だと思っていたので、闘う体力をつける為…
「たらこスパゲティで…」
そして店員が去ると、謎の男がゆっくりと話始めた…
「君がNの友達って事で、とてもいい話をしようと思って来たんだ。」
そしてN君も…
「こいつは凄くいい奴で、とても信用できる奴だから、まず話を聞いて欲しいんだ…」
ほらほら来た〜！
「…宗教だったらお断りだよ！」
僕はすぐさま返した。
謎の男はちょっとムッとした顔をして…
「なんで話を聞かないまま断るんだ！」
「まずは話を聞け！」
なんだこいつ…
俺も腹が立ってきたぞ…
僕はムスッとし、とりあえず黙った。
ほとんど聞く耳持たずにいたので、詳しい話は憶えていないが、やはり謎の男とN君は宗教の勧誘の為に僕と会ったのだった。
話の途中にたらこスパゲティが来たので、無言で食べ始めると謎の男が…
「ちゃんと聞いているのか？」
「…はぁ〜親戚の叔母さんが某宗教に入っていて、勧誘でウチに来てウンザリしているんだ！」
謎の男は声を荒げて
「あんな所と一緒にすんな！俺たちの所は違う！」
「だから君も…」
スパゲティもだいたい食べたし、そろそろ行くか…
僕も戦闘態勢に入り…
「まあ…宗教の自由だから、お前らが何をどう信じようが勝手だが、俺は宗教は信じない！」
謎の男も感情的になって来て…
「なぜ信じないと言い切れる？俺たちの話もロクに聞かないで！」
「はぁ？別に聞きたくもないし！」
「なぜそこまで言う！」
「だから俺は宗教は嫌いなんだ！」
「俺たちの宗教は違う！話を聞かないで嫌いとか言うな！」
「俺たちはここを信じて幸せになっているんだぞ！」
「お前だって信じれば幸せになれるんだ！」
何が幸せだ！
僕も完全に頭に来た
「別にお前らの宗教は否定しない！お前が信じて幸せだと思うのは勝手だ！だけど俺は宗教は嫌いなんだ！」
「嫌いだと言っている事にたいしてしつこく言うんじゃねーよ！」
あまりの大声に店員さんも僕らの方を見ていた。
「俺は…あか男が幸せになってもらいたいと思って、この話を持って来たのに…」
バトル中ずっと黙っていたN君も話し出す。
「俺たちの宗教は本当に幸せになれるんだよ！」
謎の男が少し落ち着いたのか、静かに話始めた…
「実は俺は半年前に車を運転中に大事故に遭ったんだ。」
「車は大破したけど、奇跡的に大怪我だけで済んだんだ！」
「普通なら死んでいるような事故でも助かった！」
「これは信仰しているおかげなんだよ！」
……はあ？
信仰していりゃ、大怪我じゃなく無傷じゃね？
そもそも信仰していりゃ、そんな事故すら遭わないんじゃね？
そんな事を言いたかったのだが、ここはジッと耐えた。
そして…
「そりゃあよかったじゃねーか！だけど俺は信じない！」
「お前らが信じて幸せだと思うのは、肯定も否定もしない！それはお前らの自由だから！」
「俺は宗教は嫌いだし信じない！これは俺の考えだ！だから否定するな！」
「なぜわかってくれない！」
そんなやり取りが1時間以上続き…
そしてようやく…
諦めてくれた。
席を立ち、みんなでレジを済ませ店を出る。
デニーズで2時間近くのバトルは僕の勝利で終わった…
と思った矢先に謎の男が最後の捨て台詞を言った。
・
・
・
・
・
・
帰り道せいぜい気をつけろ…だと？
何を言うんだこいつ！
男はそのままN君の車に乗り、走り去って行った…
帰り道気をつけろ…
なんだあいつら…
僕は…
徒歩だぞ！
僕を車で拉致るつもりか⁈
それとも後ろからひき殺すつもりか⁈
こっ怖いじゃないか…
僕は近くの駅までの10分間…
なんども後ろを振り返りながら帰ったのだった…
最後にビビらされた僕は、ちょっとあいつらに負けた様な気がしたのだった…
続く。
いや〜この時は自分でもよく闘ったと思いますよ。
相手側に全くおれる事なく、自分の主張を貫き通しましたからね。
しかし最後の男の捨て台詞…
本当に何かされるのではないかと思い、めちゃくちゃビビりながら帰りました。
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昼時を少し過ぎていた為、デニーズの店内は多少空いていた。
N君と謎の男は僕と向かい合うように2人並んで座っていた。
店員さんがやって来て、
「ご注文お決まりでしたら、お伺いします。」
