ソウル地方警察庁の観光警察隊は「GUERISSON 9・complex 馬油クリーム」などの偽物化粧品2万点、10億ウォン(約9400万円)相当を製造し、ソウルの明洞や弘大で中国人に販売した容疑で6人を立件。未販売の4400点余りを押収した。馬油クリームの偽物は本物に似せて作っているものの、美白効果に必須の成分が入っていないという。
明洞で中国人などの外国人客に偽ブランド品を販売した男(34)も立件された。本物なら数百万ウォン(数十万円)するルイ・ヴィトンのバッグの偽物を9万ウォン(約8500円)で販売するなどしたという。警察の関係者は「中国人客の再訪問率が20%にとどまっているのは、韓国の商業者らのこうした違法行為によるところが大きい」と話している。
■日本に足を向ける中国人客
韓国を昨年訪れた中国人客は約598万4000人で、前年比2.3%減少した。一方、日本を訪れた中国人客は約499万4000人で過去最多となった。中東呼吸器症候群(MERS)流行を受けて韓国旅行を中止した中国人が多かった半面、円安でショッピング目的の日本旅行が増え、訪韓、訪日中国人客の差が大きく縮まった。こうした傾向は今年の春節連休も続き、訪日中国人客が訪韓中国人客を上回った。
観光業界では、偽物販売やぼったくりなども中国人客の足を遠ざける大きな要因とみている。東大門で商売をしている男性(37)は「不況で韓国人相手の商売がもうからず、一部の商業者が中国人客へのぼったくりで埋め合わせをしている」と明かした。
韓国観光公社によると、外国人客から昨年寄せられたクレーム(1154件)のうち、ショッピングに関するものが320件で最も多かった。ぼったくりや不親切な商売に関するクレームがこのうち67.8%を占めた。