中国の民間調査機関、胡潤研究院がこのほどまとめた2016年版の世界富豪リストによると、大富豪が最も多いのは米国ではなく中国、最も多い都市はニューヨークではなく北京であることが分かった。
それによると、資産10億ドル以上の大富豪は中国には568人おり、米国(535人)を上回り、最多に浮上した。都市別で見ても、北京に住む大富豪は100人で、ニューヨーク(95人)を初めて上回った。米国では大富豪が前年に比べ2人減ったが、中国では90人増えた。また、ニューヨークの大富豪は4人増えただけだったが、北京では32人も増えた。
USAトゥデーなど米メディアは、中国で昨年、株式市場が暴落し、景気が低迷するさなかでも、中国の富豪が巨万の富を蓄えていることを示していると報じた。胡潤研究院は今回の順位を1月15日現在の株価を基準に作成したが、株式市場が暴落する前の昨年夏を基準にした場合、北京の大富豪は150人に迫るとみられる。また、中国の大富豪は財産を隠し、表面化していないケースが多いため、中国政府の統計に反映されない大富豪まで含めれば、その数は2倍に迫ると推定される。
大富豪の国別順位は以下、インド(111人)、ドイツ・英国(各82人)、ロシア(80人)などが続き、韓国は31人で、順位が昨年の14位から15位に後退した。人数は昨年より2人減少した。都市別では以下、モスクワ(66人)、香港(64人)、上海(50人)などが続いた。上位10都市の半分が中国の都市だった。ソウルは27人でシンガポールと並び14位タイ、東京は26人で16位だった。
世界の大富豪は2188人で、前年より209人増えた。311人が新たにランクインし、102人が脱落した。個人別ではマイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏が800億ドルで最高で、伝説的投資家として知られるウォーレン・バフェット氏(バークシャー・ハサウェイ会長)が680億ドル、スペインのファッションブランド「ZARA」の創業者、アマンシオ・オルテガ氏が640億ドルで続いた。