男とN君はコーヒーを…
僕はこの２人が絶対に宗教か何かの勧誘だと思っていたので、闘う体力をつける為…
「たらこスパゲティで…」
そして店員が去ると、謎の男がゆっくりと話始めた…
「君がNの友達って事で、とてもいい話をしようと思って来たんだ。」
そしてN君も…
「こいつは凄くいい奴で、とても信用できる奴だから、まず話を聞いて欲しいんだ…」
ほらほら来た〜！
「…宗教だったらお断りだよ！」
僕はすぐさま返した。
謎の男はちょっとムッとした顔をして…
「なんで話を聞かないまま断るんだ！」
「まずは話を聞け！」
なんだこいつ…
俺も腹が立ってきたぞ…
僕はムスッとし、とりあえず黙った。
ほとんど聞く耳持たずにいたので、詳しい話は憶えていないが、やはり謎の男とN君は宗教の勧誘の為に僕と会ったのだった。
話の途中にたらこスパゲティが来たので、無言で食べ始めると謎の男が…
「ちゃんと聞いているのか？」
「…はぁ〜親戚の叔母さんが某宗教に入っていて、勧誘でウチに来てウンザリしているんだ！」
謎の男は声を荒げて
「あんな所と一緒にすんな！俺たちの所は違う！」
「だから君も…」
スパゲティもだいたい食べたし、そろそろ行くか…
僕も戦闘態勢に入り…
「まあ…宗教の自由だから、お前らが何をどう信じようが勝手だが、俺は宗教は信じない！」
謎の男も感情的になって来て…
「なぜ信じないと言い切れる？俺たちの話もロクに聞かないで！」
「はぁ？別に聞きたくもないし！」
「なぜそこまで言う！」
「だから俺は宗教は嫌いなんだ！」
「俺たちの宗教は違う！話を聞かないで嫌いとか言うな！」
「俺たちはここを信じて幸せになっているんだぞ！」
「お前だって信じれば幸せになれるんだ！」
何が幸せだ！
僕も完全に頭に来た
「別にお前らの宗教は否定しない！お前が信じて幸せだと思うのは勝手だ！だけど俺は宗教は嫌いなんだ！」
「嫌いだと言っている事にたいしてしつこく言うんじゃねーよ！」
あまりの大声に店員さんも僕らの方を見ていた。
「俺は…あか男が幸せになってもらいたいと思って、この話を持って来たのに…」
バトル中ずっと黙っていたN君も話し出す。
「俺たちの宗教は本当に幸せになれるんだよ！」
謎の男が少し落ち着いたのか、静かに話始めた…
「実は俺は半年前に車を運転中に大事故に遭ったんだ。」
「車は大破したけど、奇跡的に大怪我だけで済んだんだ！」
「普通なら死んでいるような事故でも助かった！」
「これは信仰しているおかげなんだよ！」
……はあ？
信仰していりゃ、大怪我じゃなく無傷じゃね？
そもそも信仰していりゃ、そんな事故すら遭わないんじゃね？
そんな事を言いたかったのだが、ここはジッと耐えた。
そして…
「そりゃあよかったじゃねーか！だけど俺は信じない！」
「お前らが信じて幸せだと思うのは、肯定も否定もしない！それはお前らの自由だから！」
「俺は宗教は嫌いだし信じない！これは俺の考えだ！だから否定するな！」
「なぜわかってくれない！」
そんなやり取りが1時間以上続き…
そしてようやく…
諦めてくれた。
席を立ち、みんなでレジを済ませ店を出る。
デニーズで2時間近くのバトルは僕の勝利で終わった…
と思った矢先に謎の男が最後の捨て台詞を言った。
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帰り道せいぜい気をつけろ…だと？
何を言うんだこいつ！
男はそのままN君の車に乗り、走り去って行った…
帰り道気をつけろ…
なんだあいつら…
僕は…
徒歩だぞ！
僕を車で拉致るつもりか⁈
それとも後ろからひき殺すつもりか⁈
こっ怖いじゃないか…
僕は近くの駅までの10分間…
なんども後ろを振り返りながら帰ったのだった…
最後にビビらされた僕は、ちょっとあいつらに負けた様な気がしたのだった…
続く。
いや〜この時は自分でもよく闘ったと思いますよ。
相手側に全くおれる事なく、自分の主張を貫き通しましたからね。
しかし最後の男の捨て台詞…
本当に何かされるのではないかと思い、めちゃくちゃビビりながら帰りました。
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